この講義は、フォレスターの役割には林業における安全な職場環境の構築支援も含まれていることから、演習を通じてリスクアセスメントの進め方のポイントを理解し、労働安全衛生の指導能力の向上を図ることを目的にカリキュラムに組み込まれています。

講師は、栗山労働安全・労働衛生コンサルタント事務所の栗山所長に担当していただき、林業における労働安全の重要性、リスクアセスメントの基本とフォレスターに求められる役割などについて講義をしていただきました。

 

林業の労働災害は近年やや増加傾向にあり、また、他の産業と比べて極めて高い発生率となっており、その防止対策が急務となっています。

その中で、危険を読み、災害の芽を摘み、”災害ゼロ”から”危険ゼロ”を目標に「リスクアセスメント」という手法が効果的であることなどについての説明がありました。

 

リスクアセスメントのねらいは、作業現場で労働災害の発生しそうな危険なところを前もって全般的に洗い出し、事前にどれくらい危ないかを体系的に評価し、その評価に従ってきちんと対策を実施することです。

他の産業ではすでにこの方法が導入され、労働災害防止に効果を上げており、林業においてもこの導入が課題となっています。

 

演習では、作業写真を題材に、その中に潜む危険要因をチェックリストに書き出し、災害を未然に防ぐための対策を検討しました。

 

検討、とりまとめが終わると、班毎に発表を行い、講師からの講評を受けるとともに、質疑応答を行い、リスクアセスメントを用いた労働安全対策に理解を深めました。

この講義は、木材の流通・販売に第一線で携わる講師から、木材の用途、価格、必要とされる原木の条件等、木材の流通・販売に関する最新情報を直接聞くことを通じ、木材需要を考慮に入れた素材生産や森林施業の戦略を策定するための情報収集、分析、立案能力を養うことが目的です。

 

講師は、物林株式会社 北海道建設資材部の金川部長に担当していただきました。

 

講師の金川氏は、ハウスメーカー向け木材建材販売、国産材原木・製材品の流通、外国産材の輸入販売などに長年携わっており、講義では木材産業の現状、北海道産木材の用途、木材価格の考察、木材流通の実態、地産地消木材の実態と安定供給などについて豊富な知識と情報をユーモアを交えて講義していただきました。

普段なかなか聞くことができない話題に研修生も興味津々。たくさんの質問が出される中、一つ一つ丁寧に答えていただきました。

 

3講目以降は、フォレスターとして生産目標に向けて、効率的な路網計画・作業システムの選択・運用について指導できる能力を高めることを目的に間伐実行監理演習を行いました。

 

講師は林野庁の小原政策情報分析官が担当し、（かつて造林した木々を伐って）「利用するステージ」に移行した林業を、産業として再生するために必要となる、集約化による事業ロットの拡大、担い手の育成を進めるために必要となる知識、考え方についての講義を行いました。

続いて講義に基づくグループ討論を進めるために、各班毎に下記の検討テーマが与えられました。

• 効率的な 路網の整備
• 作業システムの改善
• 担い手の育成
• 間伐材の販売方法
  

研修生のみなさんは、これらについて検討し、とりまとめ、明日のグループ発表とディスカッションに臨みます。

 

プロセスマネージャーから、グループワーキングの留意点について説明が終わると、演習スタートです。

 

各班には講師がサポートに入り、ＫＪ法を用いて検討を進めました。 

 

班内で出された意見は、書記役がどんどんカードに書き、貼りだして行きました。

 

そして、議論を重ねながらカードの内容を系統立てて整理していきます。

 

そして玉石混合だった意見をブラッシュアップ。

この後も、取りまとめと発表準備で真剣な議論が続きました。

明日はいよいよ第1週の最終日。どんな発表が行われるのか楽しみです。