2-2北アルプス(黒部・五竜・針ノ木・白沢天狗)生物群集保護林【10753ha】
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日本一深い峡谷と 自然豊かな美しい景観 |
設定目的
富山県に位置する黒部峡谷は、 北アルプスの長期間にわたる隆起と侵食により、立山連峰と後立山連峰の間を流れる黒部川が形成した日本一深い峡谷です。 地形は急峻で岩崖が広範囲に出現するため、岩石急斜面植物群落、乾性及び湿性崖植物群落が分布し、山頂付近には高山風衝わい性低木群落、高山風衝草原、高山荒原草原、などが広範囲に生育しています。昭和31(1956)年9月7日に国の史跡名勝特別天然記念物に指定されています。また、立山の山崎圏谷は、その圏谷と堆石丘が北アルプスの中で立派なこと及び日本に氷河があった証拠として説明されたことから、発見者の山崎直方博士を記念して名付けられました。昭和20(1945)年2月22日には、国の史跡名勝天然記念物に指定されています。
五竜岳(2,814m)から南北の双峰を持つ鹿島槍ヶ岳(2,889m)、また、爺ヶ岳(2,670m)及び針ノ木岳(2,821m)にかけての一帯や針ノ木大雪渓は地域のシンボルとして親しまれており、高山帯の原生的な植生と相まって、北アルプス特有の特異な地形・地理を有しています。
亜高山帯から高山帯にかけての貴重な植物が豊富に分布しており、これら地域固有の貴重な森林生態系の保護・管理を図ります。
地況・林況
富山側地域立山連峰の剣岳から雄山と後立山連峰の鹿島槍ヶ岳から爺ヶ岳の間に位置します。黒部峡谷帯と後立山連峰山地に挟まれた極めて急峻な大起伏山地からなり黒部川がその間を北流しています。黒部川と山頂との比高は1,500mもあり壮年期の地形となっています。気候は日本海側の特長を示す冬季寒冷で多雪地帯となっています。 植生は、急峻な地形のため岩石急斜面植物群落、乾性及び湿性崖植物群落が分布し、亜高山帯針葉樹林となり、山頂付近には高山風衝わい性低木群落、高山風衝草原、高山荒原草原などが広範囲に生育しています。
長野側地域
五竜岳から鹿島槍ヶ岳を経て、爺ヶ岳、針ノ木岳に至る稜線の東側の高山帯及び亜高山帯上部に位置します。標高は約1,700~2,900mにあります。高山帯はハイマツ群落を形成し、雪田植生が点在します。亜高山帯上部はダケカンバ群落を形成し、一部にクロベ-ヒメコマツ群落やシラビソ-オオシラビソ群落が見られます。
法指定等
水源かん養保安林、土砂流出崩壊防備保安林、雪崩防止保安林、砂防指定地、中部山岳国立公園、特別史跡名勝天然記念物「白馬連山高山植物帯」・「黒部狭谷附猿飛ならびに奥鐘山」・「立山の山崎圏谷」、鳥獣保護区所在地
富山県 中新川郡 立山町、長野県 大町市お問合せ先
計画保全部計画課担当:生態系保全係
ダイヤルイン:026-236-2612