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(公益的機能発揮に向けた森林の整備・保全の概要) 森林の有する公益的機能を持続的に発揮させ、道民の安全で安心な暮らしや本道の豊かな環境を守るため、水源地域など重要な森林の整備や貴重な自然環境を有する森林の保全、エゾシカ被害の防止対策などに一体となって取り組んでいます。 |
北海道の国有林は、北海道の面積の40%を占めており、北海道の発展にとって重要な位置付けにあることから、道と北海道森林管理局とが連携し、民有林と国有林の枠組みを超えて森林づくりを進めていくことが重要です。その一環で、市町村や企業と森林管理署(支署)との森林整備協定の締結を進め、地域が一体となった森林づくりを進めていくこととしています。
【森林整備協定の締結状況】
森林の有する多面的機能を持続的に発揮させるためには、持続可能な森林経営を行うことが必要であり、環境保全や資源の持続性などに配慮して管理経営が行われている森林の認証及びそこから生産された木材・木製品への認証マークの付与を独立した第三者機関が行う「森林認証制度」への関心が高まっています。 道内では、平成15年に下川町森林組合が「FSC森林認証」を取得したのを皮切りに、徐々に広がりを見せています。これまで、網走西部流域では、平成19年度から国有林と道有林などの民有林が連携して「SGEC森林認証」を取得し、日本最大となる32万haの森林認証エリアを形成してきましたが、平成24年には、網走東部流域の道有林が、平成25年には国有林が認証エリアとなったことでオホーツク全体の取組へと拡大し、一般民有林と合わせて62万haの森林認証エリアが形成されています。 また、むかわ町では、平成24年に道有林が森林認証を取得したのに続いて、平成25年度には国有林も取得し、これからの広がりが期待されています。これらの地域では、認証材(認証森林から生産された木材)を使用した住宅建設に助成する市町村や公共施設での認証材の活用事例等もみられており、認証材の利用促進に取り組んでいます。 |
北海道の森林認証 |
道と北海道森林管理局では、連携してエゾシカ被害対策に取組みました。
<エゾシカによる森林被害に対する取組> エゾシカは国有林・民有林の森林を区別なく移動しています。森林被害対策を効果的に進めるためには、国有林・民有林が連携して取組むことが重要であることから、試験研究機関を含めた各機関のエゾシカ対策担当からなる「エゾシカ森林被害対策連絡会」を設置しました。連絡会では、被害対策等に関する情報の共有化を図ると共に、連携が可能な取組について検討を行っています。 成果の一つとして、国有林・民有林におけるエゾシカ森林被害の状況を一元化した「エゾシカ森林被害マップ」を作成しました。 これまで、国有林と民有林で行ってきた調査結果をマップ化することで、北海道全体の被害状況を視覚的に把握することが可能になりました。今後、被害マップを活用し、地域の実情に即した効率的・効果的なエゾシカ対策に役立てていきます。 なおマップは、北海道森林管理局の「エゾシカ対策」及び北海道庁の「エゾシカ森林被害対策」のホームページでも公表しています。 |
エゾシカ森林被害マップ |
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<林道の除雪による捕獲環境の整備への支援> これまで実施してきた林道の除雪を、同一地域で同時期に、国有林と道有林が連携して実施することにより、エゾシカ捕獲と捕獲個体の運搬を容易にする環境を整備しました。 一般可猟区域及び市町村等の行う有害駆除の対象区域や一斉捕獲対象区域において、161路線(国有林105路線、道有林56路線)、約829km(国有林609km、道有林約220km)の林道除雪を実施しました。
<エゾシカ狩猟のための全道一括入林承認> エゾシカ狩猟を目的とする狩猟者の利便性を向上させるとともに入林事務を簡素化するため、これまで、道有林を管理している森林室ごとに行っていた狩猟入林承認について、国有林が取り組んでいる一括入林承認(全道の国有林野への入林を一括承認)と連携し、全道6箇所(札幌市、旭川市、北見市、帯広市、釧路市及び八雲町)の狩猟関係合同説明会で一括入林承認を実施しました。 |
北海道森林管理局において、平成16年台風18号の被害への対処策を検討するため、道と連携し、平成16年11月に学識経験者による検討委員会を設置し、ほぼ同じ経路をたどり甚大な被害をもたらした昭和29年の洞爺丸台風での経験(被害処理の早期実施、病虫害対策等)を踏まえつつ、復旧対策の方針を取りまとめました。平成25年度までに同方針に基づき、約6,371haの植林をしています。 また、当地域においては、企業やNPO団体を含め延べ1万人以上の方々の参加により森林づくり活動を実施しています。 |
企業による社会貢献の植樹祭の様子 |
近年、低気圧や台風に伴う集中豪雨等により、流域全体にわたって多数の山地災害等が発生していることから、民有林と国有林の治山事業計画箇所が近接している流域において、民有林と国有林を一体とした計画的な整備を実施する「特定流域総合治山対策」を実施しています。 【特定流域総合治山対策の実施概要】
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道と北海道森林管理局では、次代に継承すべき原始性・希少性・学術性・景観美等を有する森林、野生動植物の生息・生育地となっている森林について、保護林等に設定しています。 【多様な生態系を有する森林の保全の取組状況】
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