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林野庁

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第1部 森林及び林業の動向 はじめに


はじめに

森林は、国土の保全、水源のかん養、地球温暖化の防止、木材の生産等の多面的機能を持つ。近年、台風による大きな山地災害、風害等、極めて大規模な災害が頻発しており、森林の有する山地災害防止機能により人々の生活を守ることの重要性が増している。この機能を持続的に発揮させるためにも、森林を適切に整備・保全し、健全な森林を維持することが必要となっている。

また、我が国の森林は、これまでの先人の努力等により、戦後造林された人工林を中心に蓄積量が増加している。この豊富な森林資源を「って、使って、植える」という形で循環利用することを通じ、林業の成長産業化と森林の適切な管理を両立していくことが求められている。

この両立のため、林野庁は、施業の集約化、意欲と能力のある林業経営者の育成、木材の安定供給の確保、効率的なサプライチェーンの構築、これまで木材があまり使われてこなかった中高層建築物の木造化・木質化、高付加価値木材製品の輸出等、川上から川下までの取組に対して総合的な支援を進めている。また、労働人口が減少する中、林業を若者にとって魅力のある選ばれる産業にしていくため、生産性の向上や労働安全対策の強化に向け、スマート林業の推進や自動化機械の開発、セルロースナノファイバーや改質リグニンといった木質系新素材の開発等の「林業イノベーション」に取り組んでいる。

さらに、令和元(2019)年度には、森林経営管理制度の運用と森林環境譲与税の譲与が始まった。これにより、市町村や都道府県が森林環境譲与税を、間伐や人材育成、木材利用等に活用することで、森林の整備を一層推進することが期待される。

本年度報告する「森林及び林業の動向」は、こうした動きも踏まえ、この一年間における森林・林業の動向や主要施策への取組状況を中心に、森林・林業に対する国民の皆様の関心と理解を深めていただくことを狙いとして作成した。

冒頭の特集では、「持続可能な開発目標(SDGs)に貢献する森林・林業・木材産業」をテーマに、我が国におけるSDGsと森林・林業・木材産業の関係性を整理しつつ、様々な経済主体において広がりつつある林業・木材関係者との協働の動きを、企業に対するアンケート結果も含め、広く紹介するとともに、関係者の今後の課題・役割について記述した。

令和元(2019)年度の動きを紹介するトピックスにおいては、「森林経営管理制度、森林環境譲与税のスタート及び国有林野管理経営法の改正」、「東京オリンピック・パラリンピック競技会場等における木材利用」、「中高層建築物等の木造化・木質化に向けた動き」、「スマート林業のフル活用を始めとした「林業イノベーション」の推進」、「令和元年房総半島台風、令和元年東日本台風による森林被害や山地災害等への対応」等を紹介した。

第1章以降の各章においては、森林の整備・保全、林業と山村(中山間地域)、木材需給・利用と木材産業、国有林野の管理経営、東日本大震災からの復興について主な動向を記述した。



お問合せ先

林政部企画課

担当者:年次報告班
代表:03-3502-8111(内線6061)
ダイヤルイン:03-6744-2219

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