大雪山GSS山岳パトロール日誌(2022)

令和4年7月29日(金曜日) 高原温泉沼巡りコースの巡視
本日は、高原温泉沼巡りコースの巡視を行いました。
先日の大雨で崩壊したヤンベタップ川を渡る地点です。
橋は修復されましたが、今後も大雨の際は崩壊の可能性もありますので注意して下さい。
崩壊箇所
注意看板
道中には、ヒグマの足跡や食痕のある場所にマーキングがしてありました。
ヒグマの生息域であることを実感させられます。
ヒグマ足跡
ミズバショウを食べた跡
【注意喚起】
白雲岳野営指定地付近で、入山者の声や姿に全く反応せずに採餌しているヒグマの出没情報があり、入山者と遭遇する危険性があります。
また、高根ヶ原斜面では複数頭の目撃情報や黒岳雲の平周辺でも入山者の声や姿に反応しない個体の目撃情報があります。
ヒグマとのトラブルが起きないよう、入山にあたっては最新のヒグマ出没情報を把握願います。
令和4年7月28日(木曜日) 黒岳歩道整備
お鉢平展望台付近の歩道沿いのハイマツを刈りました。
7合目~展望台までの移動で約2~3時間ほどかかるので一苦労です。
ハイマツが伸びて入山者の肩や足、ザックなどに当たっていました。
作業前
歩行に支障がない範囲で刈りました。
作業後
道端に咲いている植物も変わってきました。
ダイセツトリカブト
ウラシマツツジは少しずつ赤色が入ってきました。
ウラジロナナカマドは実が付きました。
最近7合目~山頂までの間で植物の踏み付けが見られます。
すれ違う際に植物を踏んでしまっているのかと思われますので、踏まないよう注意願います。
植物の踏み跡
令和4年7月28日(木曜日) 緑岳歩道整備
緑岳は天気良好で作業日和の中、第一花畑の老朽化した木道の張り替え作業を実施しました。
張り替え作業前
作業中
作業終了
手前から4基の木道を補修しました。
花畑を鑑賞しながらゆっくり時間の経過を楽しむのも良いですが、ヤブカやブヨ、ウシアブが発生しているので防虫対策が必要です。
第一花畑、緑岳の眺めを楽しめます。
令和4年7月25日(月曜日) 緑岳巡視
高原温泉から緑岳山頂、さらに白雲岳避難小屋まで巡視を行いました。
緑岳山頂から見た避難小屋方面
緑岳山頂を過ぎて、板垣新道分岐から避難小屋へ向かいます。
板垣新道には、残雪があります。
ロープを設置していますので、濃霧の際は目印にして下さい。
板垣新道の残雪
緑岳山頂から避難小屋までに見られた高山植物を紹介します。
イワウメやホソバウルップソウ、キバナシオガマなどの花は終わり、チシマツガザクラ、エゾツツジ、クモマユキノシタ、イワブクロ、ミヤマアズマギクなどが見られました。
チシマツガザクラ
(写真をクリックすると拡大します)
エゾツツジ
クモマユキノシタ
チシマギキョウ
(写真をクリックすると拡大します)
令和4年7月25日(月曜日) 黒岳巡視
黒岳8~9合目の歩道付近では、チシマアザミ、ナガバキタアザミなどが咲き始めていました。
ナガバキタアザミの蜜を吸うエゾシロチョウ
(写真をクリックすると拡大します)
花粉を集めているトラマルハナバチ
ポン黒では、黒岳の人気者エゾシマリスが地面を掘っていました。
エゾシマリス
(写真をクリックすると拡大します)
高さ5~20cmほどでアザミの仲間であるウスユキトウヒレンも咲いていました。
ウスユキトウヒレン
令和4年7月21日(木曜日) 黒岳から北鎮岳方面へ巡視
黒岳ペアリフト周辺のチングルマは綿毛になってしまいましたが、雲ノ平ではまだ花を楽しむことができます。
(画像をクリックすると拡大します)
お鉢平展望台からの景色です。
(画像をクリックすると拡大します)
北鎮岳の雪渓はまだあります。
滑りやすいので気をつけて下さい。
北鎮岳周辺には、クモマユキノシタが咲いていました。
帰路の雲ノ平は野生動物との遭遇ラッシュでした。
キタキツネ
ギンザンマシコ(♂)(画像をクリックすると拡大します)
最後には、親子のヒグマと遭いました。
みなさんも、万が一遭ってしまったら落ち着いて行動しましょう。
第一花畑から少し下がった所にある木道を補修しました。
かなり、腐朽して足場も不安定になっていました。
補修前
新しい木材を使用して木道を作り直しました。
第二花畑の木道も補修しました。
補修前の木道、足のところが折れて凹んでいます。
木材を地面と木道の間に挟み込み補修しました。
7月20日から沼巡りコースが再開されました。
三笠新道は引き続き通行止めです。
令和4年7月20日(水曜日) 黒岳巡視
七合目から山頂まで草刈りを実施しました。
昨年よりも入山者が増えているように感じています。
無理をせず、自身の体力に合わせて山を楽しんで下さい。
看板周辺の草刈りも行いました。
休憩の際に目を向けてみて下さい。
黒岳の七合目から山頂まで約1.7キロメートルあります。
200メートル毎に写真のようなコース計板も設置されていますのでペース配分の参考にして下さい。
令和4年7月19日(火曜日) 黒岳巡視
七合目から黒岳山頂までは、多くの花々が開花しています。
花期の長いハクサンチドリ(九合目)
ひまわりのようなエゾウサギギク(九合目)
黒岳山頂から、ポン黒の間の風衝地にはエゾツツジの濃いピンクの合間に黄色のタカネオミナエシが咲いていました。
他にイワギキョウ、チシマツガザクラも咲き始めました。
イワギキョウ(黒岳山頂下)
黒岳石室から北海沢の雪田地では、春の花が群落を作っていました。
北海沢では、エゾノリュウキンカが咲いています。
エゾノリュウキンカ(北海沢)
令和4年7月15日(金曜日) 緑岳巡視
雲一つ無い快晴の空の下、エイコの沢まで巡視を実施しました。
第二花畑(画像をクリックすると拡大します)
ハナヒリノキ(見晴台付近)
ミヤマイ、晩夏にはヒグマのエサになります。(第一花畑)
高根ヶ原東斜面
沼巡りコースは閉鎖中です。
見晴台からはヒグマが斜面でのんびり食事している場面を観察できました。
令和4年7月14日(木曜日)黒岳から北海沢まで巡視
黒岳石室から赤石川へ向かう道中でチングルマが一面に広がっていました。
エゾオオマルハナバチがエゾノツガザクラから花粉を集めていました。
赤石川付近はバイケイソウが多く群生していました。
北海沢の雪は解け始めていますが、残雪上の踏み抜きに注意願います。
令和4年7月11日(月曜日)緑岳巡視、黒岳巡視
緑岳 第一花畑のエゾコザクラの群落が見事でした。
弁当を広げていると、ホシカラスがすぐ近くの木に止まりました。
第一花畑からエイコの沢までは、ほぼ夏道の上を歩くことになります。
残雪の下は空洞なので踏み抜きに注意して下さい。
多くの入山者が訪れた週末明けの黒岳巡視中に、残念ながら七合目付近と山頂にトイレ跡がありました。
大雪山国立公園は携帯トイレの普及を宣言しています。
原生的な自然景観を末永く保全し、今後も大雪山国立公園の魅力を享受し続けるために入山にあたっては携帯トイレの持参をお願いします。
九合目~山頂までは、多くの花が見頃を迎えています。
ウコンウツギ
トカチフウロ
エゾヒメクワガタ
山頂のイワブクロはもう少しです。
赤石川は、登山靴での渡渉が可能な水量になりました。
飛び石がありますので転倒に気をつけて下さい。
令和4年7月8日(金曜日)黒岳巡視
黒岳七合目から山頂までの歩道上の残雪も残りわずかとなってきました。
これからが高山植物の見頃の時期となります。
巡視中に入山者から黄色い花についてよく聞かれます。
そこで、2種類の花を紹介します。
1つは「チシマノキンバイソウ」です。
「キンバイ」と名が付いていますが、「ミヤマキンバイ」(バラ科)とは違う科で、キンポウゲ科の花(キンバイソウ属)です。
「チシマノキンバイソウ」より小ぶりな花が「ミヤマキンポウゲ」です。
その名の通りキンポウゲ科の花(キンポウゲ属)で、双方とも同じキンポウゲ科であることから見分けるのが難しいため、入山者からよく聞かれます。
令和4年7月6日(水曜日)黒岳・北海沢までの巡視を行いました
赤石川を渡渉した先の歩道は、雪は融けていますが、急斜面の箇所があるので気をつけて下さい。
北海沢の融雪が進んでおり、沢が見え始めています。
踏み抜きが多くなっているので気をつけて下さい。
その先を巡視すると、見頃のエゾノツガザクラが満開でした。
令和4年7月4,5,6日(月~水曜日)緑岳の巡視を行いました
4日は先日の大雨による町道高原温泉線の通行止め解除後、初めての巡視となりました。
雪解けに伴い巡視の際はロープ張りとマーキングの修正を実施しています。
エゾイソツツジが見頃を迎えています。
チングルマ、エゾツガザクラの群落(第一花畑)
早くもミヤマリンドウが咲いています。(第一花畑)
7月6日時点で第一花畑の残雪もわずかとなりました。
緑岳歩道は、開花した花の種類が徐々に多くなってきました。
例年より雪解けの早い第一花畑では花の群落が広がってきています。
大雨の影響で沼めぐりコースが通行止めになりました。
山行計画を立てる場合は、ご注意下さい。
令和4年7月4日(月曜日)黒岳の巡視を行いました
黒岳頂上から石室方向へ少し歩いた先(通称「ポン黒」)は、花々が徐々に咲き始めました。
チングルマ
エゾイソツツジ
ミネズオウ
メアカンキンバイ
イワヒゲ
コマクサ
赤石川へ向かう歩道は、歩道が見えるくらいに融雪が進んでいます。
赤石川の水量は徐々に減少していますが、場所によっては深いところがあるので、長靴があると安全に渡れます。
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