地上型3Dレーザスキャナを活用した林道災害調査の効率化に向けた現地検討会の開催について
1.開催概要
近年、災害の激甚化が進んでおり、大規模災害が発生した際には、国有林・県・市町村の森林土木事業担当者が連携し、現地測量や災害申請などを迅速に行う必要があります。一方で、安全確保、作業の簡素化、労力の軽減といった課題があります。
こうした課題に対応するため、令和6年度から中長距離LiDARを用いた林道災害現場等の測量実証を重ね、今年度より国有林の災害申請にも活用を開始しました。この技術により、崩壊箇所にポールを持ち込むなどの危険な作業が不用となります。
今回の現地検討会は、スマート林業の推進と、災害時の初動対応における迅速な民国連携の基盤づくりを目的に、管内4県6ブロックで開催しました。県及び市町村の担当者に多数ご参加いただき、国有林職員を含め延べ209名が出席しました。
2.実施内容
- 技術紹介
- 地上型3Dレーザスキャナによる林道災害箇所の計測
- 国有林林道の災害申請時における活用事例
- ICT機器を用いた測量体験
- 地上型3Dレーザスキャナを用いた三次元データ取得
- データ解析による地盤データ、断面図の取得
- 意見交換
- 導入における課題(コスト、操作性、データ処理)
データ解析の様子
ICT機器の操作
3.成果
- ICT機器の操作性や精度を現場で確認し、参加者の理解が深まった。
- 災害対応におけるデータ共有の重要性を再認識。
- 導入に向けた具体的な質問や意見が寄せられた。
4.今後の展望
- 各ブロックでの検討結果を踏まえ、ICT活用マニュアルの整備を進める。
- データ処理・解析の研修機会を拡充し、現場での活用を促進する
- 他のアプリケーションでのデータ活用術(今後検証し共有予定)
ICT技術は、林業の未来を変えるだけでなく、災害時の迅速な対応を可能にする鍵でもあります。今回の現地検討会が、そのための確かな一歩となることを期待しています。
お問合せ先
森林整備部 森林整備課
088-821-2200




