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東北森林管理局

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    白神山地の概要

    1.位置等

    白神山地は、青森県の鰺ヶ沢町、深浦町、西目屋村、秋田県の能代市、藤里町、八峰町の6市町村に広がる約13万haの森林地帯です。そのうち白神山地世界遺産地域は、青森県南西部と秋田県北西部の県境をまたぐ地域に位置しており、標高約200m~1250mに及ぶ山岳地帯で、遺産地域の面積は16,971haとなっています。遺産地域は全域、林野庁所管の国有林で、所在市町村は青森県西津軽郡鰺ヶ沢町、深浦町及び中津軽郡西目屋村並びに秋田県山本郡藤里町の3町1村となっています。

    白神山地マップ(PDF : 1,151KB)
    図1 白神山地世界遺産地域 位置図(PDF : 832KB)
    図2 白神山地世界遺産地域 管理区分図(PDF : 1,893KB)
    図3 白神山地世界遺産地域 地域指定区分図(PDF : 1,724KB)

    2.白神山地のブナ林の特徴

    白神山地には、約12,000~8,000年前から北日本の山地を被っていた原生的な冷温帯ブナ林が広範囲にわたり残存しています。ブナ属の森林は、現在、ヨーロッパ、東アジア、北米大陸に分布しており、これらは、氷期以前(約2万1千年前~約1万8千年前)の比較的気候が温暖な時期には、北極周辺(周北極地域)に分布していたブナ林が起源となっています。この頃の周北極地域のブナ林には、ブナだけでなく、今も白神山地に見られる多様な植物からなっていました。
    その後、氷河期になると、気候の寒冷化に伴い、周北極地域のブナ林は、分布域を南へ変化させていきますが、今のヨーロッパ、北米においては、高い山脈に阻まれて、ブナ以外の多くの植物は分布域を南に広げることができず、その結果、ヨーロッパ、北米のブナ林はかつてと比べて植生が単純化していきました。
    一方、東アジアのブナ林は、高い山脈に遮られることなく、ブナ以外の多様な植物もとともに分布域を南下することができたため、現在の白神山地には、周北極地域に分布していたころに近い多様で特異なブナ林が維持されています。

    二ツ森山頂から白神岳を望む
    二ツ森山頂から白神岳を望む

    3.植物

    白神山地を代表する植物群落は、我が国の冷温帯における気候的極相であるブナ林です。林内や山頂部の風衝地、崖錘、露頭部の岩礫地等の多様な立地において540種以上の多様な植物が確認されています。これらの植物の中には、白神山地の固有変種であるシラガミクワガタや、白神山地を中心とした僅かな地域にしか生息してしない準固有種であるアオモリマンテマ等が含まれています。また、クロベ、ウチョウラン等の分布限界に近い種や各種の高山植物などの貴重な植物が見られます。

    アオモリマンテマ
    アオモリマンテマ

    4.動物

    ・哺乳類
    35種の生息が確認されており、ニホンザル、ニホンカモシカ、ツキノワグマをはじめ森林性の種が多く、ニホンカモシカは特別天然記念物、ヤマネは天然記念物に指定されています。また、近年は、ニホンジカが平成27年に初めて遺産地域内で確認され、平成29年度には核心地域内でも確認されるなど、将来、遺産地域の植生への影響が懸念されています。

    ニホンカモシカ
    ニホンカモシカ

    ・鳥類
    94種の生息が確認されており、コノハズク、ブッポウソウ、クマゲラ等の樹洞に生息する種が多いのが特徴となっています。また、国内希少野生動植物種に指定されているイヌワシ、クマタカも確認されています。

    クマゲラ
    クマゲラ


    ・昆虫類
    約2,200種の生息が確認されており、ブナ林に依存するフジミドリシジミ(幼虫はブナの葉しか食べない)が代表的な種として挙げられます。分布の南限、北限の種も多く、また、固有種としては、シラカミメクラチビゴミムシ、シラカミナガチビゴミムシ等が知られています。

    フジミドリシジミ
    フジミドリシジミ

    お問合せ先

    計画保全部
    担当者:自然遺産保全調整官
    ダイヤルイン:018-836-2489

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