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プレスリリース

第15回世界林業会議の結果概要について

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令和4年5月16日
林野庁
5月2日(月曜日)から6日(金曜日)まで、ソウル(大韓民国)において、「第15回 世界林業会議」が開催されました。
「世界林業会議」は、国連食糧農業機関(FAO)及びホスト国が主催し、6 年に1 回、世界の森林・林業関係者が一堂に会し、幅広いテーマについて議論する、森林・林業分野では世界最大規模の国際会議です。

開催日程及び場所

開催日程:令和4年5月2日(月曜日)~5月6日(金曜日)
場所:ソウル(大韓民国)

参加者

各国政府、国際機関、大学・研究機関、産業界・企業、非政府組織(NGO)の関係者など、140か国以上から15,000名を超える参加がありました。我が国からは、林野庁の織田次長、谷本海外林業協力室長のほか、国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所や大学等の関係者が出席しました。

結果概要

1.会議の開催

本会議は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により1年開催が延期され、初めて対面とオンライン配信のハイブリッド形式での開催となりました。また、アジア・太平洋地域では、1978年のインドネシア以来44年ぶりの開催となりました(世界林業会議は、1926年の第1回開催以来、6年に1回の頻度で定期的に開催)。

2.主要会議の結果概要

今回の会議は、「森林と共にグリーンで健康的で強靭な未来を築く」を全体テーマとし、開会式においては、文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領、バスマ・ビン・アリ ヨルダン王女、屈冬玉(チー・ドンユィ)FAO事務局長、アミーナ・モハメッド国連副事務総長(ビデオメッセージ)の他、若者を代表してマグダレナ・ヨヴァノヴィッチ国際森林学生協会(IFSA)代表があいさつを行いました。

開会式に続き行われたハイレベル対話では、各国・国際機関等の代表者がスピーチを行い、森林が持続可能な開発目標(SDGs)の気候変動や食料安全保障、地域住民の生活向上などのゴールを達成するために重要な解決策であることが強調されました。また、会議期間を通して、全体会議の他、以下の6つのサブテーマごとの30の分科会対話、10の特別イベント、2つの閣僚級フォーラム、116のサイドイベント等が開催されたほか、世界中から1,000本を超える論文やポスター等が発表されました。

6つのサブテーマ
(1) 流れを変える:森林減少・劣化の反転
(2) 気候変動の緩和・適応や生物多様性保全に向けた自然に基づく解決策(Nature-based solutions)
(3) 成長と持続可能性に向けたグリーンな道筋
(4) 森林と人間の健康:つながりの再考
(5) 森林情報、データ、知識の管理と共有
(6) 境界のない森林:管理と協力の強化

3.世界森林白書2022(SOFO2022)等の公表

今回の会議に合わせて、FAOより、「世界森林白書2022(SOFO2022)」及び「世界森林資源評価2020リモートセンシング調査報告書」が公表されました。
前者は、FAOが2年ごとに作成する世界各地の森林の現状や森林分野における主要な政策・制度等をまとめた報告書です。報告書では、森林減少の抑止と森林の維持、劣化した土地の回復とアグロフォレストリーの拡大、そして森林の持続可能な利用とグリーンバリューチェーン構築の重要性を指摘しており、これらをバランスよく同時に追求することが、持続可能な社会経済の達成に必要であるとしています。
後者は、FAOの主導により、世界の森林資源の現況を衛星データから分析した調査報告書です。報告書によると、年間の森林減少面積は、2000-2010年の年間1,100万ヘクタールから、2010-2018年の年間780万ヘクタールへ約29%減少したものの依然として高いことや、森林減少の主な要因が農地の拡大であることが指摘されました。

報告書原文(FAOホームページ)
世界森林白書2022(SOFO2022):https://www.fao.org/publications/sofo/2022/en/
世界森林資源評価2020リモートセンシング調査報告書:https://www.fao.org/documents/card/en/c/cb9970en

4.会議の成果

会議の成果として以下の文書が採択、公表されました。

(1)ソウル森林宣言:森林がSDGs等の国際目標の達成に必要不可欠であることや、未来に向けた緊急の行動の呼びかけ
(2)持続可能な木材利用に関する閣僚宣言:カーボンニュートラルで強靱な経済を構築し、より持続可能な社会に向けて木材利用の重要性を強調
(3)ともに取り組もう - 若者の行動への呼びかけ-:世界の若者が森林教育や森林分野のキャリア開発に公平にアクセス出来る世界を目指すもの
(4)アクションポイント:会議全体を通して議論された事項の総まとめ

会議公式ホームページ(大韓民国):https://wfc2021korea.org/index.html
会議公式ホームページ(FAO):http://www.fao.org/about/meetings/world-forestry-congress/en/

5.我が国の取組

我が国からは、サブテーマ(1)流れを変える:森林減少・劣化の反転の第2セッション及び持続可能な木材利用に関する閣僚級フォーラムにおいて、世界の森林保全に関する日本の貢献や、再生可能な資源である木材の循環利用の重要性について織田林野庁次長がプレゼンテーションを行いました。
また、サイドイベントとして、「森林を活用した防災・減災技術による地域強靭化の取組」(林野庁、森林総合研究所、独立行政法人国際協力機構(JICA))、「民間セクターを活用したREDD+の推進」(林野庁、森林総合研究所)を開催するなど、日本の森林・林業の現状や森林分野の国際協力を紹介しました。

6. 次回の世界林業会議について

次回の第16回世界林業会議については、トルコ共和国がホスト国となる意向を表明しました。

添付資料

(1)ソウル森林宣言(英文(PDF : 237KB)仮訳(PDF : 145KB)
(2)持続可能な木材利用に関する閣僚宣言(英文(PDF : 255KB)仮訳(PDF : 129KB)
(3)ともに取り組もう - 若者の行動への呼びかけ-(英文(PDF : 225KB)仮訳(PDF : 241KB)

お問合せ先

林野庁森林整備部計画課海外林業協力室

担当者:谷本、早坂、町田
代表:03-3502-8111(内線6146)
ダイヤルイン:03-3591-8449