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四国森林管理局

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    防護ネット被害のメカニズム~誘因餌とセンサーカメラによる分析~

    防護ネット

    1. 防護ネットの効果分析(概要)
    本調査では、ノウサギによる苗木被害への防護ネットの効果を実証するため、生体が侵入できない5cm目合いの防護ネットを基本として、素材や構造の異なる3種類のネットについて、センサーカメラを複数台設置してその被害のメカニズムを検証しました。
    その結果、ノウサギが防護ネットを切断して、その切断によりできた隙間から防護ネット内部へ侵入する行動は確認されませんでした
      一方で、センサーカメラの映像では、防護ネット内部の誘因エサを採食するため、頭部をネットの目合いに入れ込んだ後、頭部が抜けなくなった際に周辺のネットを噛んで切断する(又は切断しようとする)行動が確認されました。
    このことから、ノウサギ対策には、5cm目合いで切断されにくい素材のネット選定と、設置後の点検・補修が重要であることが明らかになりました。

    2. 防護ネットの種類別分析(詳細)
       本調査では、ノウサギ対策として一般的に用いられている5cm目合いの防護ネットを用い、L字張りおよび垂直張りの防護柵を設置しました。
    センサーカメラによる観察の結果、ノウサギが内部への侵入を目的に防護ネットを切断して、その切断によりできた隙間から内部へ侵入する行動は確認されませんでした    一方、タイプAとタイプCの実証に設置したセンサーカメラ映像から、ノウサギがネット際の草や誘引エサを採食しようとして、頭部をネットの目合いに入れ込むが、頭部が抜けなくなり、抜け出そうとする過程で周囲のネットを噛む行動が確認されました。その結果、タイプAでは防護ネットの切断には至らず、タイプCでは切断が2カ所確認されました。


    (ア) タイプA:下部1mステンレス線入り・5cm目合い(L字張り)
    タイプA
    ステンレス線で補強されたネットでは、センサーカメラ映像から、頭部を差し込もうとする行動は確認されたものの、切断には至らず防護機能は維持されていました。
    頭が抜けなくなった際にも、ステンレス線が噛み切りを抑制しており、侵入防止効果が高いネットであることが確認されました。


    (イ) タイプB:5cm目合ネットに目合16mmネットを張り合わせたタイプ(垂直張り)
    タイプB
    5cm目合いの本体ネットに、16mm目合いの細かいネットを張り合わせたタイプでは、ノウサギがネットに接近する頻度自体が比較的低い傾向が見られました。 一部で16mmネットの破れは確認されたものの、センサーカメラでは頭部を深く差し込む行動は確認されませんでした。頭部が入りにくい大きさの目合いであることと併せて、視覚的にも侵入しにくい構造である可能性も考えられます。ただし、耐久性については継続的な検証が必要であると考えています。


    (ウ) タイプC:下部1m超高分子量ポリエチレン繊維入り・5cm目合い(L字張り)
    タイプイC
    軽量で設置の施工性に優れる一方、素材が滑りやすいため、センサーカメラ映像では、ノウサギの頭部が目合いに入り込みやすく、抜けなくなった後に周囲のネットを噛んで切断する様子が確認されました。
    そのため、耐久性と防護性能が比較的低いネット素材であると評価されました。


    試験区タイプC(超高分子量ポリエステル繊維)で2か所切断被害状況
    切断被害1切断被害2
    切断状況1切断状況2

    ウサギネット際親子縄張り争い
    防護ネット被害のメカニズムネット際の植栽は被害甚大子どもを助け出したい親子の会話ノウサギの縄張り争い

    3. 総合的な考察
    本調査から、ノウサギ対策としては

    ・5cm目合いであっても、素材の滑りやすさや耐切断性が防護効果を左右すること
    ・被害は、頭部が目合いに入り込んだことを起点として発生するケースが多いこと
    ・防護ネット設置後の破損確認と早期補修が不可欠であること

    が明らかになりました。
    今後は、これらの知見を踏まえ、現地条件やコストに応じた防護ネットの選定と管理方法の普及に努めてまいります。

    参考ウサギウサギ
    ノウサギ対策具体化に 向けた調査検証~第2部防護ネットの有効性の確認等~(PDF : 13,156KB)

    *アーカイブの情報を引用する場合は、「四国森林管理局ノウサギ研究アーカイブ」のク
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