利尻島発!GSS活動日誌(2020)
令和2年7月27日(月曜日)
例年登山客のピークとなる7月23日から7月26日まで4日間の連休の報告です。
多い日は100名を超え、通算300名近い登山者を迎えました。
今年は、植物の生育が早く、草刈りの頻度が例年より多いです。
無風の樹林帯内での草刈りはかなり肉体を酷使しましたが、行き交う登山者からは「麓から頂上まで、こんなに登山道が整備され、歩きやすいとは思いませんでした!ありがとうございます!」等の多くの嬉しい声をいただくことで鋭気を養い、業務を遂行できました。
6月には白く可憐な花が美しいツバメオモトですが、花の後は秋までブルーの実がまさに「万年続く青」で楽しませてくれます。
ツバメオモト(燕万年青)
鴛泊登山道4合目の現況です。3週間で草本類がここまで伸びました。
樹林帯を越えた6合目あたりから山頂まで。山頂付近の岩場にある群生地は綺麗です。
キキョウは、よくリンドウと間違えられますが、リンドウの花はキキョウよりも筆のような形ではっきり開かず、曇りの日には閉じていることもあります。
キキョウの花は釣鐘形で、はっきり開きます。
イワギキョウ(岩桔梗)
令和2年7月10日(金曜日)
利尻富士町登山道合同整備に参加しました。
天候は優れませんでしたが、利尻富士町役場職員(遭難救助隊ほか)、環境省アクティブレンジャー、登山道整備会社の(株)トレイルワークスも加わった計15名で、和気あいあいと登山も補修も行いました。
3合目の北麓野営場から9.5合目まで1人当たり約6kg~20kgの角材や防腐剤等の資材を荷揚げしました。
普段よりかなり重い荷物での行動は気持ちが折れそうになりましたが、すれ違う登山者からいただく「感謝の言葉」に背中を押され登ることができました。
重い資材も人力で荷揚げします。
スコリアを土のうに詰めます。
スコリアとは、赤色の火山の噴出物で、穴がいっぱい空いている軽い石です。
山頂部はスコリアに覆われ、登山者が通るたびにボロボロと崩れていくため、山頂手前には「3メートルスリット」と呼ばれる掘割状の箇所ができてしまい、貴重な高山植物にも影響が出ています。
そのため、崩壊を食い止め、植生を保護し、歩きやすくするために、植生ネットで保護したり、土のう(写真黒色の袋)でズレるのを抑えたり、階段を設置したりしています。
通称「3メートルスリット」
今回は天候の影響により、土のう積みと防腐剤塗布、草刈り作業のみ行いました。
トレイルワークスから歩行の妨げになる植生を排除するときの注意点についてレクチャーを受け、草刈作業を開始しました。
草刈りレクチャー
最後に、登山道沿いに咲いていた高山植物を紹介します。
ボタンキンバイ(利尻島固有種)
リシリヒナゲシ(利尻島固有種)
リシリオウギ
シラゲキクバクワガタ
シコタンソウ
イワヒゲ
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