第1回「知床の森林づくりに関する協議会」の概要について
プレスリリース
平成19年8月28日
北海道森林管理局
第1回「知床の森林づくりに関する協議会」の概要について
第1回「知床の森林づくりに関する協議会」が開催されましたので、その概要についてお知らせします。
1.日時、場所
平成19年7月13日(金曜日)午後2時~午後4時
北海道森林管理局知床森林センター(斜里町)
2.出席者(五十音順敬称略)
<委員>
秋山 英敏 セブン-イレブンみどりの基金理事
今井 鉄男 ウトロ漁業協同組合代表理事組合長(代理出席 野澤 敏雄 総務部長)
上野 洋司 知床斜里町観光協会会長
楓 千里 (株)JTBパブリッシング法人事業部部長
菅野 光洋 北海道旅客鉄道(株)開発事業本部副本部長
黒瀧 秀久 東京農業大学教授 オホーツク実学センター長
鈴木 順策 オホーツクみどりネットワーク代表
鈴木 幸夫 朝日新聞北海道支社広告チーム マネージャ
辻井 達一 (財)北海道環境財団理事長
辻中 義一 知床羅臼町観光協会会長
中川 元 斜里町立知床博物館館長
丹羽 祐而 (株)丹羽企画研究所代表取締役
坂東 元 旭川市旭山動物園副園長
村田 均 斜里町長(代理出席 川副 秀樹 副町長)
森 信也 (財)知床財団理事長(代理出席 岡田 秀明 事務局次長)
森本 全 (株)ANA総合研究所主席研究員部長
脇 紀美夫 羅臼町長
<オブザーバー>
長田 啓 環境省釧路自然環境事務所 国立公園企画官
巻口 公治 北海道網走支庁 産業振興部長
3.委員からの主な意見
【事業の対象エリアの考え方について】
- 核心区域、あるいは緩衝区域にあたる部分も含めて里に近いなど利用しやすい部分を主に考えてはどうか。
- 世界自然遺産に指定されているエリアは、専門家や関係者による議論がなされているため、今回の事業は、周辺エリアに重点をおいて検討してはどうか。
【国民参加の森林づくりについての考え方】
- 今回の協議会は、事業を行った箇所の森林計画等への反映を検討するためのものなのか、考え方を示してほしい。
- 地元は漁業が主体であり、自分たちの水産資源を守るためにも森や川を守らなければならないという意識が芽生えている。森林や自然を守る活動を地域の暮らしとどのように結び付けていくかを考えていきたい。
- 世界自然遺産のすばらしさを感じてもらうことで初めて「守りたい」という意識が芽生えるため、そのすばらしさをどのように伝えればよいかを検討する必要がある。
- 来訪者の増加による問題やエゾジカ対策など現場における課題は多いが、社会全体でどのようにサポートし、具体的に何ができるかを検討する必要がある。道内だけでなく日本全体に向けた仕掛けを構築し、北海道全体でアピールしていくことが求められる。
- 事業の目的としてエゾジカ被害など知床を取り巻く様々な問題を一般の方々に伝え、知ってもらうことが重要ではないか。
- 観光客の動向やニーズに応じて、様々な体験活動のアイデアが出てくることはよいことだが、何でもありではなく、地域から見て良くないこと、受け入れられないことについては、はっきり「NO」と示していくことも大事。
【協議会の位置づけ・進め方について】
- この協議会の到達目標、具体的に何をどのように進めていくのかを明確にすべき。
- 100平方メートル運動やエゾジカ対策等のこれまで積み上げてきた議論や既存の取組との調整、あるいは協働による事業の進め方についての考え方を整理する必要がある。
- まずは既存の枠組みで合意されている点を認識し、それに対してプラスアルファになるかたちで進めてはどうか。場合によっては、既存の枠組みの中で課題として残されたことが、国民参加の森林づくりによって解決できることもあるのではないか。
- 各方面の専門の方々の取り組みを線でつなぎ、そこから知床の真の価値を知り国民レベルで共有し、守っていく枠組みを作ることを目的とし、そのための協議会でいいのではないか。
- 様々なアイデア、取組を具体化するには、行政だけでは対応できない部分があり、地域との関わりが重要。地域に受け入れられるかといった視点も踏まえて進めるべき。
- 地元に対しては、様々なかたちで応援をいただいているが、その応援が紙一重でマイナスの面をもっている場合がある。このため、ある一面だけをみた貢献活動ではなく、その裏にあるマイナス面についても配慮した上で、ルールやしくみづくりをするべき。
【森林づくりのアイデア、方向性について】
- 魚を寄せるための「魚つき林」としての森林づくりは日本特有と思われるため、このような取組をもっと国内外に発信してもよいのではないか。
- 知床には特殊な種を含めた多くの峨が生息しているため、昆虫をテーマに森林を取り巻く生態系のつながりに関するアプローチがあってもよいのではないか。
- 昔は薪をつくるために山に入るなど生活の中で自然を学ぶことができたが、現在ではそういった機会がほとんどない。子ども達の生活の中で自然の大切さが染みわたるような活動が重要ではないか。
【旅行に関する情報について】
- 修学旅行は体験型に変わってきており、道内では特にニセコエリアで体験型が活発化している。このような先行地域での実態を把握してみてはどうか。
- 最近は、早朝から散歩したい、地元の方と交流したいといった観光客が多くなってきている。早朝や夕方などの時間をうまく利用し、森を散策したり、知床の環境について学ぶなど、アイデア次第で活動の可能性が広がるのではないか。
- 羅臼町ではウニ採り体験を実験的に実施したところ大好評で、来年以降も続けることを考えている。
- 近年、旅行者が早朝に市場や魚の荷揚げを見に来ることが多くなっており、ガイド付きの観光が必要と感じている。また、観光客の来訪による自然への付加を軽減するためにも、ガイドの育成とガイド付旅行があたりまえになるようなPRが必要。
関連資料一覧
01次第、名簿、座席表、資料一覧(PDF:173KB)
02(資料1)実施要領、運営要領(PDF:78KB)
03(資料2)国民参加の森林づくり(PDF:368KB)
04(資料3)知床の森林(PDF:844KB)
05(資料4)スケジュール(PDF:94KB)
06(参考資料1から4)(PDF:1,541KB)