まとめ
ヘリコプター集材による林分に与える影響について、材積的にはこの20年間で伐採前のレベルに回復、又は回復しつつあることがわかりました。
しかし、その内容については観察区の樹種や径級構成により異なる推移を示していました。
今回のような単木伐採で集材路を付けない搬出方法は、森林に与える影響が小さい、すなわち林内の光環境の変化が小さいということを意味しており、更新においては陰樹に有利に働くと思われ、実際2号区ではそのような傾向が見られました。
仮に今後同様の施業を行う場合は、誘導すべき林分をイメージした上で、樹種構成などを考慮し実施することが望ましいと思われます。
調査した3つの観察区は三者三様の林況でしたが、この20年間でそれぞれ特徴的な推移を示していました。択伐により生じた変化は小中径木を中心とした成長によりまだ継続しており、今後も林分変化の推移について観察する必要があると感じています。

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