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中部森林管理局

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    木曽五木

    「木曽五木」の歴史は江戸時代まで遡ります。木曽谷の森林は、江戸時代、尾張藩直轄の領地でした。木曽の木材は昔から良質で、江戸城の築城や造船、土木用材等、様々なところで利用されていました。約100年間、木曽谷の森林は大量に伐られ続けたため、木材資源が枯渇してしまいました。そこで、尾張藩は森林保護政策として「停止木制度(ちょうじぼくせいど)」を設け、ヒノキ、サワラ、アスナロ、ネズコ、コウヤマキの伐採を禁止しました。停止木制度は、ヒノキの保護を目的とし、ヒノキに外観が似て、かつ利用価値の高い樹種も禁止木に選びました。禁止木を伐採した者への罰は、「木一本、首一つ」と呼ばれるほどで、厳罰に処されました。森林保護制度によって保護された樹種は「木曽五木」と呼ばれ、現在は木曽谷の名産品となっています。 

    ヒノキ(Chamaecyparis obtusa

    ヒノキは、ヒノキ科ヒノキ属の樹種で、日本と台湾に分布しており、日本では、北限が福島県、南限が鹿児島県の屋久島です。台湾に分布するヒノキはタイワンヒノキと呼ばれ、ヒノキの変種です。最も分布が集中しているのが、長野県木曽地域から裏木曽地域(飛騨南部、東濃地域)となり、この地域に分布する天然ヒノキが「木曽ヒノキ」と呼ばれます。
    ヒノキは、真っ直ぐに伸びる性質があり、優れた耐久性や、抗菌作用もあるため、日本最古の木造建築物、法隆寺、五重の塔など、古くから重要な建築物等に使われています。特に、木曽ヒノキは、木目が緻密できれいです。
    名前は、古代に木を擦り合わせて火起こしに使われていたため、「火の木」に由来します。
    建築用材や、家具、建具、彫刻などに使用され、ヒノキの樹皮は「檜皮葺」と呼ばれる屋根の材料となります。

     ヒノキ全景    
       

    木曽谷のヒノキの大木たち

    赤沢自然休養林(上松町)

    神田八幡宮(木曽町開田)

    御嶽神社里宮の社叢(王滝村)

    サワラ(Chamaecyparis pisifera

    サワラは、ヒノキ科ヒノキ属の樹種で、日本固有種です。北限は本州岩手県で南限が九州です。
    ヒノキとよく似ており、葉の裏の気孔群で見分けることができます。沢筋や窪地によく生育し、ヒノキよりも生育は旺盛です。
    桶、樽、家具、建具類に使用され、木材をみかん割りにした、屋根材としてのこけら葺きやとち葺きも有名です。

     サワラ全景       
       

    木曽谷のサワラの大木たち

    水木沢天然林(木祖村)

    赤沢自然休養林(上松町)

    御嶽神社里宮の御神木(木曽町三岳)

    アスナロ(Thujopsis dolabrata

    アスナロは、ヒノキ科アスナロ属の常緑針葉樹で、日本固有種です。北海道南部が北限で、本州、九州の山地に分布します。
    ヒノキと似ているため「明日ヒノキになろう」という言葉が語源で、別名「ヒバ」「アスヒ」などと呼ばれます。日本三大美林の青森ヒバは、「ヒノキアスナロ」という種類で、アスナロの変種です。
    建築、土木用材や、家具、船などに利用されます。

     アスナロ全景  
     
       
     

    ネズコ(Thuja standishii

    ネズコは、ヒノキ科クロベ属の常緑針葉樹で、日本固有種です。本州中部から四国に分布し、特に中部地方以北に多く山地に自生します。
    富山県黒部地方に多いことから、別名「クロベ」「クロベスギ」などとも呼ばれます。木材は独特な香りをもち、黒褐色の光沢があります。
    建築材や船舶、家具などに利用され、木曽町日義ではネズコ下駄が特産品となっています。

     ネズコ全景  
     
       
     

    コウヤマキ(Sciadopitys verticillata)

    コウヤマキは、コウヤマキ科コウヤマキ属の常緑針葉樹で、日本及び韓国済州島の固有種です。日本では、北限が福島県で南限は宮崎県です。
    和歌山県にある高野山に多く生息していることが語源で、高野山では霊木とされています。
    観賞用として庭園などにも植えられ、山地では尾根沿いによく生育します。水に強く朽ちにくい木材のため、船や桶などに利用されます。

     コウヤマキ全景  
     
     
     

    (全景写真提供:木曽森林ふれあい推進センター)

    お問合せ先

    木曽森林管理署

    担当者:総括事務管理官
    ダイヤルイン:0264-52-2083
    FAX番号:0264-52-2582