北海道の東南部に位置する釧路地域には、8つの市町村（釧路市、厚岸町、釧路町、標茶町、白糠町、弟子屈町、浜中町、鶴居村）があり、約39万ヘクタールの広大な森林（国有林約18．2万ヘクタール、民有林約20．9万ヘクタール）が広がっています。

その中には、阿寒国立公園、釧路湿原国立公園、厚岸道立自然公園等に指定された貴重な森林が多数存します。

市町村は地域の森林づくりのマスタープランとして「市町村森林整備計画」（※1）を5年毎に自ら作成し、民有林の所有者等はこの計画を指針として、「森林経営計画」（※2）を作成します。

このことからも市町村森林整備計画の策定は、地域の森林の将来を左右する大変重要な作業です。

私は国有林の「准フォレスター」として「市町村森林整備計画検討作業チーム」（以下＝「作業チーム」）に参加させていただき、地域の皆さんと一緒に策定に関わらせていただきました。  

※1．地域森林計画の対象となる民有林における10年間の計画として、森林関連施策の方向や森林所有者が行う伐採や造林等の森林施業に関する指針等を定めるもの。

※2．持続的な森林経営を図るために森林所有者等が向こう5年間の自らの森林施業（森林づくりの作業）について立てるもの。 

平成23年度、釧路地域では、各市町村が主体となり8つの作業チームが設置されました。

私はこのうち、釧路市、白糠町、釧路町、厚岸町、標茶町、弟子屈町の6つの作業チームに参加させていただきました。

各作業チームは釧路総合振興局林務課、同森林室、森林組合、森林施業プランナー、森林管理署、地元木材業者等で構成され、それぞれの知識・技術を持ち寄り、計画策定に向けた作業を行いました。

この中で私は、今までの国有林での職務で培ってきた知識と技術を活かし、民有林と隣接する国有林での森林づくり作業の情報提供や調整などのお手伝いをさせていただきました。

平成23年度は、国有林の准フォレスターとして初めてこのような場に参加し、普段の国有林の中での業務ではできない色々な経験をさせていただきました。

民有林には文字通りたくさんの所有者がおり、各地域における歴史的なものや公益的な役割等を理解し、また色々な利害関係にも配意が必要です。

また、民有林の森林づくりには補助制度を活用することがあります。私たち国有林の職員は普段この制度に関わってきたことがありませんので、民有林関係者のみなさんといろいろな話し合いをしていく上ではこういった制度の勉強が欠かせません。

まだまだ学んでいかなければならないことが沢山ありますが、准フォレスターとしての知識、技能を高めながら民有林の森林整備に貢献して行くことができればと思っています。