ホーム > 森林管理局の案内 > 森林管理署等の概要 > 会津森林管理署 > 森林(もり)からのおくりもの > チョウジザクラ


ここから本文です。

チョウジザクラ

チョウジザクラ チョウジザクラ

チョウジザクラ
(バラ科・サクラ属)丁子桜

Prunus apetala (Sieb. et Zucc. )Franch. 属名(プルヌス)plum(スモモ)に対するラテン古名。種小名(アペタラ)花弁の無い。本州(群馬県~広島県の太平洋側)、九州(熊本県)の低山から山地に多く生育し、熊本県では石灰岩地に見られる。

高さ3~7mになる落葉低木~小高木。幹は基部から分岐して、傘形の樹形になる。樹皮は灰褐色で、皮目が点在する。葉は互生し、欠刻状の重鋸歯をもち、倒卵形で先が急に尾状化することが多い。基部は円形~切形で、左右は不ぞろい。3~4月、葉の展開またはほぼ同時に開花する。前年枝の葉腋に白色または淡紅色の花が散形状に1~3個下向きにつく。花は径約1.5cm。花弁は5個、長さ6~8mmの広倒卵形で、先端は切れ込む。雌しべの花柱の下半部には開出毛がある。萼筒は長さ7~10mmでの筒状で、腺のある開出毛が密生して粘る。萼筒の基部はすこしふくらむ。果実は核果で、径約8mmの卵球形で、6月に黒熟する。果肉は甘く、核は6~7mmの扁平な卵形。

チョウジザクラそのものは鑑賞価値が低く、植えられることは少ない。樹皮は工芸に用いる。最近、微生物のつくり出す抗がん物質のひとつであるゲニスタインというイソフラボノイドが、チョウジザクラの葉や樹皮に含まれていることが確認され、薬用植物としての期待も出てきている。
日当たりのよい道路沿いや、林縁など春をいち早く感じさせるサクラで、大きくならないのでシバザクラ(柴桜)ともいわれているが、早春の日差しが似合う花です。

参考及び引用文献:牧野富太郎「牧野新植物図鑑」(北隆館)、植物の世界(朝日新聞社)、樹に咲く花離弁花(山と渓谷社)

森林管理局の案内

リンク集