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タムシバ

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タムシバ
(モクレン科・モクレン属)噛柴

 

Magnolia salicifolia(Sieb. et Zucc.) Maxim. 属名(マニョリア)フランスMontpellier(モンペリエー)の植物学教授Pierre Magnol(1738~1715)に因む。種小名はヤナギ属のような葉の。日本固有種で本州、四国、九州に分布する。

急斜面や尾根筋に生育し、日本海側では多くの場合低木で、太平洋側では高木となり、高さ10mほどになる。4~5月、葉が展開する前に、直径が10cmほどの芳香のある白い花が咲く。外側の花被片3個は小さくて萼状、内側の6個は花弁状、雄しべと雌しべは多数あり、らせん状に花床につく。果実は袋果が集まった集合果で、長さ7~8cmのこぶし状の長楕円形。10月頃に熟すと、背面が割れ、糸状の珠柄の先に赤い種子がぶら下がる。

コブシに似ているが、タムシバは花のしたに葉がなく、葉はコブシより薄く、裏綿が白っぽいことで区別する。がく片が花弁の1月3日から1月2日の大きさならタムシバ、非常に小さければコブシ、花弁の長さは両種とも5cm前後、タムシバは「噛む柴」に由来し、枝先を噛むと肉桂のように少し甘い。テンペル類が精油の主成分であるモクレン科には珍しくフェニルプロパノイド類が主成分で、クロモジ(クスノキ科)のような芳香をもつ。「ニオイコブシ」の別名がある所以である。別名 カムシバ・サトウシバ・ニオイコブシ。

参考及び引用文献:牧野富太郎「牧野新植物図鑑」(北隆館)、樹に咲く花・離弁花(山と渓谷社)、植物の世界(朝日新聞社)。

春の植物の中でもかなり目立つ存在であり、農作業の種まきや豊凶の占い、つぼみは生薬(辛夷「しんい」)として蓄膿症・鼻炎に、また香水にと幅広く利用されている。ほのかな香りを楽しんでみてください。

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