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オオバクロモジ

オオバクロモジ オオバクロモジ

オオバクロモジ
(クスノキ科・クロモジ属)大葉黒文字

Lindera umbellate Thunb. var. membranacea (Maxim.) Momiyama 属名(リンデラ)スウェーデンの植物学者Johann Linder(1676-1723)に因む。北海道(渡島半島)、本州(東北地方以南の日本海側)に分布。雌雄異株

クロモジの変種で、葉はクロモジより大形で長さ約13cm。裏面の脈に沿って淡黄色の軟毛が生える。

基本種のクロモジについては、樹皮に黒い斑点のあるところから、これをくろきと称したもので、昔、この木を、皮を残して、先のほうを穂のように砕いて、穂楊子(中国ではハコヤナギを用いて穂楊子を作ったので楊子の名が起こった。)として使ったので、黒木の楊子の意味で、これを黒楊子と称した。

昔は、宮中などに仕える女房たちの間では、衣食住に関する一般社会に用いられる用語、特に直接その名を口にすることがはばかられるような言葉に、その語の一部にもじを付け加えて用いたもので、これを文字詞(もじことば)または女房詞という。文字詞の例を挙げると、すもじ(鮨)・しゃもじ(杓子)・かもじ(髪の毛)・ゆもじ(湯巻すなわち腰巻)・そもじ(そなた)・お目もじ(お目にかかること)などである。黒楊子も、歯を掃除するためのものであるから、女房たちがずばりその名をもって呼ぶことは当然忌まれ、黒楊子のくろにもじを付してくろもじと称し、このくろもじがそのまま木の名前になったものであろう。
クロモジの木を楊子に用いるのは、樹枝に精油(リナロールなど)やアルコール類が含まれ、ヒトは(そしてシカも)それを芳香とかんじる。殺菌力を有するので、歯の衛生に適している。

参考及び引用文献:牧野富太郎「牧野新植物図鑑」北隆館、木の名の由来深津正・小林義雄著(日本林業技術協会)

早春から春のトレッキングでも目に付く植物であり、葉を指先ですこしつまみこすり鼻を近づけてください。どんな匂いがするでしょうか。

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