令和7年度 地域管理経営計画等の策定に関する地元意見交換会の概要について
令和8年度の地域管理経営計画等の策定にあたり、地域の皆様からの御意見・御要望を伺う機会となる地元意見交換会を開催しましたので、その概要を公表します。
1.留萌森林計画区(主催:留萌南部森林管理署)
(1)開催日時:令和7年10月22日(水曜日) 13:30~15:30
(2)開催場所:留萌市 留萌市中央公民館(小ホール)
(3)出席者:国1名、北海道4名、関係市町村7名、森林組合1名、一般参加者(業界関係者含む)1名、
森林管理局・署関係者32名 合計46名
(4)意見の概要
- 伐採の計画量に対して実行量が少なくなっているが、次期計画の伐採量は実績に基づき計画するのかと質問があり、計画量については、資源の成長量等を踏まえて決めるものであり、資源量は増加しているため伐採量は増加傾向にある、そして、その乖離を「新しい林業」を進めること等で少なくしていくことを目指す旨を回答した。
- 留萌北部署の天然更新について計画と実績ともになしとなっている理由、また留萌南部署の天然更新について計画量に対し実績が増えている理由について質問があり、留萌北部署では地形や植生等の条件が厳しいため計画と実績ともに天然更新はなしとなっている、また、留萌南部署の実績の増は、小班の一部に植付けを行った場合でも実績上は小班区域面積で集計するため実績が増えた旨を回答した。
また天然更新の考え方について質問があり、天然更新の完了基準に基づき、伐採後5年以内に1回現地を確認し基準量の更新が発生していれば更新完了と判断している旨を回答した。 - 資料に伐採材積の記載はあるが伐採面積はどうなのかと質問があり、森林計画の取り扱いでは基本的に材積を基本として数量を計上することとなっている旨を回答した。
- 国土交通省では水害対策として流域治水に取り組んでいるため計画に反映していただきたいと要望があり、今までも協力させていただいている、引き続き協力し計画にも反映を検討していく旨を回答した。また、大雨等による河川への流木対策について要望があり、流木の対策は課題なので国土交通省とも対応を連携していき、具体的な事案があれば署に相談していただきたい旨を回答した。
- エゾシカの個体数管理について積極的な取組の要望があり、環境省や自治体の所管であり回答が難しいものの、国有林としては地元と協力してエゾシカ駆除のため、囲いわなの設置や林道の除雪を実施している旨を回答した。また、要望があれば該当署に相談していただきたい旨を回答した。
- 事業で使用する大型機械について、近年値段が高額になり購入が難しくなっているため国有林で購入し貸し出すことはできないかとの質問があり、大型機械の導入については、発注の仕様書において機械経費を見込むことを通じ導入を促している旨を回答した。
- 国有林の計画における林道等の維持及び管理の考え方について質問があり、署長が必要と判断する開設や改良を着実に計上し計画している、また毎年度予算の中で建設機械賃貸借(チャーター)により必要な箇所の維持修繕を実施しているが、予算の関係で実行量は低くなりがちであることから、民有林も含んで全体を見て修繕計画を考えることが必要である旨を回答した。
- 民有林の整備をしたくても現地への道路がないため、国有林の林道等を通行し民有林の整備を行うことは可能かとの質問があり、現地の状況等もあるが個別に対応できることもあると思われるので該当署に相談していただきたい旨を回答した。

2.釧路根室森林計画区(主催:根釧西部森林管理署)
(1)開催日時:令和7年10月14日(火曜日) 13:30~15:30
(2)開催場所:釧路市 釧路センチュリーキャッスルホテル(平安の間)
(3)出席者:国2名、北海道9名、関係市町村11名、地元アイヌ協会2名、森林組合2名、
一般参加者(業界関係者含む)5名、森林管理局・署関係者31名 合計62名
(4)意見の概要
- 次期計画の伐採量及び造林量が増える見通しとなっていることを踏まえ、事業体の体制、苗木の確保等に係る考え方について質問があった。
資源量の充実に伴い計画量は増大していく一方で、苗木の確保に課題があることや労働力不足が顕著であることも事実であり、計画と実績の乖離をどう埋めていくかが喫緊の課題となっているため、造林の労働力不足に対して低密度植栽や機械化などの省力化を図り、少しでも効率良く造林作業を行っていくとともに、主伐再造林は適切なゾーニングにより緩傾斜地等の条件有利地から進めていく旨を回答した。 - 素材生産は機械化が進んでいるが、造林については特に植付が人力のみであり、近い将来、労働力不足が懸念されるため、植付の機械化について林野庁としても本腰を入れて取り組んでほしいと要望があり、いただいた意見については、今後も検討していく旨を回答した。
- 近年増加している大雨による土砂災害を防止するための予防治山や、木材生産の基盤となる林道の維持管理を着実に実施していただきたいとの要望があり、治山及び林道については計画に必要箇所を積み上げ、対応していく旨を回答した。
- 機械下刈りや、ドローンの活用等をはじめとしたスマート林業の推進について、引き続き情報提供の要望があり、今後も様々な場面で情報発信に取り組む旨を回答した。
- 低密度植栽を進めるに当たっての植栽本数の目標値はどれくらいかという質問とともに、低密度植栽は列間や苗間が広くなることからネズミ等の被害が目立ちやすく普及が進まないとの意見があった。植栽本数については、保安林の植栽指定がない箇所については1,600本/ha程度とする旨を回答し、今後は国有林のフィールドを活かしてデータを蓄積し民有林にも普及を図るとともに、低密度植栽の箇所では機械下刈りに取り組んで行く旨を回答した。
- 知床の治山工事に当たっては土砂の流出等による漁業被害を発生させないよう配慮してほしい と要望があり、時期など選びながら適切な施工に取り組んで行く旨を回答した。
- 機械下刈りの作業仕様の内容について質問があり、後日情報提供する旨を回答した。(10月16日に情報提供済)
- 他省庁の所管する国有地を林野庁の所管として編入することはあるかと質問があり、そうした国有地については各省庁で管理しているため、一定の条件がある場合は省庁間で協議の上、編入する場合がある旨を回答した。
- 伐採量の計画と実績の乖離が発生している理由と、新計画における林業専用道の整備は維持修繕と開設どちらを指すのかについて質問があった。計画と実績の乖離については、立木販売の不落や、主伐を間伐に振り替えた結果として伐採量が減少した旨を回答した。また林業専用道の整備については、開設、維持修繕どちらも指している旨を回答した。
- 上流の国有林から供給される栄養分が、地域の特産である海産物にとって重要であるため、引き続き国有林の適切な整備を実施してほしいと要望があり、今後とも適切な森林整備に取り組んで行く旨を回答した。
- エゾシカ対策の積極的な取組について要請があるとともに、新たな対策について質問があり、現状では新たな対策を予定してはいないが、現在実施している対策について今後も各市町村等と連携して取り組んでいく旨を回答した。

お問合せ先
計画保全部 計画課
担当者:森林施業調整官
ダイヤルイン:050-3160-6283




