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「令和5年度中央国有林材供給調整検討委員会」概要

更新日:令和6年2月26日

森林管理局の管轄区域を越えた緊急的な供給調整の必要性について、林業・木材産業関係者等から御知見や御意見をいただく検討会を開催。

1.日時及び場所

令和5年11月29日(水曜日)10時00分~12時00分
林野庁AB会議室

2.議題

1.木材需給動向について
2.国有林材の供給状況等について
3.令和5年度各森林管理局の供給調整検討委員会の検討結果について

3.議事概要 

【委員会の検討結果】

地域によっては原木の不足感等から原木価格が値上げに転じる動きもみられるものの、住宅着工戸数は低迷を続けており、先行きは不透明な状況が続いている。
こうしたことから、国有林においては森林管理局の管轄区域を超えた緊急的な供給調整の必要性はないが、引き続き各地域の需給動向を注視しながら、柔軟に対応する必要がある。

【主な意見】
(地域の需給状況)
〇北海道森林管理局管内では、製材・合板工場の原木在庫の適正化が進み、新材手当の切り替え時期を迎えていることから一定程度の原木需要は見込まれるものの、建材を中心に需要が少ない状況が続いている。これから例年住宅着工戸数が低位で推移する積雪期を迎えることから、価格は全体としては弱含みながら横ばいで推移すると思われる。
〇東北森林管理局管内では、夏場に原木在庫が減ったことから、需要が幾分か回復し、地域によっては荷動きや原木価格の回復傾向がみられる。
〇関東森林管理局管内では、夏場の原木価格低下により素材生産が縮小したことから、秋口になり製材工場で原木が不足し、現状において価格が高騰しているが、今後出材量の増加により落ち着いてくると思われる。
〇中部森林管理局管内では、スギを中心に市場での取扱量が減少しているが、相場は5月以降変化なく安定している。出材意欲が回復していないことから、例年のようには入荷量が増えない状況が続くと思われる。
〇近畿中国森林管理局管内では、木質バイオマス発電用材の不足感が強く、今後も継続する見込み。合板については減産が進む中で原木の不足感はないが、製品価格が下がり続ければ原木価格への影響が懸念される。
〇四国森林管理局管内では、米材の代替としてヒノキの製品需要が高まっており、原木の引き合いが強く、価格も高値で推移しているが、年明け以降の動向については不透明感が強い。
〇九州森林管理局管内では、製材工場、合板工場とも原木在庫が減少し、原木価格が上昇しているが、夏場の天候不良に加え、材価が高い時期に仕入れた山の伐採が控えられ、木質バイオマス発電向けの低質材等の伐採が多くなっていることから製材・合板向けの出材が落ち込んだままとなっており、この状況はまだしばらく続くと思われる。


(全般的な意見)
〇夏場までの原木価格の下落を受けて出材量が減少し、秋口を迎えても出材量が例年のように伸びず、地域によっては製材工場等の原木在庫の減少を受けて、原木の引き合いが強まり、価格に底打ち感が出てきている。不足感の強い地域では価格高騰もみられるが、例年よりも出材量の回復が遅れている。
〇燃料材については現状でも不足感がある中で、今後も木質バイオマス発電所の新規稼働も見込まれることから、より一層引き合いが強まることが懸念される。
〇住宅需要の落ち込みから木材製品の動きは鈍いが、非住宅向けの荷動き等は堅調に推移している。また、輸入製品は在庫の調整が進み、円安の影響もあって、価格は値上げ傾向もみられる。
〇木造住宅着工戸数の増加が見込めないなかで国産材の活用を増やすためには、平角等を外材から国産材へ置き換える等、1棟当たりの国産材利用量を増やす取組も重要と考える。
〇中国やヨーロッパにおいても木材需要は弱く、若干回復傾向もみられるものの、引き続き低位な状況が続くと思われる。
〇山側としては、合板工場等による原木の受入制限や原木価格の下落を受けて、木質バイオマス発電向けの低質材の伐採や森林整備の請負へと移っているため、製材用・合板用の原木生産量をすぐに増やすことは難しい。
〇林業機械や燃油の値上げや人件費の上昇、現場の奥地化や物流の2024年問題等、素材生産業者をとりまく状況は厳しさを増している。
〇国有林においては、木材需要の先行きが不透明な中でも地域における木材供給のベースラインとして、また素材生産事業体の経営安定のため、木材供給の過不足など地域の需給動向を踏まえつつ安定供給に取り組んでいただきたい。

お問合せ先

国有林野部業務課

担当者:供給企画班
代表:03-3502-8111(内線6306)
ダイヤルイン:03-3593-1675