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知床の森の今の姿をブログで紹介します。森林の不思議や役割に興味を持ってみませんか。 

 知床は一つ(10月28日)

最近のウトロは、ぐぐっと冷え込む日が多くなりました。

晴れ予報の日でも雨天や強風となったり、夏の間穏やかだったオホーツク海が防波堤を越えんばかりの時化模様となったりと、天候が安定しないことが増えてきているようです。

時化模様のオホーツク海

時化模様のオホーツク海(知床八景 夕陽台より→ライブカメラはこちらからどうぞ)

 

当センターのフィールドイベントは年明け2月までしばしお休みですが、それまでの期間は屋内イベントを各種実施しています(イベント一覧についてはこちらからどうぞ)。

 

そんな中、去る10月25日、「知床インフォメーションスタッフ交流会」の一行が斜里町側の地域情報収集のため、とりわけ当センターへは荒天時の代替プログラムを目的として来館しました。

この交流会は、お客様目線に立ち斜里町・羅臼町の区分を捨象した「知床」の名の下、両町で観光の第一線に立っているスタッフが参集して情報の共有や意見交換を行うもので、平成21年の第1回に始まり今回で第5回となるそうです。

当センターからは、現在ロングランイベントとして実施中の草木染め体験のほか、意見交換会の場として会議室も提供しました。

 

館内説明

初めての来館となる羅臼町内スタッフが多く、館内説明にも熱が入ります。

 

その後、草木染め体験に移りました。

 

しぼり入れまず、ビー玉や輪ゴムなどを使ってしぼりを入れます。

 

染め上げ染液で煮込んで染め上げます。

 

媒染液に浸す染液を定着させるための媒染液に浸します。

 

乾かします乾かします。

 

作品その1作品その2作品その3

作品その4作品その5作品その6

作品その7 

 

 完成です。

 ちなみに、中央と中央左の作品はハンゴンソウから抽出した染液で染めたものです。ハンゴンソウはエゾシカ不嗜好の草本のため、近年、知床では至る所で繁茂するようになっています。

 

 

 

 

知床世界自然遺産地域をメインフィールドとして活動している当センターにとって、本交流会のような視点に立った取り組みは大いに歓迎するところです。

 

今年度の主催イベントとしては、斜里町内だけでなく、春の「熊越の滝」周辺森林の散策や先月の植樹と昆布加工体験イベントのように、羅臼町内での活動も充実させつつあるところですが(イベント内容はこちら)、今後とも地域のニーズを的確に把握し、それに即した緑化思想の啓発活動を行っていきたいと考えています。  

 

 ミノムシ??のなる木(10月27日)

先日、調査に行った際に面白いものを見つけました。

 

MINOMUSI1

河原沿いの木々の中に、「ミノムシ」のようなものが沢山ぶらさがっている木がありました。

「これはいったい何なのだろう?」と近づいてみると・・・

 MINOMUSI2

 ミノムシではありませんでした。

 

実はこれは「サワシバ」という木の果穂(実のかたまり)です。

サワシバは北海道から九州の低山~山地の谷沿いの肥沃地に生育する樹種で、器具材として利用されるそうです。

 

サワシバの果穂は鳥の羽のような形をした果包30~40枚程度から成っています。 

果包の一つ一つを見てみると・・・

アサダ種1

折り畳まれている部分にはタネが包まれており、これが風に乗って遠くへタネを運んでいきます。

もしも果包が無かったならば、タネはポトリと親木の近くに落ちるだけです。

ここにサワシバの生き残りをかけた戦いをみることができます。

 

実りの秋も終わりに近づいていますが、森へ出かける際には、落ちている木の実を拾い、どんな構造をしているのか、あるいはどんな工夫をしているのかを意識してみると、木々の意外な工夫に感動を味わえることでしょう。

 

 ゆめクラブ(10月23日)

先日、斜里町公民館ゆめホール企画「ゆめクラブ 森と遊ぼう 第三回」の活動として、知床を代表する森「オシンコシンの森」に町内の子どもたち8名がやってきました。

 

聞くところによると、第一回、第二回は雨天のため野外での活動ができなかったそうです。

そのため、今回の森遊びには大きな期待がかかるところでしたが・・・  残念ながら今回も雨に降られてしまいました。

 

しかし、そんな天候も何のその、子どもたちは元気いっぱいで知床の森に到着しました。

森に着くなりカエルやミミズを捕まえたり草木をさわったりと、好奇心を隠しきれない様子でした。
落ち葉を拾ったり、大きな声で樹名板を読んだり、土の中の生きものを観察したり、木の穴をのぞいてみたりしながら、森の中で多くの発見をしているようで、とても賑やかで楽しい声が響きわたりました。

 

シカ食害防止ネットの観察

林内にあるネットを巻いたイチイの木。

エゾシカによる樹皮食害を防止するためのものですが、子どもたちはみんな知っていました。

さすが斜里の子どもたちです。

 

土の中の生きもの観察

地面の落ち葉をはがすと、そこは生きものの宝庫!土の中の生きものの観察。

何が見えるかな?

 

このほか木の下での雨宿りやカエルやカタツムリを捕まえるといった雨天が好じた体験もありました。

 

それぞれ森での楽しい思い出を持ち帰ってくれたことでしょう。

 

 「ミズナラ堅果結実調査」調査方法の紹介(10月17日)

当センターで現在調査中の「ミズナラ堅果結実調査」についての調査方法をご紹介します。

 

山の中に設定してある調査区で採取してきたミズナラの堅果(どんぐり)を

 

kakuto

(1)  堅果の帽子(殻斗〈かくと〉といいます。)をはずします。

      「スポッ!」とうまくはずれると気持ちがいいですが、なかなか取れない厄介なものが多いです。

 

keisoku2

(2)  重さを量ります。0.1グラム以上は計測対象になります。

この堅果は2.3gでした。

 

keisoku5

(3)直径を測ります。

14.87mmでした。

 

keisoku4

(4)長径(たての長さ)を測ります。

  20.56mmでした。

 

(5)最後にパソコンのデータファイルに採取日、場所別のデータを入力します。

 

堅果の採取は週一回行い、落果が確認できなくなるまで続けます。

そして、今シーズンの結果の取りまとめを行います。

 

daishou

ちなみに、先週採取した堅果の計測では、

一番重いものは 3.9g、軽いものは0.1g

一番直径が大きいものは16.56mm、小さいものは7.14mm

一番長径が大きいものは24.21mm、小さいものは5.47mmでした。

上の写真はその差の一例ですが、同じ時期に採取されたものでもかなりの差があることが分かります。

 

今回で4回の採取・計測が終わりましたが、現時点での採取数は 561個 です。

去年の採取数2,648個と比べて2,087個も少なく、21%に止まっています。

過去には平成17年の調査でも同水準の採取数に止まったことがありましたが、

今年はそれ以来6年ぶりの低水準で推移しています。

 

(調査の詳細、過去の観察データはこちら)

 

 

 

 秋景の知床・紅葉鑑賞と種まき体験(10月8日)

10月8日(土曜日)、当センター主催の第110回森林レクリエーションin知床「秋景の知床・紅葉鑑賞と種まき」を開催しました。

直前一週間は、積雪のため知床横断道路が通行止めになるなど冷え込む日もありましたが、当日は朝方曇天ながら次第に回復していき、まずまずのイベント日和となりました。

 

秋のポンホロ(沼)

ポンホロ沼跡地です。春には水面が広がっていましたが、現在ではヒメシダの生い茂る草原となっています。

(水面広がる春のポンホロ沼散策の記事はこちら。)

 

ドングリまき

「知床の森 支援苗圃」((財)日本森林林業振興会旭川支部北見支所)でのミズナラの種(ドングリ)播きです。

本日、10月8日「木の日」にちなんで1人8粒のドングリを播きました。

 

ちなみに、なぜ10月8日が「木の日」とされているのでしょうか?

(答えはこの記事の一番下にあります)

 

キノコ汁ツリーイング

昼食にはキノコ汁を出しました。秋の味覚たっぷりです。また、午後にはツリーイング体験なども行いました。

 

今回のイベントの詳細については、近日中にこのHP上で報告します。→こちらからどうぞ!

 

 

(答え・・・「十」と「八」を合体させると…ハイ、「木」のできあがり!)

 

 

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