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林野庁

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第1部 第5章 第2節 原子力災害からの復興(3)

(3)樹皮やほだ木等の廃棄物の処理

木材加工の工程で発生する樹皮(バーク)は、ボイラー等の燃料、堆肥、家畜の敷料等として利用されてきた。しかしながら、樹皮(バーク)を含む木くずの燃焼により、高濃度の放射性物質を含む灰が生成される事例が報告されたことなどから、樹皮(バーク)の利用が進まなくなり、製材工場等に滞留する状況が続いていた。林野庁では、滞留している樹皮(バーク)について、平成25(2013)年度から廃棄物処理施設での処理を支援しており、樹皮(バーク)の滞留量は、ピーク時である平成25(2013)年8月の8.4万トンから、令和元(2019)年11月には2千トンへと減少した。

また、今後の樹皮(バーク)の発生量の増加に対応するため、農業用敷料やマルチ材等の新たな利用方法の開発など、利用拡大に向けた実証が進められている。

加えて、「当面の指標値」を超えたため使用できなくなったほだ木等についても、ほだ木等の一時保管等の経費に対して支援しているほか、平成27(2015)年度からは、焼却施設において、放射性物質濃度の測定を行うことで安全性を確認しながら、ほだ木等の処理が進められている。

コラム 樹皮(バーク)の有効利用の推進

木材の加工段階で発生する樹皮(バーク)については、燃料や畜産敷料等に有効利用されてきたところであるが、東京電力福島第一原子力発電所の事故による放射性物質汚染への懸念により利用が減少した。現在、福島県において、樹皮(バーク)の利用は少しずつ回復傾向にあるものの、発生量全体の3~4割程度と低位で、その大半は廃棄物処理せざるを得ない状況である。

一方、福島県内の木材生産は増加傾向で推移しており、新たな木材加工施設の整備計画もあることから、樹皮(バーク)の発生の更なる増加が予測され、その処理が大きな課題となっている。

そこで、森林資源の有効利用や廃棄物処理の減少の観点から、以前のように有効利用の回復を図るため、福島県木材協同組合連合会では、樹皮(バーク)の新たな分野への利用方法の開拓を進めている。

具体的には、放射性物質濃度が基準の厳しい一般食品の指標値以下である樹皮(バーク)について、ブルーべリー栽培における根の乾燥防止などのためのマルチ材として使用したり、樹皮(バーク)にセメント等を加え、太陽光発電パネル下の防草資材として使用したりして、その効果、土壌や果実への放射性物質の移行の状況、施工地の空間線量率の経過など環境への影響等について実証した。

その結果、放射性物質の土壌や果実への影響は確認されなかった。また、根の乾燥防止や除草効果等についても一定の効果を確認できた。

今後は、課題であるコスト面への対応や新たな分野への活用の開拓など、引き続き樹皮(バーク)の利活用の推進を行うこととしている。



お問合せ先

林政部企画課

担当者:年次報告班
代表:03-3502-8111(内線6061)
ダイヤルイン:03-6744-2219

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