根釧東部森林管理署は我が国最東端に位置する森林管理署で、知床半島の南面側から根室半島まで、根室振興局管内の1市4町(根室市、別海町、中標津町、標津町、羅臼町)が管轄区域となっており、区域面積(34万4千ha)の約半分(16万9千ha)は森林となっています。
そのうち国有林面積は10万8千haであり、区域面積の約3割、森林面積の約6割を占めています。
管内の国有林は主に、根室半島及び知床半島から摩周湖に連なる山岳林と、平地の生活圏に網の目のように張り巡らされた格子状の防風林から成っています。
知床世界自然遺産を管理

知床最大の湖・羅臼湖と羅臼岳
知床半島は貴重な生態系が評価され、「世界自然遺産」に登録されています。
遺産地域の陸域のほとんどは国有林が占めており、また「知床国立公園」にも指定されていることから、環境省等の様々な関係機関と連携しながら、この貴重な自然環境を保全していくために活動しています。
暮らしを守る広大な格子状防風林

管内には広大な防風林があり、その面積は1万5千haに及びます。そのうち6割に当たる9千haが国有林です。
これらの防風林は保安林に指定され、地域住民の生活や農地を強風・濃霧・吹雪から守っています。
防風林の大半はカラマツやトドマツ人工林で、その防風効果を最大限に発揮させるとともに、木材の生産も行なっています。
また、「根釧団地の格子状防風林」として「北海道遺産」にも選定されています。
希少な動植物とその生息環境を守り育てる
管内の森林には希少な動植物の生息・生育地となっているものが多く、天然記念物であるシマフクロウ、オジロワシが生息し、また高層湿原となっている根室市の落石岬ではサカイツツジが生育しています。
また、立ち枯れたトドマツ林が広がる景勝地「トドワラ」があり、水鳥の生息地として知られる野付半島は「ラムサール条約登録湿地」になっています。
希少動物生息地においては巡視活動や巣箱の設置、河川工作物の改良などを通じて、その保護・増殖に努めています。

国内希少野生動植物種シマフクロウの幼鳥
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