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中部森林管理局

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    木曽の木工品

    木曽谷住民の生活は、昔から山林と密着していました。江戸時代には、尾張藩による森林保護政策が執られましたが、木曽の森林のほとんどが「明山」と呼ばれる解放林で、住民は自由に出入りでき、日常的に必要な停止木以外の木や山菜などを自由に採取できました。また、江戸と京都を結ぶ中山道の宿場町であったため、木材を利用した伝統工芸品が発達したと考えられています。

    木曽漆器

    木曽漆器の始まりは、福島宿の八沢町でした。八沢町は、良材や環境に恵まれた城下町であったことから、約600年前に漆器生産が定着したと考えられています。この頃、すでに面桶や重箱などを生産していたようです。その後、木曽漆器は楢川村に伝わり発展を遂げ、現在は塩尻市楢川(旧楢川村)を中心として、その周辺で製造されています。6月の第1金・土・日の3日間に木曽漆器祭が行われます。200店舗もの漆器店が陳列し、毎年全国から多くの観光客が訪れます。




    南木曽ろくろ

    南木曽ろくろは、南木曽町吾妻で江戸時代から盛んに製造されてきました。ろくろ細工は、厚い板や丸太をろくろで回転させながらカンナで挽いて形を削り出す手法で、椀や盆、茶盆等の木工品を製造します。南木曽ろくろは、トチやケヤキ、センノキ、カツラ等、木目の美しい広葉樹を利用し、それぞれの木目や木質、全体の雰囲気などを観察し、木によって作る製品を決めています。



    曲物

    曲物は、塩尻市奈良井宿で生産されており、400年以上前から製造されていました。曲物とは、ヒノキやサワラなどの薄板を円形・楕円形に曲げて加工し、合わせ目を山桜の皮で綴じ、底をつけた器のことです。奈良井の曲物は、吟味された良質なヒノキやサワラを用いているため、陶器が普及した江戸時代以降も庶民に親しまれ、合成樹脂製品が広まった現在でも、天然素材で軽くて使いやすいといった長所が再認識されています。



    蘭檜笠(あららぎひのきがさ)

    檜笠は、南木曽町吾妻にある蘭(あららぎ)地区に江戸時代に伝わりました。当時は笠の需要が多く、蘭地区の主要産業となっていたようです。
    木曽ヒノキを短冊状に裁断したひでを編み組みして作られ、丸太加工の一部以外はすべて手作業で行われます。現在も、妻籠宿への観光客や御嶽山の登山客を中心に観光土産物として人気が高いです。



    お六櫛(おろくぐし)

    お六櫛は、約300年前の江戸時代から始まったと言われる、木祖村藪原宿の名産品です。
    一般的な櫛は、つげや桜、梅、椿など硬い木で作りますが、お六櫛はミネバリという木を原料としています。ミネバリはカバノキ科の落葉高木で、成長がとても遅く10年で3mm太くなると言われています。そのため、オノオレカンバ(斧折樺)とも呼ばれ、丈夫さが求められるお六櫛には最適です。



    木曽材木工芸品

    木曽五木(ヒノキ、サワラ、アスナロ、ネズコ、コウヤマキ)を素材として作られる小木工芸品の総称です。木曽材木工芸品は、約600年前に漆器のヒノキ木地を製作したのが発祥で、木曽漆器や奈良井曲物等はそこから派生したとされています。江戸時代からサワラによる桶・樽類やヒノキやコウヤマキの風呂桶、ヒノキやアスナロ等による枡・小箱・まな板のほか、木味を活かしたネズコの下駄等家庭用品を中心に幅広い製品が作られています。



    お問合せ先

    木曽森林管理署

    担当者:総括事務管理官
    ダイヤルイン:0264-52-2083
    FAX番号:0264-52-2582