2017年6月
知床ウトロ発!ウトロGSS通信

平成29年6月30日(金曜日)羅臼岳合同整備
本日は7月2日の山開きを前に羅臼山岳会及び環境省の皆さんと迷い込み防止のロープ設置作業を行いました。
早朝5時前に斜里町側の岩尾別登山口を出発し、斜里町側の大沢の雪渓を登ります。
まだ、歩道のほとんどは雪の中で、歩道の入口や進行方向がわかりにくいため、雪渓にペイントを施しました。
本日は気温が高く、雪が柔らかかったため羅臼平まではアイゼンなしで登れましたが、悪天候時には雪渓の状況が変わることも考えられます。
雪渓が残っている間はアイゼンなどの装備はしばらく必要でしょう。
羅臼平からは二手に別れ、GSSは羅臼岳を横目に羅臼方面へ下っていきます。
お花畑のほとんどは雪に埋もれていましたが、雪が融けたところにはキバナシャクナゲがたくさん咲いていました。
お花畑からは雪渓をトラバースし、岩清水から下ってくるチームと合流すべく屏風岩上部を目指しながら迷い込み防止のロープを雪渓上に設置していきます。
このロープは道しるべであり、つかまって歩くためのものではありません。
特に登りの際に引っ張ってしまうと途中で切れてしまう場合があり、大変危険ですので、十分ご注意ください。
そして、ここからは勾配のきつい雪渓となります。
羅臼側のルートを利用の際はアイゼンとピッケルの装備は必須です。
GSSは10本爪のアイゼンとピッケルの装備で挑みました。
屏風岩まで降りてきました。
ここでは真っ直ぐに雪渓を下り続けてサシルイの沢に入ってしまわないように、迷い込み防止ロープを張りました。
写真で×印がついている方面はサシルイの沢につながる間違ったルートです。
現地にはロープやピンクテープで目印をつけて正しいルートへ誘導できるようにしました。
羅臼側の雪渓は昨年より若干少なく感じましたが、まだ沢山の雪で歩道は見えていません。
また、羅臼側から山頂を目指すルートはウトロ側のルートと比べると、距離も時間も要する上級者向けとなっています。
特に残雪時は万全の装備と体調で挑み楽しんで頂くようお願いいたします。
平成29年6月16日(金曜日)羅臼湖入口の看板及び三の沼展望台設置
本日は羅臼森林官と共に羅臼湖入り口の看板などの取り付けを行いました。
羅臼湖入口看板も取り付けました。
二の沼と三の沼の雪が解けている箇所に、植生保護のロープ用の鉄ピンを打ち込み、ロープを張っていきます。
植生保護のため、歩道外は立ち入り禁止となっていますので、ご理解、ご協力をお願いいたします。
組み立てた展望台を三の沼に設置しました。
本日はあいにくの天候で羅臼岳の展望は望めませんでしたが、今年もこの展望台からたくさんの方が沼に映り込む「逆さ羅臼岳」を写真に収めることでしょう。
平成29年6月15日(木曜日)硫黄山の巡視
本日は『カムイワッカ~硫黄山入り口までの特例使用』の期間が6月16日から始まるのに先立ち、歩道の整備も兼ねた巡視に行いました。
現在、カムイワッカ湯の滝までは車で行くことができますが、カムイワッカに設置してあるゲートの先は、申請を行った登山者に限り、硫黄山登山口まで徒歩で行くことができます。
期間は平成29年6月16日(金曜日)~平成29年9月24日(日曜日)までです。
なお、8月1日(火曜日)~8月25日(金曜日)の期間、カムワッカ林道はマイカー規制が行われ、シャトルバスのみの運行となりますのでご注意ください。
目指す山頂がよく見えますが、山の上を流れる雲が早いのが気になります。
歩道上に枯れた枝が飛び出していましたので、手鋸で処理を行いました。
歩道上に少し古いものでしたがヒグマのフンがありました。
知床はヒグマの密集地で、人が歩く歩道部分をヒグマが使っていることもよくありますので、万が一の遭遇の際に備え、音の鳴る鈴はもちろんのこと熊撃退スプレーの携帯をおすすめします。
比較的標高の低いところではイソツツジがたくさん咲いていました。
ハイマツの中の歩道から硫黄の沢に出たところに設置している迷い込み防止のロープが雪の中に埋もれていたので、雪の上にスプレーで進行方向をペイントしました。
硫黄の沢には、まだたくさんの雪が残っています。
急こう配の難所が二か所ありますので、十分ご注意ください。
この雪渓を登るのに10本爪アイゼンを使用して、1時間半かかりました。
尾根大岩と呼ばれる稜線部では、ものすごい風が吹いていて、山頂を目の前にして残念ではありますが、これ以上前に進むのは危険と判断し引き返すことにしました。
砂礫地に立つ迷い込み防止の杭が風雪によって色あせていたので再度ペイントを施し、目立つようにしました。
シレトコスミレは葉と共に固そうなツボミの姿ではありましたが、砂礫地の中でひっそりと開花の準備中のようでした。
平成29年6月10日(土曜日)羅臼湖巡視
本日は羅臼湖の巡視を行いました。
本日から路線バス羅臼線(羅臼~ウトロ)の運行が始まりました。
羅臼湖には駐車場がありませんので、知床峠の駐車場に車を止めて徒歩で向かうか、路線バスを利用し『羅臼湖入口』で下車して羅臼湖を目指しましょう。
二の沼です。「雪田群落」と呼ばれる斜面にはたくさんの雪が残っていました。
羅臼湖へ向かう歩道は高層湿原帯の中にあり、途中には木道も整備されていますが、ぬかるんでいる場所も多くあります。
ぬかるみを避けて歩道脇の植生を踏んで道が広がることのないよう、長靴を履いてできるだけ歩道の部分を歩くなどして、植生保護を意識した散策をお願いいたします。
羅臼湖へ向かう歩道は一部がまだ雪の中に埋もれているところがあります。
三の沼からアヤメが原へ向かう涸れ沢と呼ばれるところは大雪渓となっており、ルートが非常に分かりにくい難所となっています。
もし、迷った場合は引き返す事も視野に入れ行動しましょう。
なお、現地のネイチャーガイドと行くツアーもありますので、自信のない方はそちらに参加するのもありかもしれません。
大雪渓が残る今の時期のみに行ける通称「3.8沼」の様子です。
四の沼ではかわいいミズバショウが沼のほとりで咲き乱れていました。
歩道脇では、チシマザクラが見頃を迎え、歩道に花弁が落ちていて風情を感じました。
チングルマも咲き始めていました。
今年の知床は全体的に花期が早いような印象です。
羅臼湖に到着しました。
雲が低く流れ込み、対岸の知西別岳を見ることができませんでした。
平成29年6月5日(月曜日)羅臼岳(羅臼町側)入林箱設置
本日はさわやかな青空の下、羅臼岳(羅臼町側)の入林箱の設置を行いました。
羅臼森林事務所にて冬眠していた入林箱を歩道入り口まで運びます。
本日は羅臼森林事務所の森林官との共同作業です。
まずは仮支柱を抜き取ります。
この仮支柱は冬期間に土などで穴がふさがれないように入れておいたものです。
入林箱の支柱が無事に入ったら・・・
主役の箱を上から差し込むように乗せて・・・
金具で固定し、設置完了です!
箱の中には入林簿が入っています。
この入林簿は、利用状況の把握にも役立っているほか、緊急時における貴重な情報源となりますので、必ず記帳するようお願いします。
入林箱設置後は「熊越えの滝」の巡視を行いました。
歩道の頭上ではオオカメノキの花が可愛らしく咲いていました。
平成29年6月1日(木曜日)
本日より平成29年度の知床半島GSS活動をスタートいたしました。
今日の知床連山の残雪状況です。
この残雪は8月中旬まで残り、徐々に解けてなくなっていきます。
本日より、カムイワッカ湯の滝に通じる道道93号線が開通となりましたので、早速巡視を行いました。
カムイワッカ湯の滝は現在、一の滝上部まで散策が可能です。
昨年度まで使用していた植生保護のための立入禁止テープがひと冬の間にボロボロになっていたので、新たに設置し直しました。
カムイワッカ湯の滝を散策の際は周辺の植生を損なうことの無いよう、川の中を歩いていただくようお願いしています。
川の中は温泉成分で滑りやすいところがあります。
底が柔らかいマリンシューズやサンダル、くつ下で歩くことをお勧めします。
一の滝では看板が取れかかっていたので、結束バンドで設置し直しました。
今年もこの看板と共にたくさんの写真が撮られることでしょう。
湯の滝の脇では小さなエゾノタチツボスミレが開花していました。
今後このブログにて、知床森林生態系保護地域(全域が知床世界自然遺産)ならではの活動内容や残雪状況、お花の開花情報をお伝えしていきたいと思いますのでどうぞよろしくお願いします!
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