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コバイケイソウ

コバイケイソウ コバイケイソウ

コバイケイソウ
(ユリ科・シュロソウ属)

夏の飯豊山を縦走すると不思議な光景に出会うことがあります。この2枚の写真は撮影している場所は少し違いますが、同日に撮影したものです。なぜ同じ植物(コバイケイソウ)なのに生育状況が違うかというと、高山帯の積雪に原因があります。強風が吹き付ける場所は積雪が少なく、風が弱く吹きだまりになる箇所は何メートルもの積雪になり、雪解けが夏になる場合もあります。日当たりが良く雪解けの早い場所では、6月頃花が咲き、蜂などの昆虫による受粉が行われます。しかし、雪解け直後の場所ではようやく芽吹きがはじまったばかりで、どの新芽にも花はまだありません。

標高の高い山では、夏場にこのような光景を普通に見ることができ、同じ植物の新芽の頃、つぼみの頃、花の頃が同時に見られ、出始めの植物の新芽がこの後どんな花を咲かせるのかが観察できます。

ところで、コバイケイソウは、青々として一見おいしそうに見えますが、全草が有毒植物であり、よくオオバギボウシ(山菜名ウルイ)と間違えて採取し、食べて中毒をおこす人がいますので気をつけて下さい。

Veratrum stamineum Maxim. 属名はveratorで予言者。北欧に「クシャミをしてからいう事は真実」とする伝説があり、この属の植物の根にクシャミを起こさせる薬効があるため。

本州中部以北に分布。亜高山帯~高山帯の草原に群落をつくる。草丈50~100cm。茎の上部にまで基部が鞘状に茎を抱く大型の丸い葉が多数つく。花は径1cm前後、白色、花被片・おしべともに6個。茎の上部に大きな円錐花序を形成する、花期は6~8月。実はさく果。高山植物の中では最も大きな植物で、1株ずつ見ただけでは、あまり目立たないかもしれませんが、群落を形成するととたんに華やかな草原に変わります。

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