2020年7月
知床半島発!ウトロ・羅臼GSS通信
令和2年7月31日(金曜日)羅臼岳歩道(羅臼側)草刈りで見つけたもの
今日は羅臼岳歩道の草刈りです。
場所は羅臼町側から登る歩道の標高500~600メートル付近です。
晴れて天気が良く、気温は20度程の穏やかな日中でした。
草刈りへ向かう途中の歩道脇のトドマツに比較的新しいヒグマの爪跡を見つけました。
草刈り途中に見つけた鳥の巣。外側の巣材には枯れた笹も使われていました。
もしかすると私たちが整備で刈った笹かもしれません。
巣を上から見るとタマゴが4つ。現在使用中のようです。どんな鳥?なのでしょう。
歩道は場所によって若い笹が繁茂し、道が見えなくなっている所があります。
下の写真も昨年草刈りして、普通に通れた場所です。
草刈り前
草刈り後の様子です。
今年は木々や植物の成長が良く、例年に比べて葉っぱの茂り具合や笹などの成長がものすごく良いです。
そのおかげで?笹の多い場所の草刈りには例年の倍以上時間がかかっています。
令和2年7月30日(木曜日)羅臼の海岸線巡視
今日は羅臼町の相泊から観音岩までの巡視を行いました。
昆布で有名な羅臼町は7月17日より昆布漁が解禁となり、前浜の海では昆布漁の小舟が漁場を目指し、たくさん横切っていきました。
ここでの巡視の際は何軒かの昆布番屋の前を横切らせてもらうのですが、かわいい番犬のいる所があります。
目を合わせてしまうと巡視についてきてしまうので、目を合わせないようにしてそっと通過します。
涼しい風が吹き抜けるところには黄色い花弁が鮮やかなエゾノキリンソウがたくさん咲いていました。
途中でシーカヤックの方とお話しする機会がありました。
どうやら、モイレウシでカラフトマスをたくさん釣り上げたようです。
このような海面が穏やかな日はカヤック日和で楽しそうでした。
今日は天気がよすぎて熱中症になりそうです。
休憩を挟みながらゆっくり戻ります。
日向の暑いところから、日陰の涼しいところ入ると、いつの間にかヒグマが斜面を歩いていました。
このヒグマは私たちに気がつくと斜面の上の方へ逃げていきました。
こちらもヒグマの刺激にならないように静かに戻ります。
天気のよすぎる日にはヒグマはあまり見かけないと思っていましたが、涼しい日陰などに移動して過ごしているので注意が必要です。
令和2年7月27日(月曜日)国設知床野営場内・遊歩道整備
本日は斜里町ウトロ地区にある国設知床野営場区域内の遊歩道で枝払いの作業を行いました。
枝払いと言っても歩道を塞いでしまう程の大ぶりの枝でした。
作業前
今回の枝はかなりの高所から垂れ下がっている物なので、高枝ノコギリで地道に切っていきます。
今回、処理している木はヤチダモという樹木です。
落ちてしまった枝にはたくさんの果実(翼果)がついていました。
高所での作業に緊張しますが、みんなで交代しながら焦らずゆっくり切っていきます。
無事に枝払いが完了し、遊歩道を利用できるようになりました。
令和2年7月20日(月曜日)知床岬防鹿柵の補修
本日は知床岬の巡視です。
知床岬先端部にはエゾシカの食害による植生への影響を調査するため、100メートル×100メートルの金網製の防鹿柵が設置されており、柵の内側と外側で植生が異なっています。
柵の内側では食害から逃れた多くの稚樹が生長しています。
今回は事前に柵の一部が縦に裂けていると情報があったため、この裂け目から動物が侵入できないように補修を行いました。
破れてしまった箇所には新たに針金を継ぎ足して塞いでいきます。
この他にも動物によって地面を掘られた部分が4カ所ありました。
この画像の穴はちょうど長靴の高さ(約45センチメートル)に掘られてしまっています。
犯人はおそらくキツネかヒグマでしょうか?
掘られた箇所は、プラスチック製の網で覆い、結束バンドと杭で網を固定するという方法で補修します。
補修後
穴は塞がれ、動物の侵入ができないようになりました。
海の見えるエリアではハンゴンソウが咲き始めていました。
このハンゴンソウはエゾシカが食べないため、知床岬では広く繁茂し目立っています。
また、岩場では多肉植物のコモチレンゲがすくすくと育っていました。
開花はまだまだのようですが、多肉植物ならではのかわいらしさに癒やされました。
令和2年7月18日(土曜日)羅臼湖巡視と草刈り
久しぶりの夏らしいお天気の中、羅臼湖歩道の巡視と草刈りを行いました。
今年はどこの現場も笹の新芽が勢いよく飛び出しています。
場所によっては昨年の倍ぐらい伸びているのでは?という場所が多くあります。
歩道草刈りの後、羅臼湖までの歩道を巡視しました。
二の沼の様子。
奥の山は羅臼岳。今年の二の沼は水が少なくて、もうすぐ枯れてしまいそうです。
三の沼。
定番の羅臼岳の見える風景。
四の沼。
昨年と変わらぬ水面。
五の沼。
ここの場所は風の通り道になっているようで、いつ来ても水面が少し揺れています。
羅臼湖に到着です。
ここもいつもの年よりは水が少し少なめでしょうか。
羅臼湖の木道の際に生えていた、食虫植物のモウセンゴケ。
虫が捕まっています。
7月18日の羅臼湖遊歩道は、水たまりが一つもなく、普通の登山靴でも大丈夫なくらい路が乾いていました。
7月に入って知床連山や羅臼湖周辺の山は霧雨等、雲に覆われている日が多かったので、歩道の乾き具合には少し驚きました。
令和2年7月9日(木曜日)象の鼻・男の涙周辺巡視
知床自然センターから象の鼻周辺の巡視を行いました。
どんよりとした天候の中ですが、オホーツク海が広く見渡せる所では知床半島の先端部分(知床岬)まではっきり見ることができました。
先端部分をアップにすると、標高がほとんどなく平らな地形であることがよくわかります。
象の鼻から原生林に向かう際はワラビの草原を抜けていきます。
今年は新型コロナウイルスの影響で入林者はほとんどおらず、人の痕跡がほとんどありません。
原生林の中では多くのギンリョウソウが咲いていました。
そして、近くには新鮮な熊の糞が落ちていました。
どうやら草をたくさん食べた様です。
男の涙の近くでは、観光船の姿がありました。
真夏に向けて森の緑が濃くなっていく中、オホーツクブルーがとてもきれいでした。
令和2年7月4日(土曜日)羅臼岳羅臼町側歩道の草刈り
7月5日の山開きを迎える前に歩道上にかかる笹などの草刈りをおこないました。
特に羅臼側の歩道は笹が濃密に茂るエリアが数カ所あり、バリカンという機械でバリバリ刈っていきます。
草刈り前の様子です。
笹の新芽が例年以上に勢いよく生い茂り、どこに歩道があるのかわかりません。
作業前
草刈り後、歩道が露出し道らしくなりました。
作業後
歩道脇では赤い羽が鮮やかなアカハネムシを見つけました。
事務所への帰り道、道路を横切るヒグマの親子に遭遇しました。
知床ではこのようにヒグマと遭遇することがあります。
もし、車の走行中にヒグマをはじめ、野生動物を見かけた時には様子を伺いながら、動物の進路を邪魔しないようゆっくり通過するようにしましょう。
知床には『クマ渋滞』という言葉があります。
ヒグマがこのように道路に出てきたとき、ヒグマ見たさに車の動きが止まってしまうのです。
このような行為はヒグマにとっても混乱を招きます。
混乱したヒグマは自分の身を守るために車に向かって威嚇突進をすることがあり、このような行為を繰り返したヒグマは危険個体とされ、将来的には駆除対象になる可能性が非常に高いのです。
どうか、ヒグマ遭遇時は停車しないでゆっくり通過するようにお願いします。
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