プレスリリース
「森林吸収量に係る算定方法の改善方向について(中間とりまとめ)」の公表について
林野庁では、「国連気候変動枠組条約」に基づき政府が作成する温室効果ガスの排出実績等の報告に関連し、森林吸収量の算定方法について研究者からなる検討会を設置し、検討を行ってきました。今般、同検討会で、中間とりまとめが行われましたので、お知らせします。
1.「森林吸収量に係る算定方法の改善方向について(中間とりまとめ)」のポイント
森林吸収量は、毎年の森林蓄積の増加量をもとに計算されますが、その増加量に関しては、主に林業目的で植えられた樹種ごとに作成された成長モデルを利用して推計する方法を採用してきました。成長モデルによる算定方法は、京都議定書が採択された当時のデータ整備の水準や知見等を踏まえたものですが、特に高齢級人工林や天然林において、森林蓄積の推定に誤差が出やすいなどの課題がありました。このような中、林野庁では、全国約1.5万点の固定調査点において、林業目的樹種以外も含めた全ての立木を5年周期で測定する全国規模の標本調査(National Forest Inventory、NFI)を1999年から継続的に実施し、実測データの集積を図ってきました。また、第三者機関による品質管理・品質保証を通じた実測結果の統計的信頼性の向上等にも取り組んできました。この結果、NFI調査の時系列データを比較することで森林蓄積の増加量を直接推定することがようやく可能となりました。
このため、森林吸収量の算定方法について、諸外国でも一般的に採用されているような、森林の炭素蓄積データをより正確に得られているNFI調査データを活用した直接推定方法へ見直すことが適当と考えられます。
2.今後の取組
林野庁では、本中間とりまとめによる提言を踏まえ、森林吸収量の算定方法のより詳細かつ具体的な方法論の作成に向け、今後検討を進めていく予定です。添付資料
「森林吸収量に係る算定方法の改善方向について(中間とりまとめ)」のポイント(PDF : 178KB)森林吸収量の算定方法等に関する検討会「森林吸収量に係る算定方法の改善方向について(中間とりまとめ)」(PDF : 287KB)
お問合せ先
森林整備部森林利用課
担当者:増山、河野、川上
代表:03-3502-8111(内線6213)
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