2020年9月
知床半島発!ウトロ・羅臼GSS通信

令和2年9月28日(月曜日)フレペの滝巡視
フレペの滝への巡視を行いました。
知床自然センターより往復2キロメートルの道のりで、気軽な散策が楽しめます。
この滝は流れ込む川がなく、岩の隙間からしみ出て海に流れ込む滝となっています。
フレペの滝は意識してよく見ないと滝の様子がよく分かりません。
別名・乙女の涙とも呼ばれており、水量がさほど多くない様子からそう名付けられたのでしょうか?
展望台からはオホーツク海を一望できます。
本日は荒々しい海となっていました。
遊歩道沿いにはたくさんのススキが風に揺れており、これからどんどん秋が深まっていきそうです。
令和2年9月25日(金曜日)知床硫黄山草刈り
本日は知床硫黄山の歩道上に覆い被さるように伸びた笹を刈りました。
笹刈り前
硫黄山の歩道沿いには可憐な白い果実をつけるシラタマノキがたくさん生えているので、注意しながら笹だけを刈っていきます。
笹刈り後すっきりと足下がよく見えるようになりました。
何か視線を感じると思ったら、立派な角を生やしたエゾシカが木々の隙間からこちらを見ていました。
令和2年9月13日(日曜日)羅臼岳岩尾別口からの巡視
本日は羅臼岳歩道(斜里町側)の巡視を行いました。
登りはじめて最初にある水場の弥三吉水では例年通り水が流れ出ていました。
現在、羅臼岳や知床連山縦走路内で水を充分に採取できるのはこの弥三吉水のみとなっております。
銀冷水、岩清水、三ツ峰、二ツ池の水場は全て涸れています。
また、硫黄山の野営指定地である第一火口の雪渓はかなり縮小したものの、まだ残っている雪渓からポタポタと溶ける水を採取しているそうです。
山の中は少しだけ秋模様となっていました。
イチイ
紅葉も少しずつ始まってきています。
オオカメノキ
鈴なり状態のオオバスノキの実
そんな秋の実をたくさん食べたと思われるヒグマの糞が落ちていました。
このヒグマはナナカマドの実をたくさん食べたようです。
令和2年9月10日(木曜日)ミズナラ堅果結実調査第一回目の回収
一週間前の9月3日に設置したミズナラ堅果(ドングリ)結実調査の第一回目の回収です。
今年のドングリはまだ小さなものが多く、全ての調査木(25本)合計で85個のドングリを回収しました。
ちなみに大豊作だった昨年の一回目の回収時は1,961個でした。
落下したドングリを受けるトラップの網が、複数箇所壊されていました。
ヒグマによるものと思われますが、ドングリはほとんど落ちていないことから、ドングリを食べるためにトラップを壊したというよりも、トラップの網で遊んで壊したのでしょうか。
合計で10箇所のトラップに被害がありました。
網が破れて使用不能になったものは取り換え、鉄ピンが曲げられたものは修復して新たに設置し直しました。
知床はヒグマが多く生息している地域です。糞や足跡などの痕跡に出会うことは多く、私たちGSSが巡視中に車からヒグマを目撃したり、歩行巡視中に出会った回数は、今年6月中旬から現在までで20~30回程です。
車から目撃することが多いですが、歩行巡視中や作業中に出会うことがないように役に立つのが、音をたてて人の存在を積極的に知らせることです。
私たちは巡視に出かける際には必ずクマよけの鈴を携行しますが、この鈴の音がヒグマとの安全な距離を保ち、ヒグマとの接近遭遇を未然に防ぐための必須アイテムになっていると、作業をしながら実感しています。
令和2年9月6日(日曜日)雲が忙しかった羅臼湖巡視
知床ウトロ側では日中の気温が30度近くまで上昇し熱い一日でしたが、羅臼湖周辺は山の天気で雲が忙しそうに動き回っていました。
羅臼湖入口で見えた、羅臼岳にかかるおもしろい形の雲。笠雲と言うのでしょうか。
目梨展望台から知床峠・羅臼岳方向、雲が忙しく動いています。
羅臼湖まではいくつかの沼と湿原を通ります。
二の沼から羅臼岳方向。沼は枯れています。
ここではまだ山が見えていました。
三の沼から見る羅臼岳方向。だんだんと雲がたくさん出てきました。
ヒグマの足跡とヒグマが食べたハイマツの食べかす。
今季は8月から三の沼と四の沼周辺でヒグマの痕跡が目立ちます。
見通しの効かない場所では要注意です。遊歩道を歩く時は音や声を出して歩きましょう。
三の沼と四の沼の間にある湿原。今年はほとんど水がなく、枯れた状態です。
ここが枯れるのはあまり見たことがありません。
四の沼から羅臼湖方向。雲が動いています。
五の沼。霧と言うより雲の中でしょうか。
羅臼湖も湖面は雲の中。雲は忙しく動いていて湖面が見えたり見えなかったり、という感じでした。
この日、帰り道は雲が勢いを増してきて、知床峠に着くまで雲の中というお天気。
暑かったウトロとは対照的な涼しさの中での巡視でした。
令和2年9月3日(木曜日)ミズナラ堅果結実調査
ミズナラ堅果(ドングリ)の結実調査のためのシードトラップを設置しました。
この調査は、ドングリの豊凶のメカニズムの解明に役立てることを目的として、1989年(平成元年)から毎年継続して実施しています。
ヒグマの重要な食資源であることから、ドングリの豊凶とヒグマの出没状況との関連性を調べるデータとしても活かすことができるのではと考えています。
ミズナラの木とシードトラップ。
ミズナラ堅果、この実はまだ熟していません。
シードトラップを背負って出発です。
川を渡り、
斜面を登り、
調査木の下で組み立て、設置します。
一つの調査木の下には3つのトラップを設置。
調査木は全25本で、一か所に3つのトラップを設置するため、合計75基のトラップを設置しました。
これから全ての堅果が落ちるまでの間、週1回堅果の回収を行います。
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