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マルバマンサク

マルバマンサク マルバマンサク


マルバマンサク(マンサク科・マンサク属)

Hamamelis japonica Sieb. et Zucc. Var. obtusata Matsum. 属名(ハマメリス)ギリシャ語のhama「同時、ともに」とmelon「リンゴ、果樹の実」の2語からなり、花と果実が同時についていることにちなむ。

マンサクの語源については、二つの説があり「まんず咲く」と「満作」である。文字言葉が連想させるそのものです。しかし花百科50号(講談社発刊)に光田重幸(植物分類・生態学)先生の第3の説が記載されていたので紹介したいと思います。

食養魚として知られるシイラを、広島県などの山間部で「マンサク」と呼ぶ。シイラの姿は細い卵形で、厚みがない。その様が、“稔らなかった稲もみ”の「シイナ」を連想させるため、これを嫌って「満作」と呼んだ。「葦(悪し)」を、縁起でもないと「ヨシ(良し)」に言い換えたように、「シイラ」の名も「シイナ」から来ているのだろう。植物のマンサクは、その細くて干からびたような花びらが、狂風で、凶作を連想させることから農民たちに嫌われたのではないのか。生物語源学者の中村浩氏は、静岡県磐田地域にマンサクを「シイバナ」と呼ぶ事例があることから、その意味を「シイナバナ」と考え、「凶作」の忌み言葉として「満作」が用いられたのではという説を展開している。

マンサク科の植物には、太平洋を隔てて東アジアと中北米にまたがる、不思議な分布をするものがかなりあり、マンサク属、フウ属、イスノキ属などがそれである。これらのグループは、約5000万年前の新生代古第三紀には、今とほとんど変わらない姿をしていたことが、化石からわかっている。かつて北半球に広く分布していたものが、環境変動によって取り残されたといわれるが、いまだに謎は多い。

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