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林野庁

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平成23年12月22日

調理加熱用の薪及び木炭の当面の指標値設定に関するQ&Aについて

林野庁は、調理加熱用の薪及び木炭の当面の指標値に関するQ&Aを作成しました。

概要

林野庁では、お問い合わせの多い事項について、Q&Aを作成しました。

  • 本Q&Aは、今後の状況の変化やお問い合わせの内容を反映するよう、随時更新します。

調理加熱用の薪及び木炭の当面の指標値に関するQ&A

Q1:なぜ、調理加熱用の薪及び木炭に当面の指標値をつくったのですか。

A1  東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴い、放射性物質が大気中に放出され、樹木に放射性セシウムが付着しました。これらの樹木を原料とする薪及び木炭は放射性セシウムを含有するので、調理加熱に使用すれば食品に放射性セシウムが移動する可能性があるのではないかと考え、食品の調理を念頭に実証実験を行いました。

この結果、薪及び木炭の放射性セシウムの2%以下が食品に移ったのに対して、残りの多くが燃焼灰に留まりました。

そこで、飲食店及び一般家庭において薪及び木炭により調理加熱が行われた場合に生じる灰に着目し、実証実験により得られたデータや専門家の助言を踏まえて当面の指標値を設定しました。

 

Q2:なぜ、調理加熱用の薪として利用できる放射性セシウム濃度を40ベクレル/kg以下、木炭として利用できる放射性セシウム濃度を280ベクレル/kg以下としたのですか。

A2  実証実験により、薪1kgを燃焼させると灰5g、木炭1kgを燃焼させると灰30gが残り、薪及び木炭に含まれていた放射性セシウムの約9割がその灰に残るとのデータが得られました。

 これは、灰1kg当たりの放射性セシウムの濃度が薪1kgと比べて182倍、木炭1kgと比べて28倍となることを意味します。

このため、薪及び木炭の燃焼により生じる灰が、セメント等で固化する等の対策を講じなくても一般廃棄物最終処分場での埋立処分が可能な放射性物質の濃度である8,000Bq/kg以下となるよう、薪の指標値を40Bq/kg(8,000÷182=44≒40)、 木炭の指標値を280Bq/kg(8,000÷28=286≒280)としました。

 

Q3:今回の指標値が適用される範囲はどこまでですか。

A3  今回の指標値については、飲食店及び一般家庭において薪及び木炭を調理加熱に用いることを考えて、実証実験により得られたデータや専門家の助言を踏まえて設定したものです。

飲食店及び一般家庭で薪及び木炭を燃やすのは、大規模な焼却・燃焼施設の場合に比べ、規模が小さいだけでなく、燃焼温度も低いので、今回の指標値は、大規模な工業用のボイラーで薪及び木炭を燃やす場合は対象としていません。

また、木質ペレットなどの他の木質系燃料も対象としていません。

一方、薪ストーブなどの小規模な家庭用暖房器具において薪及び木炭を使用した場合の燃焼灰の放射性セシウム濃度は、調理加熱用に使用した薪及び木炭の灰の場合と同程度に高いと考えられるため、今回の指標値を適用します。

現在、野菜類等の生鮮食品は、「検査計画、出荷制限等の品目・区域の設定・解除の考え方」(平成23年8月4日原子力災害対策本部)に基づき、17都県(注)を中心に、食品の暫定規制値を基準とした食品モニタリングを実施し、安全が確認されているところです。

そこで、薪及び木炭もこの考え方を準用し、まずは17都県から採取された原料から生産されたもの及び17都県で保管されたものについて検査を実施します。

 (注)17都県:青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県及び静岡県

検査結果によっては、検査対象エリアを見直す可能性があります。

 

Q4:事故以前に原料を収集し、放射性物質の影響を受けない倉庫等で保管していた薪や木炭も放射性セシウムの測定が必要ですか。

A4  事故以前に生産され、倉庫等で適切に保管していたものについては、原発事故による放射性物質の影響を受けていないと考えられますので、測定の必要はありません。

 また、事故以前に伐採した原料を用いて、事故以後に放射性物質の影響を受けない環境で生産、保管された薪及び木炭であれば、同様に測定の必要はありません。

 

Q5:指標値が定められる前に販売店から購入した薪及び木炭の取扱いをどうすればいいですか。

A5  指標値が定められる前に購入した薪及び木炭については、購入された販売店や生産者に問い合わせて、検査が必要なものであるか、検査が必要であれば指標値を下回るものであるかどうか確認してください(Q4/A4参照)。

なお、販売店等から指標値を下回ることを確認できる情報が得られない場合は、都道府県にご相談ください。

 

Q6:指標値を超えた薪及び木炭はどうすればいいですか。

A6  指標値を超える放射性セシウムを含む薪については、薪から樹皮を取り除くなどの処理により放射性セシウム濃度が指標値を下回れば燃料用として、または、安全が確保される範囲内で他の用途に、転用してください。

なお、薪から取り除いた樹皮や他の用途に転用できないために不要となったものは、廃棄物として適切に処分されるようお願いします。

指標値を超えた木炭については、燃料用に使用しないでください。

 安全が確保される範囲内で調湿用等に転用していただくか、用途が見いだせないものについては、廃棄物として適切に処分されるようお願いします。

 

Q7:指標値を超えた薪及び木炭と指標値を超えていない薪及び木炭とを結束や梱包して組み合わせて流通させてもいいですか。

A7  結束や梱包して組み合わせた薪及び木炭の放射性セシウムの濃度が指標値以下となる場合は、自都道府県内に限り流通させてもかまいません。

この場合、指標値を超えているロットと超えていないロットのそれぞれの放射性セシウムの濃度や重量を管理し、例に示すように、組み合わせた薪及び木炭の放射性セシウムの濃度が必ず指標値以下となるようにしてください。

 また、組み合わせた薪及び木炭から分析用試料2検体を調整し、放射性セシウムの測定を行い、指標値を超えていないことを確認してください。

 

〔例〕

A:指標値を超えているロット

放射性セシウム濃度・・・60Bq/kg

B:指標値を超えていないロット

放射性セシウム濃度・・・ND(定量下限値4Bq/kg)

 

A10kgとB10kgを組み合わせると、全体の放射性セシウムの濃度は

(60(Bq/kg)×10(kg)+4(Bq/kg)×10(kg))÷10(kg)+10(kg)

=(600(Bq/kg)+40(Bq/kg))÷20(kg)

=32Bq/kg

となるので、流通させてもかまいません。

 

Q8:指標値以下の薪及び木炭を燃焼した際に生じる灰の処理はどうすればいいですか。

A8 放射性セシウム濃度が分からない燃焼灰については、庭に撒くなど土壌改良資材等として利用しないでください。

廃棄物として適切に処分されるようお願いします。

なお、灰を土壌改良資材等として使用する場合は、農林水産省で設定している「放射性セシウムを含む肥料・土壌改良資材・培土及び飼料の暫定許容値(400Bq/kg)」を下回っているか確認してください。

 

Q9:今後、指標値の見直しは行わないのですか。

A9  林野庁では、引き続き、薪及び木炭の燃焼に関する知見・データの収集と分析を進め、必要に応じ、今回設定した指標値の見直しを行います。 

 

お問合せ先

林野庁林政部経営課特用林産対策室

代表:03-3502-8111(内線6086)
ダイヤルイン:03-3502-8059