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林野庁

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森林・林業基本計画(抜粋)

 新たな山村価値の創造
山村地域には、森林の約6割が賦存しており、その土地に根ざした文化や習俗等が引き継がれている。また、森林管理を支える林業従事者が居住する生活基盤としても重要な地域である。少子高齢化と人口減少が進む山村地域での生活を成り立たせていくためには、外部依存性が高く、自立性の弱い経済を克服するとともに、生活の基盤となる集落を維持していくことが不可欠である。その際、山村地域の住民と生活に、地域の森林が何をなし得るのかとの視点を持つことが重要である。

このため、基幹産業たる林業・木材産業のみならず、森林空間を総合的に活用する「森林サービス産業」等の新たな産業を育成することなどで、山村の内発的な発展を図る。また、新型コロナウイルス感染症の流行等を契機として新たなライフスタイルを求める人々に対し、山村地域の魅力を発信することなどを通じて、山村地域と継続的に関わる「関係人口」の拡大を目指す。さらには、集落維持の下支えとして、地域における農林地の管理や利用等の協働活動を促進する。


ア.山村の内発的な発展
山村地域での生活を成り立たせていくためには、その自然や風土等を背景として、住民が主体となり地域資源を活かした産業を育成し、地域づくりを行うことを通じ、山村の内発的な発展を図ることが不可欠である。

このため、地域内での経済循環を生み出すべく、森林資源を活用して、林業・木材産業を成長発展させていく。その際、規模拡大や生産性向上の取組だけでなく、中小地場の製材工場等の活性化や未利用材の熱利用などを進めていく。また、農林複合的な所得確保の機会を創出するため、自家労働による木材生産等の取組も促進する。林業・木材産業以外の所得確保の方策として、きのこ、木炭、薪、竹、漆等の特用林産物、広葉樹、ジビエなどの地域資源の発掘と付加価値向上等を図る。加えて、健康・観光・教育など様々な分野で森林空間を活用する「森林サービス産業」や、農泊との連携等を推進し、地域外の力を活かしつつ地域の内発力を高めていく。

イ.山村集落の維持・活性化
山村地域を支える基礎的な社会は集落であり、それを構成する家々の協力が相互に結合して集落を成り立たせている。特に生活の基盤となる農林地の管理及び利用を協働して行うことは、集落の維持・活性化を図る上で重要である。

このため、関係府省による住居、情報基盤、交通などインフラの確保等の施策に加えて、農林地の適正な管理及び利用を図る施策を推進する。具体的には、復旧困難な荒廃農地等への早生樹植栽などによる継続的な管理と収入機会の創出、生活の身近にある里山林の継続的な保全管理や利用等の協働活動を促進する。

また、集落の新たな支え手を確保できるよう、特定地域づくり事業協同組合等の枠組みの活用や、多様な人々の農林業体験等への参加を促進する。さらに、林業高校・大学校への就学、「緑の雇用」事業によるトライアル雇用、地域おこし協力隊への参加等を契機とした移住・定住の促進を図る。

ウ.関係人口の拡大
我が国全体が人口減少の時代を迎える中、山村地域にあっては、定住の促進を図るだけでなく、山村地域やその住民と継続的かつ多様に関わる「関係人口」を拡大させていくことが効果的である。

このため、幼少期からの森林環境教育を推進することで、将来の社会の担い手となる子供たちの山村への理解・関心を高めていく。また、近年では宿泊型の健康ツアー、マウンテンバイク・トレイルツアー、自然共生型アウトドアパーク等の取組が広がっている。このような新しいニーズを踏まえ、「森林サービス産業」の推進と、農泊や国立公園・温泉地等と連携したワーケーションなどにより、森林の多様な活用を図っていく。さらに、森林環境税及び森林環境譲与税の創設を契機として、都市部と山村地域とが交流する取組を進めていく。

これらの取組を通じて、新たなライフスタイルを提案し、都市部の「コト消費(注)」ニーズを取り込み、関係人口の拡大を図る。あわせて、新型コロナウイルス感染症の拡大防止と社会経済活動との両立を図る「新たな日常」にも対応していく。

注:魅力的なサービスや空間設計等によりデザインされた「時間」、経験・体験を顧客が消費することをいう。








 集落

 参考:森林・林業基本計画(全文)(PDF : 355KB)

お問合せ先

森林整備部森林利用課山村振興・緑化推進室

担当者:山村振興企画班
代表:03-3502-8111(内線6145)
ダイヤルイン:03-3502-0048

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