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「令和2年度第3回中央国有林材供給調整検討委員会」概要

更新日:令和3年3月15日

コロナ禍における林業・木材産業分野への影響については、各地域において需要の動向を見定めながら、国有林材供給調整検討委員会からの報告を踏まえ、全ての局で対策を講じているところです。

1.日時及び場所

令和3年3月2日(火曜日)13時15分~16時15分
林野庁AB会議室

2.議題

1各森林管理局の供給調整状況について
2木材需給動向

3.議事概要 

【委員会の検討結果】

   森林管理局の管轄区域を越えた、緊急的な供給調整の必要性はないが、外材の輸入減少とそれに伴う国産材の代替需要、中国への丸太輸出、大雪の影響等、地域により原木需給の状況は区々である。また、住宅着工は春以降の状況が予測できないこと、製品価格が新型コロナウイルス禍以前の水準に戻っていないこと等、市況に不透明感があることを踏まえると、必ずしも供給調整を全面的に解除すべきという状況にあるとは言い切れない。
   こういった状況を踏まえ、国有林からの出材により供給過剰となり、原木価格の大幅な下落につながることがないよう、立木販売物件の搬出期間の延長の措置は引き続き実施するとともに、民有林関係者とも情報を共有しつつ、地域の状況を踏まえた計画的な立木販売等により国有林材の供給に取り組むべきである。


【主な意見】

〇大手ハウスメーカーが夏場以降回復し、年内は比較的受注環境が良かった。プレカットも好調で、当面、住宅部材の需要はありそう。今後については、不透明。
〇プレカットはローコスト住宅向けが好調だが、一般工務店は厳しい状況。イベント向けの需要も回復傾向。店舗需要はまだ回復しないが、一部ではリニューアルの見積りが出てきている。
〇合板工場、製材工場は一時期の受入制限を解除。外材からの国産材への代替需要、梱包材等にも一定の回復感があり、需要は回復しつつあるが、まだ新型コロナ禍前の水準には戻っていない。
〇アメリカへのフェンス材の輸出や2×4製材等輸入材の代替需要があり、しばらくこの需要は続きそう。
〇輸入材にスギ製材が入り込む余地が出てきたが、無垢材では求められる芯持ち材、乾燥材の供給に限界。そこにLVLが入り込んで、市民権を獲得しつつある。
〇新型コロナ禍において、バイオマス発電向けの需要が木材需給の引き締めに貢献したともいえるが、B材、バイオマス発電用材が国産材価格をリードし始めたとも見える。
〇出材状況は基本的に一時期よりも回復しているが、地域によって状況が異なる。雪が降った地域等では原木不足が続いており、天候に恵まれた地域では需給のバランスが取れた状況。春になれば、徐々に供給量も増えてくる見込み。
〇国有林の供給調整については、加工の立場からみると、昨年のスタート時は非常にうまくいった。ただ、秋口に原木が不足した際に供給調整を解除してもよかったのではないか。需要とのタイミングのずれをどう解消するかが課題。
〇流通の立場からすると、安定供給は安定需要とセット。川上、川中のお互いが考えないと、山側はますます伐らない状況になってくる。
〇供給の立場からすると、当地域では、大規模工場の新設、バイオマス発電用需要の拡大、既存の製材工場への供給等、木材需要が拡大してきたが、これまで原木不足を起こしたことはない。素材生産業者の生産能力はすでにあるが、天候によって2~3日で出せといわれても出せない。
〇工場が原木不足の一方で、港からは中国向けの丸太が輸出されている。アメリカ、カナダ、ロシア、マレーシアも木材供給は自国優先。丸太輸出を否定しないが、国内に需要がある時には国内需要を優先できないか。
〇出材した原木は受け入れて欲しい。価格が上がれば量も出てくる。価格と量の安定を。
〇素材生産業者は、丸太輸出の過熱についても、このような状況はいつまでも続かないと考えている。むしろ、安定した需要が重要と考え、市場が出せと言っても急いで出すようなことはなくなった。
〇丸太のグレーティングをしっかりしないと需給でお互いのマッチングができない。
〇中国への丸太輸出については、これまでと違い売れなかった元木を買っていく動きが見られるようになった。
〇フェンス材、2×4材等に向け、採材の工夫でメートル単位ではなくフィート単位で採材できないか。2.4mにすれば、梱包材としても喜ばれるし、トラックに横積みできる。輸入材との価格競争力をつけるべき。
〇山側は2.4m、5mと突然要求されても対応できない。スタンションの数、荷台の長さなど色々とある。安定した需要を背景として、素材生産業者を輸出用素材生産専業にしていく必要があるかもしれない。
〇輸出用の採材については、長い目で見ると必要であるが、市場流通では3m材、4m材でもバランスを崩すことがあるので、更に種類が増えると直送が必須になるのではないか。

お問合せ先

国有林野部業務課

担当者:供給企画班
代表:03-3502-8111(内線6306)
ダイヤルイン:03-3593-1675