2017年9月
知床半島発!ウトロ・羅臼GSS通信

平成29年9月30日(土曜日) 羅臼岳ウトロ側歩道整備、硫黄山ヒグマ目撃情報掲示板撤収
台風通過後のため、歩道に倒れていた大きな枝の処理を行いました。
手の届かないところは高枝切りハサミで切っていきます。
現在、通行止めとなっているカムイワッカのゲートですが、硫黄山登山者に限り登山口までの600m区間を開放してきた特例期間が9月24日で終了となりましたので、硫黄山登山口に設置していたヒグマ目撃情報の掲示板などの撤去を行いました。
道路にはコクワの実やナナカマドを食べたと思われるヒグマのフンが落ちていました。
今年の知床は、山の実成りがあまり良くないように感じますが、そんな中でもヒグマは実のなっている場所をしっかりと見つけているようです。
この時期のエゾシカは冬毛への換毛(かんもう)が進み、迫力が増してきます。
また、オスにだけ生える角は年に一度生え替わります。
袋角(ふくろづの)と言われる角の成長期間が終わり、一皮むけた白い角がお目見えとなっていました。
平成29年9月28日(木曜日) 第3回ドングリ回収日
本日は、ミズナラ結実調査のための第3回目のドングリの回収を行いました。
先週の台風の影響がなければいいのですが・・・
シードトラップ(以下トラップ)の中にはドングリの付いていない殻斗(カクト:ドングリの帽子やハカマと呼ばれる部分)が目立ちます。
回収したドングリは事務所に持ち帰り、個数を数え、直径・長径・重量を計測します。
第3回目は332個のドングリを回収しました。
ちなみに台風直後の先週は814個でしたので、個数は大幅ダウンとなりましたが、一つ一つは立派に成熟したドングリでした。
知床森林生態系保全センター敷地内には、知床八景の一つである「夕陽台」があり、その名のとおり夕焼けを眺めるには最高の場所で、今日はいつも以上に多くの観光客が訪れ、きれいな夕日を楽しんでいました。
平成29年9月21日(木曜日)台風通過後のドングリ調査、防鹿柵の巡視
今日は第2回目のドングリの回収日です。
台風通過直後の回収なのでシードトラップ(以下トラップ)の中はドングリよりも大量の葉っぱで埋め尽くされていました。
今回の台風は雨よりも風が強く吹き荒れましたので、トラップの多くは支柱から外れ、下に落ちて、トラップの中の重りの石が風で吹き飛ばされていました。
このようなトラップは再びつけ直していきます。
なんということでしょう!
調査木の枝が折れて、トラップの上に落ちていました。
折れた枝が太すぎて、トラップの救出も大がかりとなってしまいました。
こちらも、調査木の枝が大量に折れてしまいましたが、トラップは無事でした。
いつも下から見上げているミズナラですが、落ちた枝を間近で見るととても大振りで立派なものだと改めて認識しました。
午後は岩尾別、幌別地区の防鹿柵の巡視を行いました。
ある程度の倒木は覚悟していましたが、想像以上の大きい木が倒れているのを目の当たりにして、自然の力の凄まじさを改めて感じました。
倒木の処理や、柵の破損状況が確認できたところは後日補修を行います。
平成29年9月16日(土曜日)羅臼湖の巡視
羅臼湖へ向かう際、現地には駐車場がありませんので、知床峠の駐車場に車を止め、羅臼湖入口まで徒歩で向かいます。
羅臼湖入口までは片道約2.5キロ。
途中で見える羅臼岳は、今日は雲の中でした。
今年は雨が少なく涸れそうだった二の沼ですが、最近の雨で少しだけ潤っていました。
高層湿原帯に位置する羅臼湖線歩道ではカエルの姿をよく見かけます。
今日は小さいアマガエルが歩道を横切っていました。
三の沼では沼に映り込む逆さ羅臼岳を待ち望んでいる入林者の方がいらっしゃいました。
天候は良いのですが、山の方は雲の流れが早く羅臼岳の全貌は見えそうで見えない状態が続いていました。
ナナカマドです。
標高750m辺りに位置する羅臼湖線歩道は秋の紅葉に向け、色づきはじめました。
今日の羅臼湖です。入林者は5組11名でした。
平成29年9月14日(木曜日)第一回ドングリ回収日
本日はミズナラ結実調査のために先週(9月7日)設置したシードトラップに落ちたドングリの一回目の回収を行いました。
手分けしてシードトラップの中に落ちたドングリを回収していきます。
回収したドングリは調査木ごとに個数を数え、計測のためにドングリの殻斗(かくと)と言われる部分を外していきます。(殻斗とはドングリの「帽子」や「はかま」と呼ばれる部分です。)
殻斗を外したドングリの重さ・直径・長径などを計測し、パソコンに打ち込んでいきます。
本日は556個のドングリを回収しました!
ちなみに昨年度の第一回目の回収は524個でした。
今後、どのように変化していくのか楽しみです。
平成29年9月11日(月曜日)羅臼平巡視
昨年より始まった登山者によるヒグマ目撃アンケートで、最近のヒグマ出没が羅臼平に集中しているという情報を受け、パトロールを実施しました。
今年のハイマツの実は、知床のどこのエリアでも大豊作です。
動物によるハイマツの実の食痕がありました。
1つや2つじゃありません。点々と周辺に落ちています。
ハイマツの実はヒグマをはじめリスや鳥なども好んで食べるようです。
大沢上部の歩道脇に植物の根や土がむき出しになった所がありました。
よく見ると小さな横穴が2つ掘られていました。
途中でお会いしたガイドさんは「ヒグマの冬眠準備かな」と不思議そうでした。
見れば見るほど不思議な穴ですが、人為的な掘削ではなさそうです。
穴が掘られていた現場の近くでヒグマを目撃しました。
この周辺で多くの登山者に目撃されているヒグマでしょうか。
近くではコケモモの実も大豊作でした。
この時期のヒグマは冬眠前の食糧確保のために、同じ場所に居座る可能性がありますので、入林の際は熊鈴を鳴らすなどのヒグマ対策を忘れないようにして下さい。もし登山時にヒグマに遭遇してしまったら、無理に進まず引き返す覚悟も必要です。また、下山時に遭遇してしまった場合は、ヒグマを刺激させないよう、ヒグマの動きをよく観察し、ヒグマとの距離が十分確保されるのを根気よく待ちましょう。決して恐怖に負けて走って逃げたりしないようにして下さい。
平成29年9月9日(土曜日)ポンホロ沼巡視
現在のポンホロ沼は、ヒメシダが一面を覆っています。
水深が最も深い場所も干上がってひび割れていました。
そろそろまとまった雨が降ってほしいものです。
干上がった部分をよく見ると・・・
あら!?かわいいヒグマの足跡がついていました。(写真中央)
干上がった沼にエゾアカガエルが遊びに来ていました。
立ち枯れた木に紅葉した葉と見間違うようなオレンジ色のマスタケがびっしりと生えていました。
巡視中ヒグマに遭遇しましたが慎重に対応し、事なきを得ました。
知床では、多くのヒグマが生息していますので、入林される際はヒグマ対策を忘れずにお越し下さい。
平成29年9月7日(木曜日)ミズナラ結実調査のためのシードトラップ設置
知床森林生態系保全センターでは、平成元年より毎年秋に知床の森でドングリの結実調査を行っており、この調査は今年で29年目を迎えました。
本日は、センターの職員に同行し、調査地の森の木から落ちてくるドングリをキャッチするためのシードトラップという網の設置作業を行いました。
林床に落ちていたドングリ。
シードトラップを背負子に積み込み調査地の森を目指します。
シードトラップは一本の調査木に対し、3つ設置していきます。
75個のトラップを無事に設置しました。
ドングリの回収は一週間後の予定です。
結実調査はドングリが落ちなくなるまでの約1ヶ月半の期間行います。
枝が垂れ下がり結実状況が判りやすい木がありました。
ぷっくりと実った青いドングリを数個確認できました。
今年はどのくらいのドングリで森が賑わうのでしょうか?回収日が楽しみです。
平成29年9月4日(月曜日)防鹿柵(ぼうろくさく)の巡視
エゾシカは冬眠しない草食動物のため、草の生い茂る時期は緑の草本類を食べて過ごしますが、冬になると樹皮(木の皮)を食べるため、エゾシカの食害から樹木を守るために防鹿柵を設置しています。
一箇所目は、カシワの純林です。
上段の金具が外れ、金網が剥がれそうなところがありましたので、修繕を行いました。
防鹿柵の柱にアオカナブンがいました。
緑色に輝く宝石のようです。
二箇所目は、イチイの保護林(北見イチイ22林木遺伝資源保存林)です。
金具が緩んでいる箇所をレンチで締めながら進みます。
防鹿柵が破損していると、エゾシカが進入してしまうため、定期的な巡視と修繕が必要になります。
平成29年9月2日(土曜日)羅臼湖の巡視
本日の羅臼湖の様子です。4組8名の方が入林されていました。
二の沼の様子です。
今年の夏は雨が少ないので、水量が少なく、干上がってしまいそうです。
三の沼の近くの歩道にヒグマの糞がありました。
どうやら草を食べたようです。
四の沼手前のハイマツ帯には、ササとハイマツをなぎ倒して作られたヒグマの寝床のような箇所がありました。
今年はハイマツの実が豊作なので、この周辺のハイマツの実を食べにやってきたのでしょうか?
夏の終わりに咲くウメバチソウがあちこちの湿地帯で咲いていました。
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