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平成25年度准フォレスター研修日誌2(1)1(1) 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 准フォレスター研修2の第1回が始まりました~1日目(平成25年9月2日)
本日から、東北ブロックの准フォレスター研修2の第1回が岩手県盛岡市の「ホテルエース盛岡」において始まりました。 研修生は、准フォレスター研修1を受講した局管内5県の林業普及指導員等23名、森林管理署の森林技術指導官等3名、合計26名が参加しています。研修生は、5日間の日程で講義演習等の研修を受講します。
オリエンテーション講師紹介、スケジュール、アンケート、ふり返りシート等について確認を行いました。
研修進行:増田プロセスマネージャー 大目標の再確認
研修1後の充実度をクイックで確認しました。
研修1のふり返りパワーポイントで研修1の講義・演習等を思い出しました。
担当:東北森林管理局 片岡研修担当企画官
フォレスターの役割の再確認と研修2の全体像研修生は、研修1で学んだフォレスターの役割である「構想作成」、「合意形成」、「構想実現」について再確認するとともに、研修2では森林・林業を地域の振興につなげるビジョンを構築できる能力及びプレゼン能力と合意形成能力を習得することが目標であることを理解しました。
講師:林野庁研究指導課 崎野森林林業技術者育成対策官
森林資源循環利用構想策定演習(演習手順の説明、林業専用道の概要説明、演習対象地域の概況説明と地域の木材関連産業の状況)
本演習では、 研修1で学んだ森づくりの考え方、計画制度、路網作業システムと効率的な路網等についての情報を再確認した上で、間伐適期の人工林が太宗を占める1,000ha程度の団地を対象に、間伐の年次計画と林業専用道の配置を班毎に検討します。
【演習手順の説明】 演習の概要と進め方について説明がありました。 講師:東北森林管理局 一ノ宮企画官
【林業専用道の概要説明】 この演習のねらいは、現地実習に先立ち、1,000ha程度の団地を対象として、市町村森林整備計画を念頭に、間伐の計画と林業専用道の整備計画を大局的に検討することです。 これまでの路網整備の問題点、路網整備の課題と方向、これからの路網整備の課題等について説明がありました。 説明により、林内路網の体系及び林業専用道の役割と特徴、作業システムと路網の関係等について情報を再確認しました。
【演習対象地域の概況説明と地域の木材関連産業の状況】 演習地の地形・地質、気象及びアクセス条件等の説明と、地域の木材価格、流通組織の状況、国有林における生産販売の工夫や間伐材の収益性上の事例について説明がありました。 講師:東北森林管理局 小松企画官
森林資源循環利用構想策定演習(間伐の年次計画林業専用道の整備計画の検討)明日の現地実習の前に、机上で林業専用道配置等の検討図化及び問題点等を整理し、現地確認する箇所を決定しました。
研修2日目(平成25年9月3日)
森林資源循環利用構想策定実習(地形、地質、林況、既存の路網等現地条件の確認)
盛岡市姫神岳国有林において、森林資源循環利用構想策定の実習を行いました。
本実習のねらいは、机上演習で林業専用道の配置を検討した1,000ha程度の団地を対象地として、現地条件に応じて、地形の遠望、地質及び水系の確認、周辺の土地利用における社会条件等を観察、確認し、現地調査の方法及びポイントを習得することです。
研修生は、1000ha程度の対象地において、徒歩やバス移動しながら、
対象地の林業ビジョンを描くにあたり参考となる情報を実際に確認しました。また、土場や森林作業道の取付位置などを検討しました。
森林資源循環利用構想策定演習(林業専用道の検討、ビジョンの策定、発表準備)現地実習でゾーニングや路網を検討した対象地において、その結果を反映しつつ、10年間の間伐計画及び路網整備計画を含む総合的な森林整備の構想を策定します。
現地実習を終えて研修会場に帰着後、
の作業を行いました。
全班時間内で作業を終了しました。
研修3日目(平成25年9月4日)
森林資源循環利用構想策定演習(発表準備、発表、ディスカッション)本演習のねらいは、10年間の間伐計画及び路網整備計画を含む総合的な森林整備の構想策定を通じて、市町村森林整備計画における木材生産を中心とした団地の中長期的な森林林業の経営ビジョンを構築するための能力を高めることです。 また、コミュニケーションプレゼンテーションの講義の内容を実践し、合意形成のための効果的なプレゼンテーションと建設的な議論を行うための能力の向上を図ります。
【発表準備】
【発表ディスカッション】 本演習では、一定の広がりがある森林を対象として10年間にわたる経営ビジョンを様々な視点から検討し、とりまとめることを通じて、
<班毎に発表>
<質疑応答>
【講評】
准フォレスターの活動報告・意見交換(事例研究)この事例研究のねらいは、フォレスターの役割は、市町村森林整備計画の作成支援等以外にも、地域の資源、経営基盤等によって様々な活動があることを理解するとともに、准フォレスターを交えた質疑応答・意見交換を通じて自分なりのフォレスター像をイメージし、自ら実践する意欲の醸成を図ることにあります。
准フォレスター研修受講後、准フォレスターとしてどのような活動をしてきたか、その中で見えてきた成果、課題について県職員2名から発表してもらいました。 発表者:H23年度研修受講 岩手県県北広域振興局 松田主査
発表者: H24年度研修受講 宮城県東部振興事務所 工藤技術主査
活動報告を聞いて、
を個人ワークシートに記入した後、ペチャクチャタイムの時間を設け、班毎に個人ワークシートの1と2を中心に質問等を整理し、ペチャクチャタイム後、質疑応答を行いました。
お忙しい中、正木・國崎講師から聴講していただきました。
外部講師:岩手大学 國崎准教授 外部講師:森林総研 正木森林植生研究領域長
動報告者別に2グループに分かれて意見交換を行いました。
それぞれの進行役から意見交換の概要を発表・共有しました。
研修4日目(平成25年9月5日)
市町村森林整備計画演習(講義)本講義・演習のねらいは、研修1及び研修2の学習内容を市町村森林整備計画に落とし込むとともに、その実現に向けた取組方策について検討を行い、川上から川下を統合的に捉えてまとめていくというフォレスターとしての能力意識を醸成することです。 地域の構想として市町村森林整備計画を策定することの意義、計画の根幹となる基本方針を検討する際にもつべき視点(自然的要因、経済的要因、社会的要因)、基本方針をゾーニングへ反映させる際の留意点、構想を実行性あるものにするという視点を中心に、演習の前提となる市町村森林整備計画の基本的な考え方について説明がありました。 講師:岩手大学 岡田教授 岡田教授は、「森林・林業再生の意義」、「計画制度の歴史」や市町村森林整備計画や森林経営計画策定の重要性を説明され、理想と現実にギャップがある中で、フォレスターの役割に対する期待が大きいと講義されました。
市町村森林整備計画演習(演習説明)
林野庁 高橋訪課長補佐から、研修1全体及び研修2前半の学習内容と本演習との関係、本演習の趣旨、本演習の進め方について説明がありました。
講師:森林総研 正木森林植生研究領域長
市町村森林整備計画演習(班内共有、計画策定、発表準備)明日の発表に向けて班内で以下の作業を行いました
5班のうち、3班が時間外に作業を継続し、19時頃に全班の作業が終了しました。
研修5日目(平成25年9月6日)
市町村森林整備計画演習(発表準備、発表、ディスカッション)
発表時間、方法、質問等について説明
【発表・ディスカッション】 検討結果を論点ごとに意見発表しました。また、発表に当たっては、森林経営計画の樹立状況、間伐を実施する必要がある森林、既設基幹路網、素材生産や加工流通木材利用などの状況をどのように踏まえているのかについても発表しました。
<県ごとに発表、質疑応答>
<講評>
研修全体のふり返り研修2を終えて、新たに獲得したこと、得た知識情報、ポイントや新たに見えてきた自分自身の課題等について、ふり返りシートに整理記録しました。また、准フォレスター研修を受けて、自身の地域職場に戻った後のToDoリストの作成や調整事項等を整理しました。
目指すフォレスター像(意見交換・発表)各人が目指すフォレスター像をA4用紙に記入し、班ごとに発表しました。
閉講式准フォレスター研修1、2の全日程を終え閉講式が行われ、盛岡森林管理署 伊藤署長より、各班の代表に修了証書が授与されました。
引き続き、伊藤署長より以下のとおりご挨拶がありました。 「研修お疲れ様でした。この研修を通じて、日本の森林・林業の再生、活性化を担う人材として期待されているのが准フォレスター、そしてこれから誕生する日本型フォレスターであることを十分に理解されたことと思います。」 「ドイツやオーストリアでは、川上と川下を結びつけるキーパーソンとしてフォレスターが活躍していることも聞かれたことと思います。日本の現状では、この川上と川下との連結がうまくいっていないことが大きな問題であると考えます。戦後、主に柱材生産を目的に造林され、50年余りの歳月を経てこれらの人工林が、やがて利用期を迎えることになります。しかし、この間、木材の大きな需要先としての住宅が、和室の少ない洋風の建物に変わり、壁と見える柱から、パネルと見えない柱へ、ムクの柱や梁から集成材へと置き替わりました。これには、小径木や欠点木を普通に利用出来る技術開発が川下側で進んだことが大きな要因ですが、結果として、従来型の林業は否定されてしまいました。」 「こうした現状を打破するために、森林法が改正され、森林・林業基本計画が見直しされました。特に、施業の集約化、路網整備を進めるための森林経営計画制度とともに、市町村森林整備計画の作成過程で地域住民の合意形成を重視して森林のマスタープランとして位置付けたことで、市町村の役割が大きくなり、負担も重くなりました。このため、市町村をサポートするのが皆さんのこれからの仕事であり、とても重要な役割です。」 「地域の木材が使われ、森林施業が循環し、安定的な雇用が生まれ、地域社会の持続的な営みにつながるようにしていく必要があります。これには、公共建築物等への木材利用、木質バイオマスのエネルギー利用などの販路拡大と木材の安定供給体制の構築など川下に向けた取組とともに、集約化の推進による規模拡大、路網整備と機械化による低コスト作業システムの推進など川上での取組とが相俟って効果を創出するものと考えます。」 「東北の森林も、山村から都市近郊までバラエティに富んでおり、それぞれの市町村における森林・林業の位置付けにより、何を優先して取り組んでいくのかが違ってきます。また、川上と川下のつながりの強いところ、弱いところでは、ハードルの高さも大違いです。先ずは、皆さんの地元の事情をチェックし、問題点、課題を把握することが原点だと思います。また、地域の森林のマスタープランとしていく上で、是非とも、その周辺にある国有林との整合性、連携について念頭に置いて頂ければと思います。」 「本年4月から、国有林は一般会計の組織となり、従来からの公益的機能を重視した森林管理を一層充実させるとともに、森林・林業の再生への貢献や、山村振興への寄与、大震災からの復興への貢献が新たな使命として追加されており、民有林と国有林との連携による地域の政策課題の解決が期待されています。」 「この研修が、東北各県、国有林から参加した多くの研修生とが、お互いに知り合う切っ掛けとなり、この人的ネットワークを活用して、情報共有を図り、一緒になって課題解決に向き合っていく絶好のチャンスとして頂きたいと思います。今後は准フォレスターとして、さらに研鑽を積まれ、将来はフォレスターとしてご活躍されますことを期待して閉校式の挨拶と致します。」 最後に全員で記念撮影を行いました。研修生の皆さん、計2回、10日間の研修お疲れ様でした。准フォレスター研修関連リンク
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森林整備部技術普及課
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