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林野庁

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森林による二酸化炭素吸収量の算定方法について

1.趣旨

2021年10月に改訂された地球温暖化対策計画(令和3年10月22日閣議決定)においては、森林によるCO2吸収量について、健全な森林の整備等の森林吸収源対策に取り組むことにより、2030年度に約3,800万t-CO2(2013年度総排出量比2.7%に相当)の森林吸収量を確保する目標が掲げられるなど、森林の有するCO2吸収機能の一層の発揮が求められています。このためには、地球温暖化対策における森林整備等の重要性について国民理解の醸成を図ることが重要と考えられます。

従前から、民有林における森林整備に係る協定、国有林の分収林事業等の枠組の下、全国各地において民間企業や地方公共団体等(以下「企業等」という。)による国民参加による森林づくり活動が行われているところです。今後、企業等による森林整備の取組を一層推進していくためには、消費者やステークホルダー等に対してその取組の意義や効果を訴求することが重要であると考えられます。このため、これまで林野庁において、森林によるCO2吸収量の算定に係る支援などの取組を行ってきたところですが、その一助ともなるよう、今回、一覧性をもって改めて算定方法の周知を図ることとします。

2.森林によるCO2吸収量等の算定方法

 以下に示す算定方法は、森林づくり活動に取り組む企業等が、植栽、下刈り、除伐、間伐などの適切な施業(以下「再造林・保育」という。)を行った森林において、その効果の一つである森林によるCO2の吸収量等を自ら算定・公表しようとする場合における標準的な計算方法を示すものです。この算定・公表が、消費者やステークホルダー等に訴求する一助ともなると考えています。

1年間に森林が吸収するCO2量の簡便な算定方法

1haの森林(樹木)が1年間に吸収するCO2量を下記計算式により算定します。

森林1ha当たりの年間CO2吸収量(t-CO2/年・ha) = 森林1ha当たりの年間幹成長量(m3/年・ha) × 拡大係数 × (1+地下部比率) × 容積密度(t/m3) × 炭素含有率 × CO2換算係数

<計算因子>
〇 森林1ha当たりの年間幹成長量:樹木の幹の部分が1年間で成長する1ha当たりの体積(材積)
(算定対象森林の齢級とその1つ上の齢級の1ha当たりの材積の差を1齢級の年数(5年)で除し、算出。)
〇 拡大係数:枝部分の容積を付加するための係数
〇 地下部比率:樹木の地上部(幹+枝)の容積に対する根の容積の割合
〇 容積密度:木材の容積を重量に変換する係数
〇 炭素含有率:木材の重量1トン当たりの炭素含有量を示す割合
〇 CO2換算係数:炭素量を二酸化炭素量へ変換する係数(44/12)
 
上記計算式による計算は、以下のページで公開している計算シートに、対象森林に係る樹種や森林面積等の必要な情報を入力することにより行うことが可能です。

二酸化炭素の吸収・固定量「見える化」計算シート

カーボンニュートラルに対する近年の関心の高まりにより、以下のとおり計算シートの利用者も増加しています。

 参考:計算シートのダウンロード件数の推移
 (2016年度~2022年度)
   参考:森づくり用計算シートの
ダウンロード者属性内訳
 (2016年度~2022年度)
 
    
※建築物用については、2021年10月から新しいガイドラインと計算シートを公表しているため(建築物に利用した木材に係る炭素貯蔵量の表示に関するガイドライン:林野庁 (maff.go.jp))、上記グラフでは2021年9月までのダウンロード件数を反映。
※ダウンロード時に入力された属性情報を元に、林野庁にて日本標準産業分類(大分類)による集計を行ったもの。  



再造林・保育を行うことにより森林に吸収されるCO2量の増加分の算定方法(人工林を育成する場合と育成しない場合の比較による算定)

我が国の森林吸収量を確保していく上で、伐採跡地への再造林を確実に実施していくことが重要です。伐採跡地について天然更新ではなく、再造林・保育を行い、人工林を育成した場合の効果を評価したい場合は、下記計算式により再造林・保育によるCO2吸収量の増加分を算定します。

再造林・保育を行うことにより当該森林に吸収されるCO2量の増加分(t-CO2) = 再造林・保育を行う場合と行わない場合の森林の見込み蓄積量の差(m3) × 拡大係数 × (1+地下部比率) × 容積密度(t/m3) × 炭素含有率 × CO2換算係数

<計算因子>
〇 再造林・保育を行う場合と行わない場合の森林の見込み蓄積量の差:算定対象期間における再造林・保育を行う場合と行わない場合の見込み成長量(材積)の差
〇 拡大係数:枝部分の容積を付加するための係数
〇 地下部比率:樹木の地上部(幹+枝)の容積に対する根の容積の割合
〇 容積密度:木材の容積を重量に変換する係数
〇 炭素含有率:木材の重量1トン当たりの炭素含有量を示す割合
〇 CO2換算係数:炭素量を二酸化炭素量へ変換する係数(44/12)

森林の育成により保持される土壌炭素量(CO2換算)の算定方法

森林の育成により保持される土壌炭素量(CO2換算)を下記計算式により算定します。

森林の育成により保持される土壌炭素量(CO2換算) (t-CO2) = 土壌平均炭素蓄積量(t-C/ha) × 森林の育成により保持される土壌量に関する係数 × 施業対象区域面積(ha) × 算定対象年数 × 土壌が流出した場合に炭素が空気中に排出される係数 × CO2換算係数

<計算因子>
〇 土壌平均炭素蓄積量:単位面積あたりの土壌の炭素蓄積量
〇 森林の育成により保持される土壌量に関する係数:0.006
(土壌炭素の測定深度(30cm)に対する森林を育成しない場合と育成する場合の浸食深の差により算定)
〇 施業対象区域面積:育成した森林の面積
〇 土壌が流出した場合に炭素が空気中に排出される係数:0.3
〇 CO2換算係数:炭素量を二酸化炭素量へ変換する係数(44/12)

長官通知

森林による二酸化炭素吸収量の算定方法について(令和3年12月27日付け3林政企第60号林野庁長官通知)(PDF : 177KB)
※上記通知において、計算シートの掲載先として外部サイトのURLを記載しておりますが、現在は林野庁HP(二酸化炭素の吸収・固定量「見える化」計算シート)に掲載しておりますので、こちらからご利用ください。

【別添資料1】民間企業の活動による二酸化炭素吸収・固定量の「見える化」実証事業 簡易な「見える化」計算シートの算出方法について(PDF : 231KB)

【別添資料2】都府県認証制度一覧(PDF : 103KB)
※最新(令和4年9月現在)の都府県認証制度はこちら(PDF : 70KB)

(参考)森林によるCO2吸収量の算定方法について(PDF : 298KB)

関連資料

【関連資料1】「企業による森林づくり・木材利用の二酸化炭素吸収・固定量の『見える化』ガイドライン」(PDF : 2,491KB)

【関連資料2】「法人等の森林及び企業等が緑化憲章を定めて行う分収造林における環境貢献度評価の実施及び模範的な体験活動の取組に対する感謝状の贈呈について」(平成15年5月27日付け15林国業第36号林野庁長官通達)(PDF : 303KB)

【関連資料3】「林野公共事業における事業評価マニュアル」(「林野公共事業における事業評価の手法について」(平成14年3月26日付け13林整計第541号林野庁森林整備部計画課長通知))(PDF : 4,155KB)

お問合せ先

〇 全般について
林政部企画課
担当:企画第1班
代表:03-3502-8111(内線6063)

〇 別添資料1、2、関連資料1について
森林整備部森林利用課
担当:森林吸収源企画班、森林吸収源推進班
代表:03-3502-8111(内線6213)

〇 関連資料2について
国有林野部業務課国有林野管理室
担当:分収林班
代表:03-3502-8111(内線6312)

〇 関連資料3について
森林整備部計画課施工企画調整室
担当:設計基準班
代表:03-3502-8111(内線6147)

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