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オオツリバナ

オオツリバナ オオツリバナ

オオツリバナ
(ニシキギ科・ニシキギ属)大吊花

Euonymusplanipes(Koehne) Koelhne 属名(エウオニムス)ギリシャ古eu(良)+onoma(名)からなる。よい評判の意。ギリシャ神話の神の名でもある。北海道、本州(中部地方以北、奈良県)、南千島,朝鮮半島、中国東北部に分布し、山地の林内に生育する落葉小高木。

高さ2~5mになり、樹皮は灰色でなめらか、本年枝は緑色でまるい。葉は対生し、葉身は長さ3~13cm、幅2~6cmの倒卵状楕円形で、先端は尾状にとがり、基部は円形または広いくさび形。ふちには細鋸歯があり、両面とも無毛、葉柄は長さ3~10mm。5~6月、葉腋から集散花序を下垂し、黄緑色の小さな花を3~20個つける。総花柄は長さ4~8cm、花は径約8mm、花盤が発達する。花弁と萼片は5個まれに4個のものがまじる。花柄は3~10mm、果実は羚果で、径約1.5cmの球形で、鋭い稜が4~5個ある。9~10月に紅色に熟し、4~5裂して、橙赤色の仮種皮に包まれた種子をだす。

名前については、ツリバナはもちろん「吊り花」であろうことは疑いを容れないが、その他に北海道ではエリマキという名がかなりポピュラーである。阿寒周辺などではエリマキと言わなければ通じない。その材が白くて滑らかな美しいもので、さまざまな木彫り細工に使われ、そうゆう仕事をする人たちに知られている樹である。
このツリバナだけでなく、ヒロハツリバナや、オオツリバナもそう呼ばれているようだが、この名がどこから来たのかよく分からなかった。ただ、ツリバナはマキとも呼ばれ、また、イロマキともいう。「イロ」はことに実の赤い色を指すのかと思われ、これが「エリ」に転じてエリマキになった、という可能性はある。

アイヌ語ではコンケ・ニというそうだ(知里真志保『分類アイヌ語辞典』)。コンケは「曲がる」を意味し、弓の材にしたからという。ニは木のことだ。ヒロハツリバナも同じ名で呼ばれているから、特に両者を区別はしていないらしい。けれども、ムラサキツリバナ(クロツリバナ)はエルム・コンケ・ニであって、これは「ねずみ・の・曲がる・木」になるそうだ。弓の材料としてはレベルがちよっと落ちるということらしい。現実的な区分であり、命名である。

参考及び引用文献:樹に咲く花離弁花(山と渓谷社)、辻井達一著日本の樹木(中公新書)

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