ニッパヤシ
分類 |
ヤシ科 ニッパヤシ属(1属1種) |
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カテゴリー |
絶滅危惧II種 |
環境省版カテゴリー |
絶滅危惧種 |
特記事項 |
国指定特別天然記念物国内希少野生動植物種 |
分布概要 |
ニッパヤシは東南アジアを中心とする熱帯地域を中心に、一部亜熱帯地域に自生し、河川の海水が混ざり合う汽水域に発達するマングローブ林の構成樹種の一種。我が国では沖縄県西表島の船浦湾に注ぐヤシミナト川と内離島のみに自生が確認されている。西表島に自生するニッパヤシは我が国唯一の自生地であり、自生地北限として植物地理学上重要である。 |
形態的特徴 |
ニッパヤシはヤシ科に属する1属1種で灌木状の雌雄同株のヤシである。根茎はマングローブ湿地の泥の中を這い、径50~70cmの二叉から分枝したところの先端に数枚の葉を束生させる。葉の長さは5~7mになり直立する。花序は雄花と雌花の部分があり、葉の付け根から出て長さ80~100cm程度になる。果実は集合果である。 |
生育条件 |
沖縄県西表島では2箇所の自生地が知られている。それぞれの個体数については詳しい調査がなされており、内離島の自生地の現状は結実個体も見られ生育状態は良好である。船浦ヤシミナト川の自生地は国指定天然記念物として保護されているが、上流側で農地開発が行われており、流出した土砂が堆積して、ニッパヤシの根茎が埋まって生育状態は極めて悪い。このため、平成16年度にヒルギ等の除伐を実施した。 |
学術的評価 |
唯一ヤシ科のマングローブ植物で東南アジアのマングローブ植物の一つである。沖縄県の西表島(船浦)と内離島のニッパヤシ生育地は、我が国唯一の自生地であるとともに、ニッパヤシの自生地北限として植物地理学上も重要で、学術的に貴重な群落である。 |
その他 |
ニッパヤシの環太平洋の分布は沖縄よりも暖かい台湾には自生地がなく、フィリピン諸等に多く生育していることが確認されている。 |
お問合せ先
沖縄森林管理署
住所:沖縄県那覇市壺川3丁目2-6壺川ビル3階
TEL:098-918-0210
FAX:098-918-0211