国連森林フォーラム(UNFF)
国連では地球サミット後も継続的に世界の森林に関する議論が⾏われてきており、「森林に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Forests, IPF)」(1995-1997)、「森林に関する政府間フォーラム(Intergovernmental Forum on Forests)」(1997-2000)を経て、現在は「国連森林フォーラム(United Nations Forum on Forests, UNFF)」が対話の場となっています。この森林フォーラムは2000年に経済社会理事会の下に設置されました。
2007年の第7回会合(UNFF7)では、世界の持続可能な森林経営の達成に向けて、各国や国際社会が取り組むべき事項を盛り込んだ⽂書である「全てのタイプの森林に関する法的拘束⼒を伴わない⽂書(Non-legally Binding Instrument on All Types of Forests, NLBI)」が合意されました。
全てのタイプの森林に関する法的拘束力を伴わない文書(NLBI)(英文サイト)、
NLBIの概要(仮訳)(PDF : 263KB)
2009年の第8回会合では、NLBIの実施状況に関する意⾒交換などが⾏われましたが、途上国側は、持続可能な森林経営に取り組むためには、先進国側からの⽀援の拡充が必要との⽴場であり、資⾦に関する専⾨家会合の設⽴が決定しました(2010年9⽉、ケニアにて第1回会合開催)。
2011年の第9回会合では、NLBIの実施状況の評価と課題、資⾦・技術協⼒等の持続可能な森林経営のあり⽅について検討が⾏われました。NLBIを実施するための資⾦メカニズムのあり⽅については、2012年3⽉までに各国が意⾒を提出し、とりまとめることなどが合意されました。
2011年は、国連総会の決議に基づく「国際森林年(International Year of Forests 2011)」でした。我が国においても、テーマ「⼈々のための森林(Forests for People)」の下、国際森林年に関連した活動が⾏われました。
2013年の第10回会合では、NLBIの実施状況の評価、資⾦・技術協⼒、森林と経済開発等に関する検討が⾏われました。これに加え、2015年開催のUNFF11に向けた会期間活動について議論し、森林条約の必要性等に関する専⾨会会合の開催等を含むロードマップが合意されました。
2015年の第11回会合では、これまでのUNFFの取組状況の評価、NLBIの有効性の検証等を⾏った上で、UNFF11閣僚宣⾔「我々の求める2015年以降の森林に関する国際的な枠組(International Arrangement on "The Forests We Want: beyond 2015")」及びUNFF11決議「2015年以降の森林に関する国際的な枠組(International Arrangement on Forests beyond 2015, IAF2015)」が採択されました。決議では、2030年までの戦略計画等を策定し実施状況をレビューすることや、これまでの促進プロセス(途上国の資⾦動員⽀援)を「世界森林資⾦促進ネットワーク(Global Forest Financing Facilitation Network, GFFFN)」に改称し、既存の資⾦や新たな資⾦メカニズムへのアクセス向上を促進することなどが合意されました。
なお、2015年9⽉に、国連持続可能な開発サミットが国連本部(ニューヨーク)で開催され、「我々の世界を変⾰する︓持続可能な開発のための2030アジェンダ(2030アジェンダ)」が採択されました。2030アジェンダでは、17の⽬標と169のターゲットからなる「国連の持続可能な開発⽬標(SDGs)」が定められています。森林は、ターゲット15.2において「2020年までに、あらゆる種類の森林の持続可能な経営の実施を促進し、森林減少を阻⽌し、劣化した森林を回復し、世界全体で新規植林及び再植林を⼤幅に増加させる。」⽬標が掲げられているほか、その他多くのゴール及びターゲットに関係しています。
2017年1⽉のUNFF特別会合では、「国連森林戦略計画2017-2030(United Nations Strategic Plan for Forests 2017-2030, UNSPF)」及び「4ヶ年作業計画2017-2020(Quadrennial Programme of Work, 4POW)」が採択されました。 UNSPFにおいては、2030年までに国際社会が達成すべき⽬標として、6の世界森林⽬標及び関連する26のターゲットが掲げられており、各国はその達成状況を評価した報告書を定期的に報告していくことが求められています。
「国連森林戦略計画2017-2030」及び「4ケ年作業計画2017-2020」(英語)(PDF : 453KB)
国連森林戦略計画2017-2030(仮訳)(PDF : 475KB)
2017年の第12回会合(UNFF12)では、貧困削減、ジェンダーの公平、⾷料安全保障等の議題に関し、森林セクターが果たすべき貢献のあり⽅について幅広い議論が⾏われました。また、次回会合において、2018年の持続可能な開発に関するハイレベル政治フォーラム(High Level Political Forum on Sustainable Development, HLPF)会合へのインプットをまとめることが決定されました。
2018年の第13回会合(UNFF13)では、森林と関わりの深いSDGs(SDG15を含む6つのSDGs)の達成に向けた森林が果たしうる貢献について、2018年のHLPF会合へのインプットをとりまとめました。また、UNSPF及び 4POWに基づいて、IAF2015やUNSPFの内容を実施していく体制について議論され、GFFFNの運営ガイドラインが採択されたほか、UNFFの国別報告様式が決定され2019年11⽉中旬までに同報告様式による報告を提出することとされました。
2022年の第17回会合(UNFF17)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の状況を踏まえて、国連本部における対⾯⽅式とオンライン⽅式を併⽤したハイブリッド⽅式で開催され、森林分野の取組に関する知⾒やその実施における政策的な課題について話し合われました。具体的には、2024年に予定しているIAF2015の中間レビューのための準備、GFFFNに関連する途上国の資⾦へのアクセスを⽀援する森林分野の基⾦データベース、UNSPFの実施に係る各国の取組等が議論されました。
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