2019年10月
知床半島発!ウトロ・羅臼GSS通信

令和元年10月31日(木曜日)秋晴れの羅臼町
本日は羅臼町の英嶺山の巡視を行いました。
英嶺山は標高521.3メートルで、往復3時間ほどでゆっくり楽しむことができます。
本日は、天気が良く知床連山を全部見渡すことができました。
英嶺山へは羅臼未来中学校の裏手より登りはじめます。
斜度のきつい登りの部分を登り切ってまず見えるのは羅臼の市街地と眩しいばかりの根室海峡です。
山頂を目指す途中には、四ッ倉沼があります。
沼の名前の由来は、かつて、この英嶺山の歩道開設者の名前からつけられたと言われています。
しばらく進むと次は熊見台に出ます。
ここからは羅臼町の湯ノ沢地区が眼下に見渡せ、遠くには知西別岳や曲がりくねった知床横断道路を見ることができました。
令和元年10月25日(金曜日)今年の紅葉
今日は硫黄山の巡視を行いました。
現在の知床の紅葉は標高の低いエリアが見ごろとなっています。
登りはじめてから最初の樹林帯を抜けた展望台(標高420メートル)からは山頂部分がよく見え、ナナカマドなどの赤く紅葉した斜面がとても綺麗でした。
一方、海側の斜面は黄色から茶色に変化していくグラデーションカラーが渋みに魅せられました。
眼下に見えるカムイワッカ川の中の紅葉もとても綺麗でした。
歩道の真ん中で比較的新しめのヒグマのフンを見つけたため、現在、知床半島で実施しているヒグマの頭数調査のサンプルを採取しました。
硫黄採掘跡地を過ぎ、新噴火口の岩場ではあちこちで小さな噴煙が立っていて、鼻をツンと突くような臭いがしていました。
この辺りでは噴気孔から出てくるガスの影響で生育している植物の種類がとても少ないのが特徴です。
今回の巡視では特に異常はありませんでした。
帰り道のカムイワッカ林道で、紅葉に彩られた中にそびえる硫黄山を見ることができました。
今年の知床の紅葉は風の影響を受けずに長い期間残っている上、日増しに色濃くなっています。
一日でも長く、たくさんの人に見てもらえたらと思います。
令和元年10月10日(木曜日)第5回ミズナラ結実調査、ヒグマも回収?
ミズナラ堅果の結実調査のため、今季第5回目のドングリ回収を行いました。
イダシュベツ地区に設置したシードトラップの鉄製の棒がゆがんでいました。
新品のシードトラップだったのですが、網も破られて穴が開いていました。
指先で示している箇所が押し曲げられて湾曲しています。
シードトラップの中にはドングリのカサはたくさんあったのですが、実がほとんどありませんでした。
ヒグマは写真のようにシードトラップに寄りかかり、中に入っていたドングリを探して食べたと思われます。
調査木はイダシュベツ地区に10本、岩尾別地区に15本で調査木1本当たり3箇所、計75個のシードトラップを設置しています。
第5回目で回収したドングリは、イダシュベツ748個、岩尾別1,835個で計2,583個、総個数は16,333個となり、今年は2014年以来の大豊作のようです。
令和元年10月3日(木曜日)ミズナラ結実調査
9月12日より始まったミズナラ結実調査は今日で4回目となり、イダシュベツ地区と岩尾別地区の調査地に設置したシードトラップに落ちたドングリ回収を行いました。
このシードトラップは1本の調査木につき、3つ設置します。
調査木はイダシュベツ地区に10本、岩尾別地区は15本あるので75個のシードトラップを調査木ごとに手分けして回収していきます。
ほんの一部ですが、今日の回収成果です。
とても重く運ぶのに苦労しました。
回収したドングリは事務所に持ち帰ってからが大変です。
余分な物を取り除き、調査木ごとに個数をカウントし、重さ、直径、長径を計測していきます。
今回の調査ではイダシュベツ地区755個、岩尾別地区4,541個、合計5,296個のドングリを回収し、総重量は13.1kgでした。
この数は、大豊作だった2014年第4回目の回収の6,909個に次ぐ豊作でした。
今年の知床のドングリは久々の豊作かもしれません。
ちなみに回収したドングリは計測終了後、調査地の森へ戻しています。
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