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木質ペレットの当面の指標値の設定、検査方法等についてのQ&A

林野庁では、木質ペレットの当面の指標値の設定、検査方法等についてのQ&Aを作成しました。

本Q&Aは、今後の状況の変化やお問い合わせの内容を反映するよう、随時更新します。

木質ペレットの当面の指標値の設定、検査方法についてのQ&A

 

指標値に関するQ&A

Q1:なぜ、木質ペレットの当面の指標値をつくったのですか。

 A  東京電力福島第一原子力発電所事故に伴い、放射性物質が大気中に放出され、樹木に放射性セシウムが付着しました。これらの樹木を原料とする木質ペレットは放射性セシウムを含有するので、全国の木質ペレット及びストーブの燃焼灰の放射性セシウム濃度についての調査を行いました(平成24年3月に中間報告)。
中間報告後も引き続き、検体数を増やして調査を継続し、今回とりまとめた調査結果に基づき、ペレットストーブでの木質ペレットの燃焼の際に発生する燃焼灰が、一般廃棄物として通常の処理が可能な濃度の上限値である  8,000 Bq/kgを超えないようにするため、木質ペレットの当面の指標値を定め、これを超える木質ペレットの使用自粛を要請することとしたものです。

 

 

Q2:もっと早く指標値を設定すべきだったのではないですか。

A  本調査の中間報告時(H24年3月)では、(ア) 8,000 Bq/kgを超えるストーブ燃焼灰は確認されなかったこと、(イ)検体数をさらに増やす必要があり、本年秋までに結果を公表することとしていました。今回、その結果に基づいて、当面の指標値を設定しました。

 

 

Q3:なぜ、木質ペレットの当面の指標値として、ホワイトペレット・全木ペレットが40 Bq/kg以下、バークペレットが300 Bq/kg以下としたのですか。

A  ホワイトペレットと全木ペレットについては、まず、燃焼前のペレットと燃焼後の灰の放射性物質濃度の比率(放射性物質の濃縮の割合)を算出しました。
この比率の分布から、約9割の確率で燃焼後の灰の放射性物質濃度が、一般廃棄物として通常の処理が可能な上限値 8,000 Bq/kgを超えないようにするためのペレットの放射性物質濃度の上限値を求めるため、濃縮率を推計したところ、210という結果を得ました。
これを基に、次により当面の指標値を以下のとおり算出しました。
 
    8,000 Bq/kg÷210 倍=38.1 Bq/kg≒40 Bq/kg
  
<参考1>
木質ペレットの灰分量は、最も少ないホワイトペレットで0.5%程度であるので、放射性物質がすべて燃焼灰に移行したと仮定すれば濃縮率は200倍。この値を用いて理論値として指標値を算出すると、
当面の指標値=8,000Bq/kg÷200=40Bq/kg
<参考2>
同じ木質燃料である薪の当面の指標値は、40Bq/kgで設定されている。

バークペレットについては、検体数が少ないため、濃縮率の最大値(25倍)を用いて、以下により当面の指標値を求めました。
 
    8,000 Bq/kg÷25倍=320 Bq/kg≒300 Bq/kg

 

 

Q4:バークペレットの指標値(300 Bq/kg)が適用されるペレットの原料はすべて樹皮ですか。

A  今回の調査では、バーカーではがされた樹皮(樹皮に付着している木部も若干含む場合もあります)のみを原料としたバークペレットを検体に用いて、バークペレットの当面の指標値を算出していますので、その適用ペレットも同様のものとなります。

 

Q5:今回の指標値が適用される範囲はどこまでですか。

A  指標値が適用される木質ペレットは、ペレットストーブの燃料として利用されるものです。
業務用のボイラー等での燃焼は、ペレットストーブの燃焼条件とは異なるため、今回の指標値は適用しません。
また、検査対象については、現在、野菜類等の生鮮食品や薪・炭と同様、「検査計画、出荷制限等の品目・区域の設定・解除の考え方」(平成24年7月12日原子力災害対策本部)に基づき、17都県(注)から採取された原料から生産されたもの及び17都県で保管されたものとしています。

    (注)17都県:青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県及び静岡県

 

 

Q6:業務用ボイラーの燃料とする木質ペレットは対象外とのことですが、それらの燃焼灰の処理はどのようになるのですか。

A  業務用のボイラーから出る燃焼灰は、通常、産業廃棄物扱いとなり、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づき、事業者自らが責任をもって処理することとなっております。

 

 

Q7:事故以前に原料を収集し、放射性物質の影響を受けない倉庫等で保管していた木質ペレットも放射性セシウムの測定が必要ですか。

A  事故以前に原料を収集して製造し、倉庫等で適切に保管していたものについては、原発事故による放射性物質の影響を受けていないと考えられますので、測定の必要はありません。
また、事故以前に伐採した原料を用いて、事故以後に放射性物質の影響を受けない環境で製造、保管された木質ペレットについても、同様に測定の必要はありません。

 

 

Q8:指標値が定められる前に販売店から購入した木質ペレットについては、どのように取り扱えばいいですか。

A  販売店や製造者に問い合わせ、検査が必要なもの(17都県から採取された原料から生産されたもの又は17都県で保管されたもの)であるか確認してください。検査が必要なものであれば、指標値を下回っていること、又はストーブ燃焼灰が 8,000 Bq/kgを下回るものであるかどうか確認してください。
なお、販売店等から指標値を下回ること又はストーブ燃焼灰が  8,000 Bq/kgを下回ることを確認できる情報が得られない場合は、ストーブ燃料として利用しないでください。

 

 

Q9:指標値を超えた場合、ストーブ燃焼灰の放射性セシウム濃度を測定するのはなぜですか。

A  今回の調査では、当面の指標値を超えた木質ペレットが複数確認されましたが、ストーブ燃焼灰の放射性セシウム濃度で8,000 Bq/kgを超えたものは1検体でした。すなわち、指標値を超えても、放射性セシウムの濃縮率(ストーブ燃焼灰の放射性セシウム濃度÷木質ペレットの放射性セシウム濃度)次第で、実際のストーブ燃焼灰が8,000 Bq/kgを超えないことも十分に考えられます。
したがって、当面、木質ペレットの放射性セシウム濃度が当面の指標値を超える検査結果が出ても、ストーブ燃焼灰が8,000 Bq/kgを超えていないことが確認された場合は、通常の灰の処理が可能なので、販売・流通を行えることとしました。

 

 

Q10:指標値を超えた場合、販売・流通の自粛の対象となる木質ペレットはどの範囲のものになりますか。

A  指標値を超えた場合は、当該検査ロットの木質ペレットすべてが、販売・流通の自粛の対象となります(検査ロットの設定の考え方はQ17を参照)。

 

 

Q11:指標値を超え、ストーブ燃焼灰も 8,000 Bq/kgを超えた木質ペレットを再度、販売・流通するにはどのようにすればいいですか。

A  原料の種類や産地、配合比率等を変えるなどして、異なるロットで再度検査を実施し、指標値を下回っていることが確認されれば、販売し流通させることができます。

 

 

Q12:指標値を超え、ストーブ燃焼灰が8,000 Bq/kgを超えることが明らかとなった木質ペレットはどうすればいいですか。

A  指標値を超え、ストーブ燃焼灰が8,000Bq/kgを超えることが明らかとなった木質ペレットについては販売しないでください。また、購入した後に、木質ペレットが指標値を超え、ストーブ燃焼灰が8,000Bq/kgを超えることが明らかとなった場合には、利用を自粛し、販売店等に問い合わせて、燃料用として問題のないものに交換してもらってください。

 

 

Q13:指標値を超えた木質ペレットに指標値を超えていない木質ペレットを混ぜてたものを販売してもいいですか。

A  異なる検査ロットを混ぜて販売することをせずに、原料の種類や産地、配合比率等を変えるなどして、異なるロットとして再度検査を実施してください。

 

 

Q14:指標値以下の木質ペレットを燃焼した際に生じる灰の処理はどうすればいいですか。

A  市町村が定めた方法に従い、一般廃棄物として処理してください。

 

 

Q15:今後、指標値の見直しは行わないのですか。

A  今後も、木質ペレット及びストーブ燃焼灰の放射性セシウム濃度の実態を調査し、結果に応じて見直しを行うこととしています。

 

 

検査方法に関するQ&A

Q16:検査を実施する際の分析機関について、何か指定はありますか。

A  検査方法で示されている分析が可能である機関であれば、特に指定はありませんが、化学分析における品質保証システムを導入している機関に依頼されることをお薦めします。

 

 

Q17:検査の対象ロットをどのように決めればいいのですか。

A  検査対象となる木質ペレット製造所において、木質ペレットの原料の種類や産地、保管先等毎に1ロットとします。木質ペレットの種類が異なる場合は、必ずその種類毎に検査ロットを設定します。

 

 

Q18:ホワイトペレット、全木ペレットの定量下限値を4 Bq/kgまで小さく取る必要がありますか。

A  ホワイトペレット、全木ペレットについては、基準値(指標値)の 40 Bq/kg自体が相当低い値となっており、定量下限を基準値の10分の1以下としたところです。
しかし、(ア) 4 Bq/kgまで測定するにはかなりの時間を要すること、(イ)食品安全の分野では、世界的に定量下限を、原則、基準値の5分の1程度以下とすることが望ましいとされていることから、分析機関において、測定値の誤差を考慮した上で指標値を下回ることが確実だと判断できる場合は、10 Bq/kg程度までであれば分析機関が定める定量下限値により測定を行ってもかまいません。

 

 

その他

Q19:仮に、8,000 Bq/kgに近い濃度の灰が発生した場合、健康への影響はあるのですか。

A  家庭用ストーブで発生する燃焼灰の量は少ないため、仮に家庭でのペレットストーブの通常の利用で、 8,000 Bq/kg前後の燃焼灰が発生したとしてもその放射線影響は限られ、直ちに健康に影響が出ることはありません。
参考として申し上げると、家庭用ペレットストーブで仮に 8,000 Bq/kgの燃焼灰が発生し続け、年間6ヶ月間にわたり掃除したり、その灰を室内に保管したりした場合の被ばく線量を計算したところ、約3μSvとなりました。この値は、一般公衆に対する通常時の被ばく限度1 mSv/年の01月30日0程度であり、生活において特段の配慮を必要とするものではありません。
ただし、放射性セシウムを含む灰を庭や畑にまくと、セシウムが土壌に含まれる粘土や有機物と強く結びつき、土壌中に保持されます。肥料・土壌改良資材・培土中の放射性セシウムの暫定許容値( 400 Bq/kg)以下である等安全性が確認されている場合を除き、庭や畑にまいたりせず、一般ごみとして処分してください。

参考日本土壌肥料学会HPhttp://jssspn.jp/info/secretariat/4137.html

 

 

Q20:仮に、8,000 Bq/kgの灰をあやまって吸い込んだり、食べたりした場合、大丈夫ですか。

A  ペレットストーブを使用して発生した燃焼灰を仮に誤って体内に摂取した場合を想定しても放射線による影響は比較的低く、直ちに健康に影響がでることはありません。
食品摂取による追加被ばくの規制値  1 mSv/年を目安にすると、幼児が間違って8,000 Bq/kgの灰を約 1.3 kg吸い込んだり、約 10 kg食べたりした場合の被ばく線量が1mSvとなります(幼児1~2歳、全量がCs-137と仮定して計算)。
したがって、仮に、ごく少量の灰を吸い込んだり、間違って食べたりした場合でも、放射線による健康影響を心配する必要はありません。

    Q19、Q20は、(独)放射線医学総合研究所の協力により回答を作成しました。
【参考】(独)放射線医学総合研究所HP
http://www.nirs.go.jp/information/info.php?i14

 

 

Q21:出荷や使用ができなくなった場合の損害や検査費用は東京電力による賠償の対象になりますか。

A 平成23年8月5日に原子力損害賠償紛争審議会が策定した「東京電力株式会社福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する中間指針」(以下「中間指針」。)において、東京電力が賠償すべき損害と認められる一定の範囲が示されています。
具体的には、政府等による農林水産物等の出荷制限指示等に係る損害について、東京電力が賠償すべき損害の項目として、
    ・営業損害(減収及び必要かつ合理的な範囲の追加的費用)
    ・就労不能等に伴う損害(勤労者の給与等の減収分及び必要かつ合理的な範囲の追加的費用)
    ・検査費用(政府等による指示等に基づき行われた検査に関して負担を余儀なくされたもの)
が明記されていますので、木質ペレットに係る損害についても、これらに該当するものが東京電力が賠償すべき損害と考えられます。

お問合せ先

林政部木材利用課

担当者:木質バイオマス推進班
代表:03-3502-8111(内線6121)
ダイヤルイン:03-6744-2297

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