国有林の誕生から四国森林管理局となるまでの歴史
四国森林管理局のあゆみ
平成11年3月、永く親しまれてきました「高知営林局」の歴史に幕を閉じ、 新たに「四国森林管理局」として生まれ変わりました。
ここでは国有林の誕生から四国森林管理局となるまでの歴史をご紹介します。
四国森林管理局開庁式での除幕式
国有林の前身
現在の国有林の起源は遠く江戸時代までさかのぼり、当時の土佐藩などが所有していた藩有林が現在の国有林の前身といえます。特に土佐藩では木材資源を保護育成するために樹木の伐採を一切禁じた「留山」(とめやま)と呼ばれる制度があり、安芸森林管理署の千本山保護林や嶺北森林管理署の白髪山保護林などでは今でも当時の森林が大切に保存さ れています。
千本山保護林
白髪山保護林
国有林の誕生
明治2年の版籍奉還、明治3年の社寺上地処分によって、明治政府が幕府・各藩や 社寺の所有していた森林を引き継ぎ、「官林」(現在の国有林)と称されることになりました。
四国森林管理局までの移り変わり
明治15年に開庁した「高知山林事務所」が現在の四国森林管理局の始まりで、 当時は高知県一円の国有林を管理していました。
明治19年に現在の森林管理局制度の基礎となる「大小林区制度」によって 「高知大林区署」と名称が変わり、明治26年に「愛媛大林区署」(明治18年開庁)と 合併(明治30年に一時分割、同36年に再合併)されて四国一円を管理するようになりました。
大正13年には「大小林区制度」から「営林局署制度」に変わり、「高知営林局」と改称されました。
高知大林区署旧庁舎
明治21年落成。約85坪の大きさでした。
高知大林区署新庁舎
大正5年落成。木骨ながら欧風づくりの当時ではモダンな庁舎でした。
新庁舎玄関の装飾柱
ローマ時代のトスカナ式の柱を模したもので、当時の庁舎建築費11,970円のうち 276円が使われました。現在は構内に1本が保存されています。
四国森林管理局として再出発
第二次世界大戦終了後、昭和22年からは独立採算制の「国有林野事業特別会計」として 長く経営されてきましたが、平成11年に一般会計からの繰入を前提とした独立会計制度に 生まれ変わるとともに、名称も新たに「四国森林管理局」と変わりました。
新築当時の営林局庁舎
昭和39年に現在の庁舎が完成しました。
現在の森林管理局庁舎
四国森林管理局までの変遷
参考資料:「高知営林局史」