お知らせ
クリスマス用のモミの木を贈呈しました
令和5年12月1日に日田市の三芳幼稚園にクリスマスツリー用のモミの木(高さ約4m)を贈呈しました。このモミの木は、山国森林事務所部内から採取したもので、当日は5名の職員が幼稚園に届けました。
職員がモミの木を屋内に運び込むと、154人の園児からの盛大な拍手と歓声があがり、園児の皆さんからのお礼をいただき、古澤次長が「きれいに飾って、サンタクロースが来るようにしてください」と挨拶しました。
また、令和5年12月21日には同幼稚園の「もみの木会」にご招待していただき、3名の職員が参加しました。モミの木を囲み「もみの木会」のセレモニーが始まり、先生から当署の仕事についてご説明がありました。
園児たちの代表からモミの木の御礼として手作りの感謝状とプレゼントが職員に贈呈され、古澤次長から「元気に楽しいクリスマスを迎えてください。」と返礼の挨拶を行いました。
園児たちは鮮やかに飾りつけされたモミの木を順に触る、近くで眺めるなどして、元気あふれるクリスマスソングとダンスの披露があった後、盛大な拍手での見送りを受けて幼稚園を後にしました。
後日、山国森林事務所部内からの採取にご尽力いただいた佐々木さんに園児からの感謝状を署長より手渡し、私たちも園児の皆さんの明るい笑顔と元気をいただき、素敵な年になるよう頑張りたいと思います。
(モミの木の贈呈は同園が1967年に開園した当初から続く行事で、毎年マスコミの取材もあり、当署では恒例行事となっています。)
12月1日のもみの木を搬入し園児から 12月21日、「もみの木会」へ招待されました
お礼をいただきました
園児からの招待状 佐々木さんへ園児からの感謝状を授与
国家公務員健康週間における安全勉強会を開催
10月26日に国家公務員健康週間の一環として、全職員を対象に安全勉強会を実施しました。
大分西部森林管理署は職員一人一人の安全意識を高めるため当番制としており、今回担当の福山健一総括森林整備官を含む4名が、実際に労働災害を想定して、「三角巾を使用しての救助方法、簡易担架を作ってみよう」の内容で勉強会を行いました。
まず、職員が業務中に怪我、骨折をした際に救急バック内に装備している三角巾を使用し救助する方法を実習しました。
怪我をした際には、受災した箇所を包むように覆い、骨折した際には、4つ折りや8つ折りにして、副木等にて応急処置をしました。
また、動けない職員を想定して、業務服を使用しての簡易担架を作成し、実際に職員を乗せて持ちかかえて、簡易担架でも受災した職員を運べることを体感しました。
今回担当した4名の職員から学んだ三角巾等の使用方法について、再確認することができました。
【写真】
インターンシップを受け入れました
令和5年10月17日から18日の2日間にわたり、大分県立日田林工高等学校が就業人としての心構えを学習するという趣旨のもとインターンシップを計画されたことで、林業科2年生の生徒さん2名を受け入れました。
一日目は、平井郁明署長から当署の管内概要等の説明後、会議室にて若手職員から現在行っている仕事の内容や学生時代に行ってきた受験対策のアドバイス等を中心に意見交換を行いました。
その後、保慶山2054林道新設工事箇所及び豪雨等で被害が甚大であった九重山治山災害復旧工事箇所に移動して、日隈俊幸総括治山技術官から、林道の新設工事箇所の概要、治山ダム群とその保全対象を望み、治山事業の内容や効果等の説明を行いました。
二日目は、玖珠町森平家山の森林整備事業誘導伐箇所にて、福山健一総括森林整備官等から、森林整備事業の説明を聞きながら、チェーンソーでの伐倒、高性能林業機械による伐倒や採材の作業状況を実際に目にして頂きました。
午後からは、堀田信広首席森林官より、造林地内において深刻なシカ被害により生育不良の造林木を目の当たりにして有害鳥獣捕獲の重要性について、現在実施している長距離無線式捕獲パトロールシステム「ほかパト」のICTを活用したシカ捕獲の説明を行い、シカ被害に必要な捕獲を実際に体験して頂きました。
最後に2日間のインターンシップを振り返って、生徒さん2名からは「林野庁の業務概要を聞くにあたって森林の規模が大きく現代では高性能機械で幅広く実施し、その仕組みが理解できた。事業を行うにあっては安全第一である。林道、治山の森林土木の重大さを知った。また、シカ被害をくい止めるためにも新たな対策の必要性を感じた。」との感想を頂きました。
生徒さんには、今回のインターンシップを通じ、森林・林業・木材産業に関心を持って頂き、今後の進路に活かされることを期待するところです。
【写真】
クリスマス用のモミの木を贈呈しました
令和4年12月9日、日田市のフレーベル三芳幼稚園にクリスマスツリー用のモミの木(高さ約4m)を贈呈しました。モミの木は、玖珠森林事務所部内から採取したもので、当日は5名の職員が園に届けました。
職員がモミの木を運動場から屋内に運び込むと、160人近い園児からの盛大な拍手と歓声があがりました。先生からのご紹介をいただき階段下のフロアにモミの木を設置後、園児の皆さんからのお礼をいただきました。
また、令和4年12月21日には同幼稚園の「もみの木会」にご招待していただき、3名の職員が参加しました。モミの木を囲み「もみの木会」のセレモニーが始まり、先生から当署の仕事についてご説明がありました。
園児たちの代表からモミの木の御礼として手作りの感謝状とプレゼントが職員に贈呈され、平井郁明署長から「サンタさんと一緒にクリスマスツリーのモミの木を山で探してきました。元気に楽しいクリスマスを迎えてください。」と返礼の挨拶を行いました。
園児たちは鮮やかに飾りつけされたモミの木を順に触る、近くで眺めるなどして、元気あふれるクリスマスソングとダンスの披露があった後、園長先生から丁寧な挨拶をいただき、園児たちの盛大な拍手での見送りを受けて園を後にしました。
私たちも園児の皆さんの明るい笑顔と心のこもった感謝状から元気をいただき、素敵な年末になるよう頑張りたいと思います。
(モミの木の贈呈は同園が1967年に開園した当初から続く行事で、毎年、地元マスコミの取材もあり、当署では恒例となっております。)
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かんしゃじょう
ことしも、すてきなもみのきをくださってありがとうございました。みなさんもおからだにきをつけて、すてきなクリスマスを、おすごしください
れいわ4ねんみよしようちえん
【写真】いただいた手作り感謝状と飾り付けられたモミの木に触れる園児の皆さん
阿蘇・くじゅう国立公園内のクリーン活動を実施
11月15日、大分県九重町の牧ノ戸峠周辺の国有林において、環境省、大分県、九重町、関係事業体のボランティア、大分森林管理署の協力を得て、当署職員を合わせた総勢60人でクリーン活動を実施し、不法投棄されたゴミを回収しました。当日は、長者原の駐車場に集合し、平井郁明署長より「国有林内に沢山のゴミが捨てられています。作業にあたっては怪我をしないよう安全なゴミの回収をお願いします。」と挨拶があり、その後、渡邊昭伍森林技術指導官より作業方法について説明を受けました。今回のクリーン活動は、阿蘇・くじゅう国立公園内の県道11号線(通称:やまなみハイウェイ)沿いの国有林で、不法投棄箇所が2箇所発見されたことから、参加者を2班に別け作業を実施しました。作業箇所には、空き缶やペットボトルなどの一般ゴミだけでなく、テレビ、ビデオデッキなどの家電ゴミや大量のタイヤまで投棄されていたことから、ゴミを入れた大型土のう袋をユニック車で回収する一方、ロープを使いタイヤを引き上げるなど、急斜面で足場の悪い中を苦労しながら約2時間の作業で、4トントラック4台分のゴミを回収・分別して、処理施設へ搬入することが出来ました。当日は、地元テレビ局2社の取材を受け、不法投棄の状況やゴミ回収作業の様子、当署職員へのインタビューが夕方のニュースで放送されました。ニュースでは、牧ノ戸峠を訪れた観光客ヘのインタビューもあり「癒しの場所で汚いものを見るのは残念」との声もありました。作業終了後、玖珠森林事務所堀田信広首席森林官より「皆様のご協力で大量のゴミを回収することができました。今後もパトロールを強化し、不法投棄対策に取り組んで参ります。」と参加者へお礼の挨拶がありました。当署では引き続き、地元自治体、関係団体と連携した国有林内のクリーン活動を展開していくこととしています。
【作業の説明】 【ゴミ回収の様子】
【ゴミ回収の様子】 【ゴミ回収の様子】
令和4年度自然公園クリーン作戦に参加
8月5日、環境省くじゅう管理官事務所及び九重町主催の「令和4年度自然公園クリーン作戦」が、九重町のくじゅう山群一体で開催されました。
このクリーン作戦は、毎年8月の第一日曜日前後に行われる、自然公園クリーンデーに会わせて実施されているもので、自然公園内の美化清掃と美化意識の啓発を目的に行われているものです。
当日は、観光協会や地元事業者等17団体約130名の参加があり、当署からは8名の職員が参加しました。
参加団体毎に作業分担があり、当署は九重山国有林229林班内の治山資材運搬路沿いのゴミ拾いを実施しました。
近年の登山マナーの向上もあって、ゴミは少なくなりましたが、それでも道脇に空き缶や紙くずがあり、当署では約5袋分のゴミを回収しました。
当署では引き続き、地元自治体、関係団体と連携したクリーン活動を展開していくこととしています。
作業内容の説明 クリーン活動の様子
令和4年度有害鳥獣捕獲研修を実施
当署においては、シカによる植栽木の食害や剥皮等、深刻化するシカ被害の防止対策として、職員実行の捕獲や有害鳥獣捕獲委託事業等に取り組んでいます。
このような中、6月23日、当署森平家国有林209林班内において、今年度有害鳥獣捕獲研修修了証の有効期限が満了となっている職員等8名に対して、有害鳥獣捕獲研修を開催しました。
当日は、午前中にくくり罠の実技研修、午後に座学研修を実施しました。まず、実技研修では、玖珠森林事務所の木村圭文行政専門員から、くくり罠の設置方法、設置場所の選定等、さらに、長距離無線式捕獲パトロールシステム(ほかパト)の設置方法について実技指導を受けました。
くくり罠の実技では、受講者全員が罠の組み立てを行い、その後、林内で設置方法を受講しました。受講者からは、「罠の設置は経験を積まないと難しい」「シカの行動パターンを学習したい」「研修を継続して行い捕獲従事者を増やしてもらいたい」等の感想がありました。午後の座学では、白石裕次総括事務管理官を講師に、有害鳥獣捕獲に係る法令、安全対策、シカ捕獲マニュアル、大分県鳥獣保護管理事業計画等の説明があり、捕獲にあたっての注意事項や安全確保について、更なる知識の向上、維持に繋がる様、受講しました。
シカ被害を防ぐためには、捕獲によって地域全体のシカ密度を下げることが不可欠であることから、今後においても、今回の研修を活かして、署全体で捕獲技術の向上とシカ被害対策に取り組むこととしています
【写真】くくり罠の設置方法の研修 |
【写真】座学による研修 |
クリスマス用のモミの木を贈呈しました
令和3年12月3日、日田市のフレーベル学園三芳幼稚園にクリスマスツリー用のモミの木(高さ約4m)を贈呈しました。モミの木は、山国森林事務所部内から採取したもので、当日は6名の職員が園に届けました。
園にモミの木が到着すると同時にたくさんの園児から盛大な拍手と歓声があがりました。階段下のフロアにモミの木を設置後、モミの木を囲み「もみの木会」のセレモニーが行われました。
園児たちの代表者からモミの木の御礼として手作りの感謝状が職員に贈呈され、津脇晋嗣署長から「もうすぐでみなさんが楽しみにしているクリスマスがあります。またその後すぐにお正月も迎えるのできちんと手洗いうがいを行い、クリスマス、お正月を健康で向かえて下さい。」と返礼の挨拶がありました。
その後、園児たちはモミの木に色とりどりな飾りを行い、元気で可愛い歌とダンスの披露があった後、園長先生から丁寧な挨拶を頂き、セレモ二―の幕が閉じました。
見送られる際も盛大な拍手を受け、園児の皆さんに喜んでいただけたことを改めて実感しました。
私たちも園児の皆さんの明るい笑顔と心のこもった感謝状からたくさんの元気をもらうことができました。
(モミの木の贈呈は同園が1967年に開園した当初から続く行事で、毎年、地元マスコミの取材もあり、当署では恒例となっております。)
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かんしゃじょう
まいとしすてきなもみのきをありがとうございます。かざりをつけてたのしいクリスマスをすごします。これからもおからだにきをつけておしごとをがんばってください。
れいわ3ねん12がつ3かみよしようちえん
いただいた手作り感謝状とセレモ二ーの様子
日田の木と暮らしのフェアに参加
令和3年12月5日(日曜日)、日田市(日田地域林業・木材産業活性化協議会)が主催する「日田の木と暮らしのフェア」が「日田市民文化会館パトリア日田」で開催されました。
このフェアは今年で第12回目を迎え、「日田市の基幹産業である林業・木材産業を来て・見て・触れて・知る」イベントとして、40を超える企業・団体が参加し、協力団体に名を連ねる当署もクリスマスリース作り、サクラの小枝を使った「もっくん」作りを体験できるブースを出展しました。
署ではフェアの1週間前から、クリスマスリースに必要な蔓や松ぼっくりなどの材料の調達、飾りの準備などに署内・森林事務所の職員総出で取り組み、当日は5名の職員が来場された方々のクリスマスリース作り等のサポートを行いました。
今年も当署のブースは大好評で、開会してすぐに多くの方々が訪れ、閉会時間まで途切れることなく賑わっていました。
フェアでは他にも日田杉を使用した家具等の木製品の紹介、展示、販売やハーベスタ・ドローンの操作実演、木育広場や高校生によるジビエレシピのコンクールなど様々なブースやイベントがあり、普段目にすることや体験できることが少ない貴重な経験ができたと思います。
今後もこのような子どもから大人までが木の香りとぬくもりを存分に感じられるよう、地元のイベントに積極的に参加し、国有林のPRと地域林業の活性化に取り組んでいきたいと考えます。
クリスマスリース作りの様子 「もっくん」作りの様子
請負事業体に対し労基署合同安全パトロールを実施
令和3年11月18日、管内崩平国有林(九重町)の森林整備事業(保育間伐:活用型)請負事業箇所及び崩平治山工事箇所において請負事業体の安全パトロールを実施しました。
参加者は管内で木材生産事業と治山事業を現在実施している事業体等8社並びに日田労働基準監督署から参加頂き、約40名での開催となりました。
森本明次長の司会進行等により日程が進められ、津脇晋嗣署長から「近年の重大災害発生している中、管内においても軽微な怪我の発生を聞いている。軽微だからと油断していてはいけない。」と挨拶。
その後、白坂進総括森林整備官から事業の概要、九州林産株式会社から安全の取組の説明があり、管内でもかかり木に関連した災害も見受けられることから、当日朝にかかり木を事前に作って頂き、そのかかり木処理とチェーンソーによる伐倒作業を全員が見守る中、作業を行ってもらい、安全に対するアドバイスやかかり木処理や伐倒の際の技術的な意見交換が行われました。労働基準監督官からは、伐倒作業中での若年層の災害も増加傾向で教育・指導が必要、KY活動の実践を是非お願いしたい旨のコメントを頂きました。
次にコンクリート谷止工の治山現場に移動し、田上誠総括治山技術官から事業の概要、小倉建設株式会社からは、この現場は足元が非常に滑りやすい環境であるなどを含めた安全の取組の説明があり、前日から作業開始となった床堀作業を行ってもらい、参加者からは我が職場であればここに注意を払う等の意見交換がされ、労働基準監督官からは、重機の横転事故防止、急傾斜地での足場確認等を踏まえたコメントを頂きました。
最後に全体を通して日田労働基準監督署長から「近年、大丈夫であろうという過信からやるべき事をやってない事での災害が多いので教育の重要性を今一度ご確認願いたい。点検実施のポイントとしては、自分の頭の中で現場事故を起こし、シュミュレーションして時系列毎に考え整理することがコツ。年末年始に向けてルールを守り、無災害をお願いする。」旨の講評を頂いて、日田労働基準監督署と当署の合同による安全パトロールを終了しました。
参加者の感想として、イレギュラーな作業場面もあったことで作業に関し技術的なより安全な話も聞けて非常に参考になったとの意見等も頂戴しており、有意義な開催となりました。
当署管内からは災害を絶対に出さない決意のもと、引き続き安全指導等を徹底していくこととしています。
【写真】
「インターンシップを受け入れました。」
令和3年10月19日から20日の2日間にわたり、大分県立日田林工高等学校が教育活動の一環として行っているインターンシップで林業科2年生の生徒さん2名を受け入れました。
初日、津脇晋嗣署長から署長室において当署の管内概要等の説明、その後、会議室にて森本明次長から林野庁の業務内容、林業を取り巻く情勢や課題の説明を受けた後、若手職員から現在行っている仕事の内容や学生時代に行ってきた受験対策のアドバイス等を中心に意見交換を行いました。
午後からは、昨年7月豪雨で被害が甚大であった九重山治山災害復旧工事箇所に移動して、田上誠総括治山技術官から、UAVを活用しながら治山ダム群とその保全対象を望み、治山事業の内容や効果等の説明を行いました。
二日目は、別府市十文字原の保育間伐活用型事業箇所に移動して、白坂進総括森林整備官等から、森林整備事業の説明を聞きながら、チェーンソーでの伐倒、高性能林業機械による伐倒や採材の作業状況を実際に目にして頂きました。
午後から、日田仁志森林技術指導官から、長距離無線式捕獲パトロールシステム「ほかパト」のICTを活用したシカ捕獲の説明を行い、玖珠森林事務所川原博首席森林官等から8年生の造林地内において深刻なシカ被害により生育不良の造林木を目の当たりにして有害鳥獣捕獲の重要性について意見交換を行いました。
署に戻って、二日間の内容を振り返って頂き、生徒さんからは「林野庁の仕事は幅広くその仕組みが理解できた。事業を行うにあっては安全第一である。令和2年7月豪雨災害の現場を見せて頂いたが見えない努力と治山の大事さを知った。シカ被害をくい止めるためにも新たな対策の必要性を感じた。将来に向けて森林の多様性のアピールは大切と感じた。」との感想を頂きました。
生徒さんには、今回の就業体験実習を通じ、森林・林業・木材産業に関心を持って頂き、今後の進路に活かされることを期待するところです。
【写真】
令和3年度ミヤマキリシマ周辺刈出作業及び自然公園クリーン活動を実施
当署では毎年、ミヤマキリシマの生息環境を改善するための刈り出し作業と、くじゅう連山におけるクリーン活動を実施しています。
そこで、令和3年10月14日、大分県九重町の牧ノ戸峠周辺の国有林において、当署職員11名とグリーンサポートスタッフ4名が参加して、「令和3年度ミヤマキリシマ周辺刈出作業及び自然公園クリーン活動」を行いました。
まず、ミヤマキリシマ周辺刈出作業では、日田仁志森林技術指導官から作業手順の説明を受けた後、初めて刈り出し作業を行う職員も多数いる中、全員が草刈鎌を持ち、ミヤマキリシマ周辺の灌木の刈り払いを行いました。
ミヤマキリシマは、九州の標高約1000メートル以上の山地に生息するツツジの一種で、国の天然記念物に指定されているほか、九重町の「町の花」にも指定されています。毎年5月から6月にかけて見頃を迎えると、山一面がピンク色に染まり多くの登山客で賑わいます。
刈り出し作業終了後、二班に分かれ、牧ノ戸峠駐車場を出発し、扇ヶ鼻コースと黒岩山コースのクリーン活動を実施しました。当日は、好天に恵まれ登山者も多く見られましたが、近年の登山マナーの向上もあって、ゴミは殆どありませんでした。
当署では引き続き、豊かな自然に恵まれたくじゅう連山の国有林の保全に向けて、クリーン活動や、ミヤマキリシマの刈り出し作業等の活動を展開していくこととしています。
【作業内容の説明と安全指導の様子】【ミヤマキリシマ周辺の刈出作業の様子】
【クリーン活動の様子】
「再造林・保育作業の機械化を目指して」
令和3年9月2日、大分県玖珠郡玖珠町の森平家山国有林内で久大林産(株)が造林者となっている分収造林地において、油圧式パワーショベルに搭載したアタッチメント式草刈り機械の研修会が実施されました。
この研修会は、大分県で再造林・保育作業の機械化を目指す意欲的な林業経営体を支援し森林施業の機械化に取り組む中で実現したもので、久大林産(株)が事業実施の承認を受け大分西部流域林業活性化センターによる「再造林・保育施行機械化実装支援事業研修会」として開催され、3名の当署職員を含む約30名の関係者が参加しました。
当該機は、刈りカスが飛ばず、安全に刈り込み可能なカッタータイプの刈り幅1.5メートルと1.8メートルの2種類と「草、木、竹」一台で切断できる円盤状の刃が回転するタイプの3種類が用意されており、それぞれ「HEDGECUTTERHC-150」「HEDGECUTTERHC-180」「SAWHEADHS-55」という名称で商品化され、林業や造園の現場等で使用されています。
現地での重機による機械下刈りの実演では、カッタータイプのアタッチメントは水平と垂直の間に任意の角度で切断でき、360度の旋回させることもできるため刈り幅が広く作業の省力化が期待できるようでしたが、目印としているツリーシェルターがなければ誤伐するおそれがあるようでした。メーカー担当者からは、個々に刃が交換可能な為、メンテナンス性も容易に行うことができるとの説明があり、円盤状の刃が回転するタイプでは、直径55センチであるため細部まで刈ることができ、苗木を誤伐するおそれは小さいようでした。オペレーターからの意見としては刈り幅1.5メートルのカッタータイプ式が特に旋回や刈刃の角度調整できるため下刈り作業がしやすいとのことでしたが、重機の操作が複雑なため高度な技術が必要とのことでした。
普及に向けた課題は、機械コストを考慮したコスト比較と植栽前に必要な事前作業の実施(切株の切り直し等)、重機の車体幅を考慮した植栽配置検討、誤伐防止のため目印としたツリーシェルターの活用、機械下刈りマニュアルの作成・普及等が挙がっており事業実施に向け準備を進めている段階にあります。今後も引き続き、林業分野への新技術導入を加速させ循環型林業の確立を図ることにより、人力(刈り払い機)による過酷な炎天下での作業の省力化・労力の軽減化、高齢化が進み造林作業員の減少に対応するために実現化を期待するところです。
【写真】ヘッジカッターを装着したパワーショベル 【写真】パワーショベルを稼働させて下刈を実施
令和3年度九重山火山防災訓練に参加
令和3年8月31日、大分県九重町の長者原登山口において、大分県・竹田市・由布市・九重町主催による「令和3年度九重山火山防災訓練」が実施され、関係機関から約50名が参加し、大分西部森林管理署から田上誠総括治山技術官、白石裕次総括事務管理官、西田卓矢治山技術官補が参加しました。
当日は、九重町の硫黄山で小規模の水蒸気噴火が発生し火口周辺の噴石が飛散した。福岡管区気象台が噴火警戒レベル2(火口周辺規制)を発表したとの想定で、警戒レベルの引き上げに伴い、火口周辺への立ち入り規制、登山者の安否確認等、県・市町・関係機関が連携した初動訓練が行われました。
訓練では、長者原登山口に現地指揮所が設置され、テレビモニターを通じて大分県防災センターとのオンラインによる情報伝達・収集訓練や現地対策訓練、安否確認訓練が行われ、現地対策訓練おいては、田上誠総括治山技術官が登山者の救助活動のため、車両通行可能な区域を地図に示し情報共有を行いました。
今回の訓練は、九重山火山避難計画に基づく初めての訓練でもあり、参加者全員が噴火災害時の初動対応や情報共有を確認し、緊張感を持った火山防災訓練となりました。
【写真】情報伝達する田上総括治山技術官(手前黄色ヘルメット)
【写真】現地対策訓練の様子(中央奥黄色ヘルメット当署職員)
地域の鳥獣害対策の助言等を行えるように
大分県主催による鳥獣害対策アドバイザー養成研修会が竹田市と国東市で開催され、当署の玖珠森林事務所川原博首席森林官と中村森林事務所井上欣勇森林官が、令和3年7月15日に農林業関係団体職員等40名程度の参加のあった国東市で受講しました。
この研修会の目的は、イノシシ、シカ、サル等の野生鳥獣による農林業被害が深刻化している中で、地域における農林作物の被害防止対策を的確かつ効果的に実施するため、県内各地域における被害防止対策の助言等を行う鳥獣害対策アドバイザーを養成することとされています。
当日午前中は、室内研修として「おおち山くじら研究所」所長江口祐輔氏から「鳥獣被害に強い集落対策とは」と題し講義を受けました。
シカやイノシシの視点から見た被害に遭いやすい集落の特徴や、獣害防止ネット等から侵入する際の習性などをわかりやすく説明されました。シカもイノシシも柵を跳び越えることは少なく、侵入する際は地際の隙間などから潜り込むことが圧倒的に多いこと、シカは17cm程度の幅があれば通り抜けられることなど、林業被害を防止するに当たっても参考となる情報を学ぶことができました。
午後からは、国東市安岐町ヒラ地区の農地を実際に見て回りながら、柵を張る際の注意点や、イノシシの侵入経路等を確認することができました。約10aの農地を3.2kmの金網の柵で囲っているにもかかわらず、イノシシが侵入できるポイントがいくつもあり、実際に侵入した痕跡が見られました。
今後は、上記の研修と9月に予定される防護柵設置研修の受講を以て、大分県鳥獣害対策アドバイザーに認定されることとなっております。
当署管内でもシカによる森林被害が非常に多く発生していることから、職員実行によるくくり罠の設置など、有害鳥獣駆除も積極的に実施しております。
当署では、このような研修等の場を活用するなどして、有害鳥獣駆除実施職員のスキルをアップして、職員間でその知識・技術の伝達を行いながら人材育成にも努めていくこととしています。
【写真】江口祐輔氏による講義の様子
【写真】現地研修の様子/柵を潜りイノシシが侵入した痕跡を発見
国家公務員安全週間に伴い交通安全講話等を開催
令和3年7月2日、国家公務員安全週間に伴う安全活動の一環として安全大会をはじめとし、交通法令講話等の各種安全行事を開催しました。
会場は、新型コロナ感染症対策のための収容率を考慮し、当署会議室では実施できないため日田市の咸宜(かんぎ)公民館施設をお借りしての行事開催となりました。
まず、安全大会においては、津脇晋嗣署長から「安全大会、交通法令講話、安全勉強会等の諸行事を実施するが、この機会に是非、思いを新たに学んで頂きたい。」と職員の日頃からの各種安全取組みに対してのお礼と挨拶があり、その後、九州森林管理局長安全大会メッセージを森本明次長が読み上げ伝達し、予め本週間前に職員に対し安全標語を募集していた47作品の中から優秀5作品を選考しての表彰式を行いました。そして、中村森林事務所井上欣勇森林官から「一人一人が安全確保の重要性を自分の課題として十分認識し、災害のない明るい職場づくりに私たちは取り組みます。」と安全大会宣言を読み上げ宣誓しました。
その後、日田警察署交通課による交通安全講話を開催し、昨今における日田地域での交通事故・違反の状況や飲酒運転の恐ろしさについての講義を頂き、公私を問わず安全運転を改めて心掛ける機会を得ることができました。
午後から、当署の安全管理計画書に基づき、安全勉強会を開催。当番班である総括事務管理官、主任森林整備官(経営・森林ふれあい)、玖珠首席森林官から、「(ア)熱中症予防対策(イ)管内の公務災害発生状況(ウ)大分県内交通事故発生状況」について発表があり、マンネリ化とならないよう職員間で発表する新鮮さかつ安全を見つめ直す有意義な時間となりました。
最後に綱紀保持のための勉強会として署長が講師となり、公務員倫理、発注者綱紀等のコンプライアンス確保に向けた講義を受けて当日の全日程を終えました。
【大分西部署の安全標語優秀作品】
・危ないと感じた時に改善をあしたに危険は持ちこさない
・無駄じゃない一つ一つの積み重ね基本動作の徹底を
・危険の芽その日・その時・すぐ改善危険因子を排除して今日も一日安全作業
・慌てずにゆっくり走ろうつうきん路笑顔で帰宅が最優先
・生かして安心ヒヤリの教訓注意、提案、職場の和
【写真】ソーシャルディスタンス確保しての開催
令和3年度有害鳥獣捕獲研修を実施
当署においては、シカによる植栽木の食害や剥皮等、深刻化するシカ被害の防止対策として、職員実行の捕獲や有害鳥獣捕獲委託事業等に取り組んでいます。
このような中、6月24日、当署森平家国有林209林班内において、今年度有害鳥獣捕獲研修修了証の有効期限が満了となっている職員等13名に対して、有害鳥獣捕獲研修を開催しました。当日は、午前中に座学、午後にくくり罠の実技研修を予定していましたが、森林官よりシカ捕獲の連絡を受け、予定を変更しシカ駆除の実技から研修を行いました。
シカ駆除を初めて体験する受講生が多く、真剣な表情で駆除の様子を見学しました。
その後、白坂進総括森林整備官を講師に、有害鳥獣捕獲に係る法令、安全対策、シカ捕獲マニュアル、大分県鳥獣保護管理事業計画等の説明があり、捕獲にあたっての注意事項や安全確保について受講しました。
また、日田仁志森林技術指導官より、ICTを用いたほかパト(長距離無線式捕獲パトロールシステム)について説明を受け、昨年からほかパトを活用している森林官から「ワナの管理が楽になった」との感想がありました。
午後は、実技研修に移り、玖珠森林事務所の川原博首席森林官と木村圭文行政専門員から、くくり罠の設置方法、設置場所の選定等について実技指導を受けました。
くくり罠の実技では、初めて設置する者を中心に罠の設置を行い受講者からは、「罠の設置は経験を積まないと難しい」「シカの習性を勉強したい」「研修を継続して行い捕獲従事者を増やしてもらいたい」等の感想がありました。
シカ被害を防ぐためには、地域全体のシカ密度を捕獲によって下げることが不可欠であることから、今後においても、今回の研修を活かして、署全体で捕獲技術の向上とシカ被害対策に取り組んで行くこととしています。
【写真】座学による研修 【写真】くくり罠の設置方法の研修
OJT「安全な作業は道具の手入れから」
令和3年4月12日、当署山国森林事務所において、今年度4月に当署に配属された新規採用職員に対し安全面に係るOJTを実施しました。
当日は、森林官等と共に安全意識の向上に向けた安全懇談会に参加することから始まりました。
まず、次長から前年の職員災害発生状況等の説明があり、特に近年の職員災害の傾向として、全国的に刃物による災害や転倒・滑落による災害が非常に多い実態を踏まえ、様々な事例をもとに原因分析を行い、各人からの意見を見聞きする中で基本動作、危険予知等の安全確保の重要性を認識して頂きました。
その後、ベテラン職員から山仕事の大事な道具である腰鉈の刃の研ぎ方を実技方式で行い、研ぐ際での注意点や刃こぼれ等の知識を学習するとともに、安全な作業は道具の手入れから始まっていることも理解して頂きました。
それから、森林事務所から現場へ場所を移し、林道沿いに仕掛けられている手作りの蜂誘引補殺器の設置状況を見ながら、蜂・ダニ刺され予防対策等の説明を受けた後、岩場付きの現地にて、腰鉈・鋸の手工具を使用して状況に応じた灌木の伐倒や枝払いを実践し、作業前・作業時・作業後の注意点を見聞きし当日の安全面に係るOJTを終了しました。
今回の刃物の研ぎ方や手工具による伐倒作業等は、初めての経験ということでしたが、上方や周囲、伐倒方向の確認等の安全意識を高め、これから現場経験していく中で少しずつその内容を理解し、基本動作の徹底、手元・足元の確認、保護具の完全着用に心がけつつ安全作業に取り組み、将来的に後輩等にその技術等を継承して頂くことに多いに期待するところです。
当署は、OJTとして他業務の分野も含め、これから継続的に教育プログラムを実施しスキルアップして頂き、職員の人材育成に努めていくこととしています。
【写真】刃物の研ぎ方、手工具(鋸)による枝払い作業の様子
ゼロ災月間開始に当たり安全懇談会を開催
令和3年2月1日、局ゼロ災月間の開始に当たり、当署山国森林事務所で安全懇談会を開催し、ゼロ災に向けた安全確保の取組を再確認しました。
当日は、事務所に所属する庄司拓平主事、佐々木修身森林技術員が参加し、署長の進行で安全懇談会を実施し、身体を十分にほぐして作業に着手する等冬季作業における安全確保のための取組内容を確認しました。
年度末で定年を迎える佐々木森林技術員は「最後まで気を抜かずに安全に作業をやり遂げたい」と語り、当地で2回目の冬を迎えている庄司主事も「先日は数十センチの積雪があった。車両の運転には路面の状況に十分に気をつけたい」と気を引き締め、タッチアンドコールを主唱して懇談会をしめくくりました。
中津市一円の国有林を管理する山国森林事務所は、有害鳥獣の捕獲にも精力的に取り組んでおり、庄司主事は大ベテランの佐々木森林技術員から、安全かつ効率的にシカ等を捕獲する技術を日々学んで実践しています。当日も懇談会終了後、林内でも目立つ色のヤッケとヘルメットを装備して仕掛けたわなを点検し、見事シカのオス1頭を捕獲しました。
安全にシカ等を捕獲する技術について佐々木森林技術員は「しっかりと手順を踏むことが何より大事」、庄司主事は「最初は緊張したがシカがわなにかかっても落ち着いて対応できるようになってきた。慣れて慢心しないようにしたい」と語っていました。
当署では山国のほか4つの森林事務所で日々現場業務に従事しています。国有林から災害を出すことのないよう、引き続き安全確保に取り組んでいく考えです。
【写真】タッチアンドコールを行う所員(左)、目立つ服装でシカわなを点検(右)
クリスマス用のモミの木を贈呈しました
令和2年11月26日、日田市のフレーベル学園三芳幼稚園にクリスマスツリー用のモミの木(高さ約4m)を贈呈しました。モミの木は、山国森林事務所部内から採取したもので、当日は6名の職員が園に届けました。
職員が運動場から屋内に運び込むと180人近い園児からの盛大な拍手と歓声があがりました。階段下のフロアにモミの木を設置後、モミの木を囲み「もみの木会」のセレモニーが始まり、先生から当署の仕事についてご紹介がありました。
園児たちの代表からモミの木の御礼として手作りの感謝状とシクラメンが職員に贈呈され、森本明次長から「サンタさんから良い子でいる三芳幼稚園にモミの木を運んで下さいというお手紙頂きました。いっぱいモミの木に飾り付けをして素敵なクリスマスを迎えてください。」と返礼の挨拶を行いました。
園児たちはさっそく枝に色とりどりな飾りを行い、元気で可愛い歌とダンスの披露があった後、園長先生から丁寧な挨拶を頂き、園児たちの盛大な拍手での見送りを受け園を後にしました。
私たちも園児の皆さんの明るい笑顔と心のこもった感謝状を励みとして、お仕事を頑張りたいと思います。
(モミの木の贈呈は同園が1967年に開園した当初から続く行事で、毎年、地元マスコミの取材もあり、当署では恒例となっております。)
かんしゃじょう
すてきなもみのきをありがとうございます。かざりをつけて、すてきなクリスマスをすごします。これからもおからだにきをつけておしごとをがんばってください。
れいわ2ねん11がつ26にちみよしようちえん
【写真】いただいた手作り感謝状と綺麗なクリスマスツリーに変身したモミの木、
日田林工の生徒さんをインターンシップとして受け入れました
令和2年10月14日・15日の両日、大分県立日田林工高等学校が教育活動の一環として行っているインターンシップに協力して、進路を公務員希望としているという林業科2年生の生徒さん1名を、大分西部森林管理署で受け入れました。
生徒さんは初日、益田健太署長から当署の特色や管内概要等の説明、森本明次長から林野庁全般の業務内容の解りやすい説明を受けた後、若手職員を交えたフリートーキング形式で、現在の仕事の内容や公務員採用試験に向けてのアドバイス等の意見交換を行い、真剣に耳を傾けていました。
その後、田上誠総括治山技術官等から、治山事業や保安林制度について講義を受けた後、署を出発して、九重町の町田湧出山治山工事箇所に移動して、UAVを活用しながら治山ダム群と保全対象を望み、治山事業の内容や効果等の説明を受け、聞き慣れなかったという治山事業の重要性を認識していました。
二日目午前中は、町田湧出山の保育間伐活用型事業箇所を訪ね、白坂進総括森林整備官等から、事業内容の説明を受けた後、チェーンソーでの伐倒、高性能林業機械を使用しての採材等一連の作業を実際に目にして学んでいました。
午後から、玖珠森林事務所川原博首席森林官等から。深刻なシカ被害の状況や有害鳥獣捕獲の重要性の説明を受けた後、シカわな設置作業とともに当署で最近導入している長距離無線式捕獲パトロールシステム「ほかパト」の活用状況を見学しました。
署に戻って、インターンシップの内容を振り返り、最後に生徒さんから署員に対して、今回のインターンシップの感想として「林野庁の仕事は森を守るために働くことというふうに考えていましたが、今回の実習で森を通して国民のために働くことと考え方が変わり、林野庁に対して興味が沸きました」との心強い挨拶が述べられ、署員から拍手が湧き上がっていました。
署としても今回の就業体験実習を通じ、国有林野事業に関心を持って頂き、今後の進路に活かされることを大いに願うところです。
【写真】
交通安全講話・こころの健康づくり講話をいただきました
令和2年10月5日、日田市複合文化施設「アオーゼ」に講師をお招きし、交通安全講話とこころの健康づくり講話をいただきました。
交通安全講話では、日田警察署交通課宿利巡査長から、自動車走行シミュレータにより、職員一人ひとりが走行中どこで危険を感じ取ったかを記録しながら、危険の認知や判断が適切だったかを指導いただきました。
シミュレータの画面には、自動車の発進や交差点での右左折、停止車両横の通過、車線の合流といった際に起こり得る様々な場面が映し出され、運転する車が関係車両からはどのように見えているかといった多角的な視点に基づいて、危険と事故を回避するためにとるべき行動が講師から説明されました。また、先般厳罰化されたあおり運転からの防衛法や、日田地域での交通事故の概況などについても説明があり、公私を問わず安全運転を改めて心掛ける機会を得ることができました。
こころの健康づくり講話では、別府溝部学園短期大学幼児教育学科西村薫教授から、物理的な信号を心理的な情報に置き換えているこころの仕組みについてのお話や、出来事と感情の間には思い込み、レッテル貼り、自己批判、深読み・先読みといった、考え方の癖とも言える「自動思考」が存在することについてのお話がありました。また、情報の伝達の際に5W1Hを適切に要約・共有することにより、職場のコミュニケーションでの誤解やトラブルを避けることができるといったお話がありました。
講話の最後には幼児教育で取り入れられているという「息を合わせるためのワーク」として、掌に薄い紙を乗せ、紙と心を通わせるつもりで紙が落ちないように腕を振ったり、紙をボール状に丸め、向かい合った職員同士で、相手が決められた回数手を叩いてから受け取れるように配慮して投げ合うといった体験も行われ、童心に返って会場に歓声が上がる場面もありました。
今回の行事は、コロナ禍で4月に開催を見送った定期出署日に併催したもので、「3密」を避けるため公共施設を借り、これらの講話のほか、綱紀保持のための勉強会や業務打合せも実施しました。今回の講話等を通じて、職員間においてはより密接にこころを通わせながら諸業務を進めていく考えです。
【写真】 広々とした空間で実施した「交通安全講話」「こころの健康づくり講話」「綱紀保持のための勉強会」
高山植物保護等のためくじゅう連山をパトロールしました
令和2年9月29日、当署が事務局を務める「くじゅう地区高山植物保護対策協議会」の活動として、くじゅう連山で高山植物保護等のためのパトロールを行いました。
例年、協議会の会員である九重の自然を守る会等から広く参加を得て行っていましたが、今年はコロナウイルス感染症対策のため、規模を縮小して事務局である当署の職員とグリーンサポートスタッフにより実施することとし、大分県九重町の牧ノ戸峠を出発地として、扇が鼻方面に至るルートと、黒岩山・泉水山を経て長者原に下りるルートをパトロールしました。
今年は登山客へのチラシやしおりの配布も見合わせ、登山マナーの向上の呼びかけも最小限に留めながら、高山植物の生育状況や看板・標識類の状況を点検しました。幸い、高山植物の盗採等は見られず、看板類の設置状況も概ね良好でした。また、パトロールに兼ねてクリーン活動も実施しましたが、近年の登山マナーの向上もあって、ゴミもほぼありませんでした。
くじゅう山では、リンドウなどが可憐な花を見せていたほか、ミヤマキリシマの生育状況も概ね良好であり、好天に恵まれた秋空の下、紅葉が始まる気配も感じながら、安全にパトロールを実施することができました。署では引き続き、豊かな自然に恵まれたくじゅう連山の国有林の保全に向けて、グリーンサポートスタッフによる巡視活動や、ミヤマキリシマの刈り出し作業等の活動を展開していくこととしています。
【写真】活動の様子と高山植物
伐採跡地に機械の走行路を設定して苗木を植栽
大分西部署管内に昨年設定された分収造林地で、下刈りなどの森林施業に機械を最大限活用するため、予め機械の走行路を設定した苗木の植栽が行われており、令和2年5月28日に現地の状況を調査しました。
造林地は、中村森林事務所部内の玖珠町森平家山国有林214ぬ4林小班の立木販売物件搬出跡地約3.6ヘクタールで、昨年2月13日に、管内の林業事業体である久大林産(株)が造林者となって、天皇陛下御即位記念分収造林として九州森林管理局長との間で分収造林契約が締結され、同社により苗木が植栽されています。
同社は、以前から、安全で若者が安心して就業できる職場づくりによって、林業を真の成長産業としていくことに強い意欲を持っており、特に遅れている造林・育林作業の軽化・低コスト化を念頭に、造林地に予め機械の走行路を設定した上で苗木を植栽し、下刈りなどの森林施業に機械を最大限活用する林業経営を実践することとしたものです。
当日は、同社の工藤洋一社長にご案内いただき、大分県林務担当者とともに造林地の状況を調査し、いわゆるコンマ25サイズのベースマシンに対応する幅員2.5mの走行路と、走行路の間にヘクタール当たり2,000本に相当するスギコンテナ苗が、2m間隔で5列植栽された様子を、森林管理署職員が操縦するドローンで上空からも確認しました。
走行路は、大分県西部振興局農山村振興部との調整も経て、重機の安定確保の観点から等高線に対しておおむね垂直方向に設定されており、走行路から重機がアームを4メートル伸ばせば、3列目の苗木まで届くことが可能です。
重機のコックピットから諸作業を実施していくことを考え、シカが多数生息しているため必須となる被害対策については、苗木の所在が明確になるという効果も得ることとして資材で単木的に保護することとし、周囲へのシカネットの設置は省略されていました。
わが国では、造材作業では機械化が進んでいる一方、造林や保育の作業では、依然としてほとんどが人力に大きく依存しており、過酷な環境下での作業における労働の強度や危険性が指摘されてきました。
下刈りを行い得る乗用機械としては、ベースマシンとなる重機への取り付けが可能な切削器具を備えたアタッチメントが商品化されており、昨年10月に、同社が造林者である別の分収造林地で実施された稼働実演で、下草や雑かん木まで刈り払える性能が確認していましたが、苗木を踏み付けないよう重機を慎重に操作する必要がありました。
実演の際には、ナイフの回転速度を損なわずに重機の操作も円滑に行える油量と油圧を備えたコンマ25サイズが、作業時の斜面での安定性の面からもベースマシンに適するとの感触も得られており、これらの知見も活用して今回の植栽が行われました。
今後、苗木の生長に伴って、下刈りや除伐といった造林・育林過程の作業が、炎天下でも冷房の効いたコックピットから、蜂やダニ、刈り刃のキックバックを気にすることもなく快適かつ高効率に順次実施されていく様子を管内の国有林から実際に目で見て確認できることが期待されます。
コンバイン等の機械が性能を最大限に活用できるよう圃場整備が進められた稲作とは異なり、容易に地形を改変できない山間で林木を生育させながら高度な公益的機能も発揮させている林業では、急傾斜や土質、転石、根株といった様々な障害の存在を前提として機械化を図らざるを得ないとともに、厳しい環境下で機械の性能をいかにより大きく発揮させていくかといった工夫が欠かせません。
林業にとって厳しい環境下での作業の機械化は宿命的とも言える高いハードルですが、今回、当署としては、課題解決に果敢に取り組む優れた地域林業事業体の熱い思いを、分収造林制度も活用したフィールドの提供という形でご支援することができました。
機械化を念頭に置いた造林地での経営を通じて、成林までのコストの大半を占めていた造林・保育作業の低コスト化、ひいては林業への旧来の評価が覆されていくことを期待しながら、引き続き、様々な形で民有林・国有林の連携を深めていきたいと考えています。
(写真:空中から撮影した現地の状況。走行路の間に5列の苗)
(写真:地上から撮影した現地の状況)
(写真:昨年の下刈り機械稼働実演の様子)
治山・林道工事コンクール九州森林管理局長賞の小倉建設(株)に表彰状を伝達
令和2年4月17日、令和元年度治山・林道工事コンクールで九州森林管理局長賞を受賞した小倉建設(株)代表取締役永吉陽一氏に、大分西部森林管理署会議室で表彰状を伝達しました。
当コンクールは平成30年度に施工し完成した治山・林道工事を対象とし「コスト縮減」、「技術提案」、「環境配慮」の各テーマに沿った優良工事の中から選定されるもので、大分西部森林管理署が発注した町田河内山治山工事(関連災)を施工された同社が、「環境配慮」において良好な工事内容が他の模範に当たると評価されました。
本来であれば表彰状は、受賞者を九州森林管理局にお招きして、局長からお渡しするところでしたが、新型コロナウイルス感染症対策のため、今年度は、地元森林管理署からお渡しすることとなり、当日は、永吉代表取締役と工事の監理技術者を務められた江藤慎也氏が来署されました。
町田河内山治山工事は、平成28年6月に梅雨前線の活発化による豪雨で山腹が崩壊した大分県九重町町田地内の国有林を復旧するもので、災害発生当時は、崩壊した土石が防護施設を損壊させ、直下の県道飯田高原中村線(県道40号線)に大量に堆積しました。
県道が通行止めとなったほか、崩壊地内には大量の土石が不安定な状態で堆積し、さらなる降雨等による崩壊地の拡大と道路への被害のおそれがあるため早急な復旧が必要となりました。
施行地付近は、飯田高原、九酔渓、九重“夢”大吊橋等が点在する大分県有数の観光地であり、県道は、大分自動車道九重インターチェンジからこれら観光スポットにアクセスするとともに、飯田地区の住民の生活道路としても大変重要な路線となっています。
県道に堆積した土石が除去され一時的に通行が可能となった後も、施工現場は傾斜が急で崩落による落石が発生するため、工事の内容によっては通行止めが不可避な状況でしたが、地域においては、観光への影響を懸念して通行止めを極力回避すべきとの意見と、通行止めを行ってでも早期に復旧すべきとの相反する意見がありました。
このため、観光業界や地元住民の方々に対し、工事の概要説明や要望の聴き取り等を行って通行止めの日時を慎重に検討し、行楽シーズンには工事を休止するとともに、工事期間中には月1回の「現場だより」を発行・配布して情報提供に努めました。
また、迂回路や近隣の飲食店などの営業を伝える案内看板、外国人観光客に配慮した多国語の案内看板の設置といった対策を講じながら、工事の保全対象である県道が観光道路として県外も含め多くの車が通行することから、道路脇2か所に工事説明看板を設置するなど、多くの方々に治山事業へのご理解とご協力を頂き、無事工事完成となりました。
工事においては、施工箇所上流の法面崩壊状況や傾斜などを考慮し、作業者の安全確保の観点から、オペレータが安全な場所からリモコン操作で施工できるロッククライミングマシーンによる無人化施工を行ったほか、台風の通過後等の調査にはドローンを活用し、最小限の人員で安全な現況確認ができました。
受賞された小倉建設(株)は、受注者として的確な工事を行われたことはもとより、地域への情報提供や、多くの箇所にわたる通行止め等に関する看板等について、工事の休止・再開のたびに生じる撤去と再設置に根気よく取り組まれるなど、地域のご協力を得ながら工事を円滑に実施するために多大なご努力を傾注されたところであり、改めて感謝を申し上げます。
なお,「現場だより」は、大分西部森林管理署 ホームページでご覧いただけます。
(アドレスhttps://www.rinya.maff.go.jp/kyusyu/oitaseibu/tisan.html
【表彰式の様子】
【災害発生当時の状況】
【施工の状況】
【工事が完成した現地の状況】
【現場だより(左)、設置していた多国語案内看板(右)】
くじゅう連山の国有林でグリーンサポートスタッフが活動開始
令和2年4月16日、大分県九重町で、「くじゅう連山」の国有林で巡視活動や来訪者へのマナーの呼びかけなど環境保全のための普及啓発活動を行う「グリーンサポートスタッフ」が今年度の活動を開始しました。
グリーンサポートスタッフは、自然環境に優れた国有林を保全する森林保護員の愛称で、今年度は4名が大分西部森林管理署の森林保護員として任命されました。
「くじゅう連山」は、風致探勝林や国立公園に指定され、これから色鮮やかなミヤマキリシマが咲き誇り、多くの観光客、登山客で賑わいを見せています。
巡視活動等の開始に当たっては、例年、行楽シーズンの到来を告げる風物詩として多くの報道機関からも取材をいただいて「出発式」を開催していましたが、今回は、新型コロナウイルス感染症対策として、登山道の巡視等の取組を粛々と開始することとしました。
当日は、幸いおだやかな晴天にも恵まれ、「3密」を避けて、長者原ビジターセンターのテラスをお借りして、活動開始に当たって巡視ルートの確認、安全確保の打合せや装備の点検などを行いました。
当署のグリーンサポートスタッフは、「くじゅう連山」の国有林のうち、管内の九重町側の登山ルートで、訪問者が増加する春季と秋季を中心に、11月までの主に休日に活動を行うこととしています。
日田の木と暮らしのフェア」に参加しました
令和元年12月8日、日田市等が主催する「日田の木と暮らしのフェア」が「日田市民文化会館パトリア日田」で開催されました。
このフェアは今年で11回目を迎え、「日田市の基幹産業である林業・木材産業を来て・見て・触れて・知る」イベントとして、40を超える企業・団体が参加し、協力団体に名を連ねる当署も昨年に引き続き、大好評であったクリスマスリースづくりなどを体験できるブースを出展しました。
署ではフェアの1週間前から、クリスマスリースに必要なつるやまつぼっくりなどの材料の調達、飾りの準備などに署内・森林事務所の職員総出で取り組み、当日は7名の職員が来場された方々のクリスマスリース作り等のサポートを行いました。今年も当署のブースは大好評で、開会してすぐに多くの方々が訪れ、閉会時間まで途切れることなく賑わっていました。
フェアでは他にも日田杉を使用した家具等の木製品の紹介、展示、販売やハーベスタ・ドローンの操作実演、木育広場や高校生によるジビエレシピのコンクールなど様々なブースやイベントがあり、普段目にすることや体験できることが少ない貴重な経験ができたと思います。
今後もこのような子どもから大人までが木の香りとぬくもりを存分に感じられるよう、地元のイベントに積極的に参加し、国有林のPRと地域林業の活性化に取り組んでいきたいと考えます。
【写真:日田の木と暮らしのフェア場内の様子】
ICTハーベスタの開発が進んでいます
令和元年12月6日、大分県九重町野上の伐採現場で、森林総合研究所、(株)小松製作所、(株)南星機械等により構成された「高度木材生産機械開発共同事業機関」が開発に取り組んでいるICTハーベスタの現地検討会が開催され、当署の署員や請負事業体、大分県庁林務職員等が参加しました。
ICTハーベスタは、造材を行いながら、作業時に丸太の径級や長さ等の情報を蓄積・発信して、木材生産・流通関係者間と生産情報をリアルタイムで共有しようというもので、同機関が平成28年度から開発に取り組んでいます。
当日は、現地見学に先立ち、九重町野上公民館で、同機関代表の森林総合研究所林業工学領域伐採技術担当チーム長の上村巧氏から、ハーベスタが「いつ、どこで、どのような森林から、どのような原木が、どれくらい」といった情報を取得して、通信環境によっては瞬時にICTで関係者間で共有できることや、赤外線レーザーによる丸太の曲がり等形状の測定、荷重計による重量と密度の測定、応力波による強度の音速測定といったロボット技術で丸太の品質の評価を行えること等についての説明がありました。
現地では、ハーベスタが実際に作業を行い、形状等の情報を取得してコンピュータによる最適採材の指示に応じて造材していく様子が実演されたほか、品質評価の情報を取得するメカニズムについての説明がありました。また、ハーベスタが取得した形状等の情報の精度を高めるため、電子輪尺とハーベスタのデータの情報交換による国際標準に基づく更正方法の実演もありました。
ハーベスタによる造材を通じて各生産現場において取得された、生産された丸太の数量・品質についての正確な情報が、即時に局署にも共有されることが実現されれば、局署としてのバーチャルの土場から各販売先への振り分けを柔軟に行えたりするなど、国有林の木材生産・販売のあり方にも大きな変化がもたらされることが期待されます。
ICTハーベスタの現地検討会は、ハーベスタを多数導入し当署の生産事業も請け負っている林業事業体の協力を得て、当地では平成31年1月29日以来およそ1年振りの開催となり、測定時間の大幅な短縮といった機械の性能の向上などこの間の開発の進展の状況を見ることができました。
当署としても、長年月を経て充実した森林資源を、できるだけ本来の価値を失うことなく効率的に需要者に供給する意欲を持つ林業事業体が地域に存在していることに意を強くしながら、このような先端技術を活用した林業機械の開発情報を積極的に受信して、優れた林業事業体の育成も念頭に置きつつ、木材を安定的に供給するという国有林の使命の実現に取り組んでいきたいと考えています。
【写真】造材するハーベスタ(赤色部分の三次元赤外線スキャナが丸太の形状を測定)
【写真】現地見学会等の様子
幼稚園にクリスマスツリーを贈呈しました
令和元年11月29日、日田市のフレーベル三芳幼稚園にクリスマスツリー用のモミの木を贈呈しました。モミの木は、山国森林事務所部内から採取したもので、当日は7名の職員が園に届けました。
モミの木が教室に運び込まれると、園児たちはさっそく色とりどりな飾りを枝につけていました。また、職員には手作りの感謝状が手渡されました。先生からは、森林管理の仕事についてもご紹介していただき、200人近い園児たちの笑顔に元気をもらうことができました。
モミの木の贈呈は同園が1967年に開園した当初から続く行事で、毎年、地元テレビ局の取材があり、当日夕方のニュース番組で紹介されました。私たちも児の皆さんの心のこもった感謝状を励みとして、お仕事を頑張りたいと思います
★★★
かんしゃじょう
まいとしすてきなもみのきをありがとうございます。かざりをつけて、たのしいクリスマスをすごします。これからもおからだにきをつけておしごとをがんばってください。
れいわがんねん11がつ29にちみよしようちえん
【写真】綺麗なクリスマスツリーに変身したモミの木、
【写真】いただいた感謝状
労働基準監督署との合同パトロールを実施しました
令和元年11月18日、日田市上津江町の三芳森林事務所部内国有林請負事業現場で、当署の治山・林道・生産事業を請け負っている事業体7社、立木販売物件を買い受けた2社から経営者等の参加を得て、大分労働局日田労働基準監督署との合同パトロールを行いました。
当日は、合同パトロールに先立ち、日田市中津江公民館会議室で、日田労働基準監督署監督・安衛課佐藤智幸安全衛生係長から、日田・玖珠地域では林業以外の産業も含め労働災害が多く発生しており、日田労働基準監督署長から「死亡労働災害多発非常事態宣言」が発令中であることや災害事例の紹介があり、各事業場での「職場の安全対策等の総点検の実施」や「経営トップによる安全衛生に関する所信の表明」、「適切な作業計画や作業手順の策定」等の取組の要請がありました。
また、伐木作業等の安全対策に関する労働安全衛生規則の改正内容等についての説明があったほか、経営者が参加した本パトロールの機会を捉えて、森林管理署長から、森林管理局管内で今年度労働災害が多発している状況を踏まえ、現場の従事者への安全教育等林業労働災害防止に向けた取組の徹底を要請しました。
次いで参加者は、保慶山林道新設工事の現場に移動し、工事の状況や注意喚起標識の設置等の状況を確認しました。工事現場はあいにくの雨模様でしたが、評価すべき点等についての意見交換や質疑応答を行った後、佐藤係長から、特に不安全な要素は見受けられない旨の講評と、崩壊や湧水など現地の変化をきめ細かに察知して必要な対策を講じることが重要といったアドバイスをいただき、参加者は、労働安全の確保に向けた具体的な取組を確認して現地を後にしました。
大分西部地域の林業労働安全に取り組み、当署も参加している大分西部地域林材業労働安全対策連絡協議会の事務局を務める大分県西部振興局からも5名の職員の参加があり、国有林の労働安全への取組の一端を共有していただきました。
署としても、今回の合同パトロールを通じて、日頃から様々な産業の労働現場をご覧になっている労働基準監督署の安全指導に触れることができ、きめ細やかな着眼点や指導を参考に、請負事業体等の労働災害防止に取り組んでいく考えです。
【写真】合同パトロールの様子
【図】安全意識高揚を図るロゴマーク
日田林工生がインターン体験しました
令和元年10月28日・29日の両日、昨年に続き、大分県立日田林工高校林業科2年生2名が、インターンシップとして当署で国有林の業務を体験しました。
進路に公務員を希望している2名のインターシップ生は、28日朝に来署し、署長から国有林の業務の概要等の説明を聞いた後、入庁2~5年目の当署若手職員と意見交換を行い、職員から、取り組んでいる仕事の内容や、採用試験に向けての準備や心構え等を聞き取っていました。職員も苦心しながら、自らの経験や思うことについて、簡潔かつわかりやすい説明に努めていました。
その後、治山グループの指導の下、治山事業や保安林制度について講義を受けた後、署を出発して工事箇所の状況調査に同行し、九重町内のくじゅう山系の治山ダム群と保全対象を望みながら、治山事業の内容や効果等の説明を受けました。
翌29日には、業務グループの指導の下、中津市山国町内の間伐の作業現場と林道新設工事箇所をそれぞれ訪ね、丸太の集造材や地山の掘削、構造物の設置作業等を見学しました。
2名の生徒は、挨拶や言葉遣いも丁寧で、2日間のインターンシップに熱心に取り組んでいました。感想を尋ねると「職員の方からのアドバイスを伺って、今日から早速しっかり勉強していきたい」、「治山の現場では『山のお医者さん』という説明があり、わかりやすかった」とのことでした。是非引き続き公務員を希望していただき、将来ともに働けることを楽しみにしています。
【森林整備箇所】
【治山・林道現場見学】
【若手職員との意見交換】
分収造林をフィールドに重機による下刈り試験を行いました
令和元年10月18日、大分県玖珠町の野上平家山国有林内の造林地で、雑草やかん木を刈るアタッチメントを装備したパワーショベルを稼働させ、下刈り作業への利用可能性を調査しました。
アタッチメントは、ハンマーナイフが回転するタイプと円盤状の刃が回転するタイプの2種類が用意され、それぞれ「クサカルゴン」、「ブッシュマン」という名称で商品化され、河川敷や造園工事などで使用されています。
調査箇所は、当署管内の九重町に所在する久大林産(株)が造林者となった分収造林地で、同社が用意したサイズとパワーの異なる2種類のベースマシン(いわゆる「コンマ1」と「コンマ25」)が造林地に進入して作業を行っていきました。
ハンマーナイフ式のアタッチメントは、カバーの中に格納されたナイフが回転するもので、オペレータはカバーを雑草木の上方からかぶせるようにして刈り払いを行うため、苗木を誤伐するおそれは小さいようでした。人の手首ほどの直径の木竹も処理が可能とのことであり、下刈りだけでなく除伐にも活用の可能性がありそうでした。雑草木は粉砕されてカバーから排出され、メーカー担当者によれば、林地を被覆してさらなる雑草木の生育を抑制する効果も期待できるとのことでした。
ベースマシンは、ナイフの回転速度といった性能を損なわずにベースマシンの操作も円滑に行える油量と油圧を備えたコンマ25サイズが好ましく、オペレータによれば斜面での安定性の面からも適しているとのことでした。林業の現場は、一定の斜面が一様に続く河川敷等と異なることもあり、アタッチメントはもうひとまわりコンパクトである方が好ましいという意見もありました。
作業のスピードは、ベースマシンの履帯が苗を踏みつけないように注意しながら行ったため、人力による作業よりも若干遅めでしたが、造林地に予め重機の進入路を設定して苗木の植栽を行えば、能率は相当向上するものと思われました。重機による作業の実現により、炎天下でも冷房の効いたコックピットで、蜂などを気にすることもなく快適に作業するオペレータの姿が想像されました。また、下刈り作業は、誤伐や踏み付けを避けるため、苗木の植栽位置に予め棒を立てて行いましたが、ツリーシェルターを使用すればオペレータへの目印になるとともにシカネットの設置も省略できるとの意見など、シカ被害対策も含めたトータルでの造林コストの低減に向けた様々なアイデアが出ていました。
この行事は、久大林産(株)が大分県の支援事業を利用して森林施業の機械化に取り組む中で実現したもので、大分西部流域林業活性化センターによる「再造林・保育施業機械化実装支援事業研修会」として開催され、4名の当署職員を含む約50人の関係者が参加しました。当署としては、分収造林という手法も活用しながら、地域の課題解決に積極的に取り組む優れた林業事業体を育成・支援できるよう、国有林のフィールドの提供などにより民有林との連携を深めていきたいと考えています。
「くじゅうの自然に感謝する日」の活動に参加しました
令和元年10月11日、「くじゅうの自然に感謝する日」の活動として、署員12名が参加して、九重町の牧ノ戸峠周辺の国有林でミヤマキリシマの刈り出し作業を行いました。「くじゅうの自然に感謝する日」とは、私たちに多くの恵みを与えてくれるくじゅうの自然に感謝することを趣旨として、賛同する多くの団体が、毎年、登山道の補修や外来植物の駆除、ゴミ拾いなど環境保全のための一斉ボランティア活動を行っており、当署は毎年、ミヤマキリシマの生息環境を改善するために、刈り出し作業を行っています。
ミヤマキリシマは、九州の標高約1000メートル以上の山地に生息するツツジの一種で、国の天然記念物に指定されているほか、九重町の「町の花」にも指定されています。毎年5月から6月にかけて見頃を迎えると、山一面がピンク色に染まり多くの登山客で賑わっています。
作業開始時、現場には濃霧が立ちこめていましたが、草刈り鎌でミヤマキリシマを埋める灌木を刈り払っているうちに空も明るくなり、無事に作業を終了しました。やまなみハイウェイに面して駐車場も整備されてくじゅう連山の登山口となっている牧ノ戸峠には、ラグビーワールドカップの試合が大分で開催されていることもあってか、外国からの訪問者も見られ、国際化するくじゅう連山観光の一端を垣間見ることができました。作業によって、ミヤマキリシマが、来年の初夏の訪れとともに山々を彩ってくれることを願っています。
シオジ原生林で森林教室を行いました
令和元年9月4日、日田市前津江町の権現岳国有林で、地元の日田市立前津江小学校と「水の姉妹校」である福岡市立堅粕小学校6年生の児童32名と先生や保護者の方々が参加して、森林教室を行いました。
筑後川の源流域と下流の消費地に位置する両校は、以前から児童交流に取り組んでおり、堅粕小学校の4年生から6年生の児童85名が前津江小学校を訪問しました。今回は、4年生はヤマメの放流体験、5年生は大山ダム見学のプログラムが組まれ、6年生の29名と前津江小学校6年生の3名の計32名の児童が、シオジが原生する国有林(権現岳シオジ等遺伝資源稀少個体群保護林)を訪れました。
当日は当署から6名の職員が参加し、児童に同行して権現岳の登山口からシオジ林を往復しながら、シオジの原生林を保存していることや、森林の保水力、植生等について説明を行いました。児童は、シオジの樹肌や源流の水に触れるなど興味津々の様子で、森林のはたらきや植物の名前などについて職員に熱心に質問していました。
また、森林教室の機会を捉えて、林野庁ホームページに掲載されている森林と水の関係に関する教材や、森林や林業の知識を楽しく紹介する「お山ん画」と「リン子の絵日記」を配布しました。
今回の森林教室を通じて、特に都市部の児童にも森林の働きと大切さを理解してもらうとともに、職員も児童とふれあい森林の機能等を説明する経験を得ることができました。この成果を、今後の業務運営にも反映していきたいと考えています。
くじゅう地区高山植物保護対策協議会を開催しました
令和元年8月20日、九重町役場で、当署が事務局を務めるくじゅう地区高山植物保護対策協議会を開催しました。協議会は、くじゅう地区の高山植物を保護し、自然環境の保全を図るため、関係機関相互の連携を密にして、地域ぐるみの高山植物保護活動を展開し、くじゅう地区の自然保護に資することを目的としています。
当日は、自治体、警察署、自然保護や観光に関する団体、くじゅう地区の国有林を管轄する熊本、大分、大分西部の各署から担当者等が出席して、渡邊格雄副会長(九重の自然を守る会)の進行で議事を行い、平成30年度の事業内容の報告や令和元年度の事業計画等が承認されたほか、観光客への普及啓発のあり方等について意見交換を行いました。
今後、高山植物保護を普及啓発するパトロールや標識の設置を行うほか、くじゅう地区を代表する貴重な高山植物であるミヤマキリシマの刈り出し作業や自然公園クリーン活動などに参画していくこととしています。
【平成30年度に作成した普及啓発のしおり、協議会の様子】
下刈り機械実証試験に参加しました
令和元年6月18日、日田市天瀬町の民有林で、大分西部流域活性化センターによる下刈り機械実証試験に参加しました。
同センターでは、林業の成長産業化を図る上で、労務やコストの面で課題となっている下刈りについて、機械による下刈りの実証試験に取り組んでいます。
当日は、(株)筑水キャニコム、福岡シマンテック(株)から、アタッチメントの取り替えにより下刈りや伐根の粉砕、残材や苗の集材・運搬といった林内作業に使用できる機械や、4つの車輪がそれぞれ駆動して全方向への移動でリモコンによる遠隔操作も可能な刈り払い機械が用意され、県や市町村、林業事業体からの多くの参加者が見守る中、それぞれ林地での稼働状況を実演しました。
実証試験地は傾斜が比較的なだらかでしたが、各機械はそれぞれ順調に稼働して、植栽木周辺の雑灌木を刈り払っていました。昨年までの取組では、刈り払い機械の稼働には伐根等が支障となる場面もありましたが、実演していただいたメーカーの担当者からは、伐根を粉砕する機械との組合せにより、刈り払い機械の性能も十分に発揮することが期待されるとのことでした。
伐木、造材、集材、造材といった木材の生産過程の機械化は進んでいますが、下刈りをはじめとする造林・育林過程の作業は、依然として労働負担が大きく、林業就業者の定着や伐って植える循環の確立を妨げる要因とも指摘されています。作業の機械化は、労働負担の軽減や安全の確保、ひいては林業の成長産業化に有効、不可欠であり、当署でも、地域の林業関係者の一員として、技術開発の情報を積極的に受信していく考えです。
大分県山岳遭難対策協議会から山岳遭難防止の呼びかけ
大分県山岳遭難対策協議会は、山岳による遭難事故を防止するため、必要な事業を行うとともに遭難事故が発生した場合に組織的な捜索救助活動を行うことを目的として設立され、大分西部森林管理署は協議会の趣旨に賛意を表して、会員として参画しています。組として、安全登山のための積極的広報を実施することとし、以下のとおり「山岳遭難防止の呼びかけ」を行うこととしましたので、以下のとおりお知らせします。
1 遭難防止に向けた取組
(1) 登山届提出を奨励し、計画的で安全な登山の徹底を図る
協議会会員は、登山者に対して登山届提出を奨励するとともに、安全登山のための積極的広報を実施しよう。
(2) 登山道、道標等の整備とその適切な管理に努める
自治体、山岳遭難創作救助隊等による、登山道、道標の整備を推進し、安全登山のための環境を作ろう。
(3) あらゆる機会を通じて安全登山の指導に努める
加盟団体は、山岳遭難の防止に関わる団体として、あらゆる機会を通じて、安全登山のための指導を実施しよう。
2 登山者に向けた呼びかけ
(1) スマートフォン(GPS付き)等の通信機器を携帯しよう。
(2) 経験、体力に応じた無理のない登山をしよう。
(3) 登山届(計画書)を必ず提出しよう。
(4) 照明具、非常食、雨具は必ず携行しよう。
(5) 天候不良時は勇気をもって登山を中止しよう。
(6) 単独登山はやめて、仲間と登ろう。
大分西部森林管理署では、くじゅう連山においてグリーンサポートスタッフによる巡視活動を行って登山者への普及啓発活動を展開しています。引き続き、同活動の着実な実施や、関係機関との情報交換等を通じて、山岳遭難防止に努めていく考えです。
資源の有効利用を目指して採材検討会を開催しました
令和元年5月16日、由布市の蛇越岳国有林で、大分森林管理署と合同して採材検討会を開催し、森林管理署職員、素材生産者、システム販売協定者計約80名が参加しました。
「採材」とは、伐倒した木を、柱や合板といった用途に応じた適切な長さの丸太を得ることを言いますが、用途によって曲がったりキズがある部位は避ける必要があることから、採材の適否によって、一本の木から得られる木材としての価値が変わることとなり、慎重な判断が求められます。
会場には、あらかじめ伐倒された4本の丸太が用意され、それぞれの曲がりやキズの様子を見極めながら、丸太を木材としてできるだけ有効利用するためには、どのような位置と長さで切断すればいいかを検討しました。用意された丸太は、曲がり具合やキズの位置から採材に工夫を要するものが選ばれており、見る者によって採材の見解が分かれるものもありました。採材の検討に当たっては、実際に丸太の直径や長さを測定したり、キズの丸太内部への入り具合を実際に切断して確認しながら、意見が活発に交換されていました。
今回は、伐倒木それぞれについて、形状や品質から最適と思われる採材を時間を掛けて入念に検討しましたが、実際の作業では、丸太の切断は、アタッチメントにソーチェーンを取り付けた「プロセッサ」といった重機により行うことが多いことから、重機の操縦席から、また、短時間に適切な採材を検討して実行する必要があります。今後は、採材の検討をより効率的に行っていくため、オペレータが伐倒木の形状や品質を把握する技術の向上や、これを助ける機械の開発等について、素材生産者等と意見交換を進めていきたいと考えています。
くじゅう連山の国有林でグリーンサポートスタッフが活動開始
平成31年4月17日、九重町の長者原ビジターセンターで、大分森林管理署と合同で、「くじゅう連山」の国有林でグリーンサポートスタッフの出発式を行いました。
グリーンサポートスタッフは、自然環境に優れた国有林を保全するため、巡視活動や来訪者へのマナーの呼びかけなど環境保全のための普及啓発活動を行う森林保護員の愛称で、今季は大分森林管理署で6名、大分西部森林管理で4名が任命されました。
久住山、大船山等からなる「くじゅう連山」は、保護林や国立公園に指定され、これから色鮮やかなミヤマキリシマが咲き誇り、多くの観光客、登山客で賑わいを見せます。九州森林管理局では、当地のほか、世界自然遺産に登録された屋久島や、日本百名山に選ばれている祖母山・霧島山の国有林でも取組が進められています。
当日は、風は強かったものの晴天に恵まれ、スタッフは、長者原ビジターセンター周辺のタデ原湿原でチラシを配付しながら、訪れた観光客の方に対して啓発活動を行いました。出発式は、行楽シーズンの到来を告げる風物詩としても定着しており、多くの報道機関からも取材をいただいて、当署の森林保全の取組をPRすることができました。
当署では、「くじゅう連山」の国有林のうち、管内の九重町側の登山ルートで、毎年、訪問者が増加する春季と秋季に、グリーンサポートスタッフによる活動を行っており、今季の巡視活動は7月はじめまでの主に休日に行うこととしています。
「IOTハーベスタ見学会」に参加しました
平成31年1月29日、森林総合研究所、コマツ等により構成された「高度木材生産機械開発共同事業機関」が主催する「日本林業のスマート化に向けたIOTハーベスタ現地見学会」が大分県玖珠町内の伐採現場で開催され、大分県の林務職員や県農林水産研究指導センター林業研究部の研究者のほか、当署署員も参加して、造材を行いながら、作業時に丸太の径級や長さ等の情報を蓄積・発信して、木材生産・流通関係者間と生産情報をリアルタイムで共有できるハーベスタによる造材作業を見学しました。
現地見学会に先立っては、当署会議室で、同機関代表の森林総合研究所林業工学領域伐採技術担当チーム長の上村巧氏から、同機関が研究開発を進めているハーベスタ等作業機で取得できる丸太の生産情報の有効活用の仕組みの構築への取組や、原木のヤング率、密度、曲がりを自動計測するハーベスタのプロトタイプが完成しつつあるといった開発状況等についての説明がありました。
生産情報の有効活用については、北欧諸国では、生産管理を行う者と現場の林業機械さらには製材所やパルプ工場といった需要者とがインターネットで接続されるとともに、これらの者の間でやりとりする情報の記述形式を定めた規格(Standard for Forest Machine Data & Communication(通称StanFord))が普及していて、いわゆるサプライチェーンが見える化・効率化されているとのことであり、現地では、既にStanFordに準拠してICT機能も備えたコマツのハーベスタを用いて、径級に応じた造材の指示情報の送信、指示に基づいた造材作業、生産データの取得、生産データの精度の確認といった、生産現場での一連の作業の流れを見学しました。
ハーベスタにより造材された丸太について、自動的に計測された長さ等のデータの精度は、自動選別機によるものと遜色がないとの感触が得られているようであり、同機関は、今後、現場におけるさらなるデータ収集に注力したいとのことでした。
このような情報通信機能も備えた林業機械を最大限活用することによって、市況や在庫に即応した採材の指示と実行はもとより、生産量や生産状況について丸太の品質毎のリアルタイムでの把握や、トラックやトレーラ等運材の手配等が容易になり、流通過程の効率化が期待されるほか、ハーベスタやフォワーダなどの実際の作業状況のモニタリングや林内での移動経路といった位置情報のGIS上での表示も可能であることから、オペレータの技能向上、生産性の分析と生産作業の効率化、路網の線形の選定技術の向上にも役立つことが期待されるところです。
署では、充実した森林資源を、できるだけ本来の価値を失うことなく需要者に供給できるよう、また、地域に優れた能力を有する林業事業体が育成されるよう、このような研究開発の情報を積極的に受信して地域での共有を図りながら、木材を安定的に供給するという国有林の使命を効率的に実現していくためのヒントを得ていきたいと考えています。
【写真】現地見学会等の様子
日田の木と暮らしのフェア」に参加しました
平成30年12月9日、日田市等が主催する「日田の木と暮らしのフェア」が「日田市民文化会館パトリア日田」で開催され、署もブースを出展して、クリスマスリースづくり体験などに取り組みました。
このフェアは、日田市等が主催して「林業の盛んな日田。そんな日田で林業のお祭りを開催」するというもので、今年で10回目を数え、当署も協力団体に名を連ねており、昨年もストラップづくりを行うブースを出展しました。
今年は開催時期が2月から12月に移ったことから、署では、ストラップに加えてクリスマスリースづくり体験を行うこととし、出展に向けて、クリスマスリースの材料となる、つるやスギの葉、松ぼっくり、赤い実をつけた灌木などを収集して用意してきました。
当日は、来場した親子の皆さんが、職員のサポートを受けながら、つるを編み込んで作った輪に、思い思いに材料を選んで取り付けては、手作りのリースを完成させていました。署のブースは大好評で、来訪者が途切れることがなく、作られたリースを目にした他のブースの出展者が署のブースを訪れてリースづくりに取り組む姿も見られました。
フェアでは他に、椅子や本棚を作る木工体験、落ち葉のプール、高校生によるジビエを利用したレシピコンクール、高性能林業機械の展示実演、古くから下駄の産地として有名な日田ならではの「日田もりあ下駄い」の下駄のダンスショー、日田の木材と異業種職人の技術を集結した新しい日田家具の展示など、多くの団体から多彩なイベントや出展があり、今年も多くの来場者で賑わいを見せていました。
署では、先月の三芳幼稚園へのクリスマスツリーの贈呈に続き、今回のクリスマスリースづくりと、季節の移ろいと年末の訪れを感じながら、森の恵みを
活かしたイベントに取り組むことができました。今後も、林業地日田に所在する関係機関の一員として、行事への積極的な参加を通じて、国有林のPRと地域林業の活性化に取り組んでいきたいと考えています。
署出展ブースの様子
民有林関係者とともに低コスト造林に関する研修を実施しました
平成30年11月19日から2日間、民有林行政技術支援の一環として日田市役所、大分県西部振興局、田島山業(株)の職員とともに、地域連携や造林事業の担当者、森林官等が参加して、低コスト造林に関する研修を実施しました。
当署では、管内の日田市を「ケーススタディ地区」に設定し、市町村森林整備計画の策定と実行を大分県とともに技術的に支援することとしています。本年4月に策定された同計画では、地域への素材供給量や将来の資源量の確保に向け一定量の主伐を進める必要があるとし、再造林の経費の軽減と着実な実施を推進していくことを重要な取組と位置付けています。
また、当署では、効率的な森林施業を進めるため、地域の森林所有者と森林整備推進協定を締結しています。
そこで、低コスト造林に関する国有林等の取組状況を関係者と共有することが有意義と考え、日田市役所林業振興課河津主査、大分県西部振興局農山村振興部宮﨑技師、日田市地域森林整備推進協定の相手方である田島山業(株)田島大輔氏の参加を得て、熊本南部署管内に設置された団地における低コストモデル実証の状況と、森林総合研究所林木育種センター九州育種場での特定母樹等の育種状況を見学・調査する研修を企画・実施しました。
1日目は、低コストモデル実証団地において、森林技術・支援センターの山下所長、古川副所長、釜森林技術普及専門官から、試験地設定のコンセプトや現状、期待される成果等について説明を受け、低コスト造林についての国有林の取組状況を共有することができました。
2日目は、林木育種センター九州育種場を訪ね、佐藤場長、久保田育種課長、佐藤遺伝資源管理課長、大塚育種技術専門役から、特定母樹が順調に優れた成長を示していること等の説明を受け、早期に伸長して下刈りの必要な時期を脱することによる育林経費節減の可能性を実感することができました。
当署も、今後の造林事業の実施に当たっては、今回得られた知見を積極的に活用して、地域に成果を示していきたいと考えています。
労働基準監督署との合同パトロールを実施しました
平成30年11月13日、中津市内の山国森林事務所管内国有林請負事業現場で、大分労働局中津労働基準監督署との合同パトロールを行いました。当日は、中津市役所山国支所会議室で、当署の治山・林道・生産事業を請け負っている事業体6社、立木販売物件を買い受けた2社を対象に、安全指導を行うための会議を開催し、中津労働基準監督署の柴田健一安全専門官から、林業以外の産業も含めた労働災害の発生状況や事例の紹介と、労働災害撲滅に向けて「災害事例などから同じミスを繰り返さない」、「コミュニケーションを大切にする」といった安全意識を強く持って、安全文化を構築していくことについての講話をいただきました。
次いで、合同パトロールとして、伐倒作業を行っている保育間伐の現場において、待避場所の確認状況や装備、丸太の椪積みの状況、重機の整備状況等を点検し、続いて、林道新設工事の現場に移動し、高所作業箇所での安全措置、注意喚起標識の設置、機材の整理等の状況を確認しました。それぞれの現場では、参加事業体間で、改善すべき点や評価すべき点等についての意見交換を行った後、柴田専門官から講評をいただき、参加者は、労働安全の確保に向けた具体的な取組を確認していました。
署としても、今回の安全会議、合同パトロールを通じて、日頃から様々な産業の労働現場をご覧になっている柴田専門官の安全指導に触れることができ、きめ細やかな着眼点や指導を参考に、請負事業体等の労働災害防止に取り組んでいく考えです。
【写真】合同パトロールの様子
【写真】安全会議の様子、安全意識高揚を図るロゴマーク
日田林工生がインターン体験しました
平成30年10月11・12の両日、大分県立日田林工高校林業科2年生2名が、当署で国有林の業務を体験しました。
進路に公務員を希望している両君は、11日朝に来署し、署長から国有林の業務の概要等の説明を聞いた後、業務グループによる間伐・林道工事実行箇所の状況調査に同行し、九重町内の現地で、高性能林業機械による伐倒、造材作業や林業専用道等を見学しました。
翌12日には、治山グループによる鶴見岳での工事箇所の状況調査に同行し、別府市内での現地で、谷止工の設置状況を見学しました。帰署後、入庁4年目の当署野田真治技官から、公務員として取り組んでいることや、採用試験に向けての心構え等を聞き取りました。
両君とも2日間のインターンシップに熱心に取り組み、「いろいろなことを知ることができ勉強になった」とのことでした。将来、ともに働けることを楽しみにしています。
「くじゅうの自然に感謝する日」の活動に参加しました
平成30年10月12日、「くじゅうの自然に感謝する日」の活動として、署員14名が参加して、九重町の牧ノ戸峠周辺の国有林でミヤマキリシマの刈り出し作業を行いました。「くじゅうの自然に感謝する日」とは、私たちに多くの恵みを与えてくれるくじゅうの自然に感謝することを趣旨として、賛同する多くの団体が環境保全のための一斉ボランティア活動を行うものです。
ミヤマキリシマは、九州の標高約1000メートル以上の山地に生息するツツジの一種で、国の天然記念物に指定されているほか、九重町の「町の花」にも指定されています。毎年5月から6月にかけて見頃を迎えると、山一面がピンク色に染まり多くの登山客で賑わいます。
作業当日は、気温が7度と冷え込みましたが、草刈り鎌でミヤマキリシマを埋める灌木を刈り払っていると身体も温まり、無事に作業を終了しました。作業によって、ミヤマキリシマが、来年の初夏の訪れとともに山々を彩ってくれることを願っています。
〇日田祇園の山鉾の車輪に使うアカマツが製材されました
平成30年10月10日、日田市内の製材所で、当署国有林から生産されたアカマツの丸太が、日田祇園の山鉾の車輪用に製材されました。
日田市では、毎年7月に、約300年の伝統を誇る「日田祇園祭」が開催され、豪華絢爛な9基の山鉾が、祇園囃子の音色とともに疫病や風水害を払い安泰を祈念するため市内を巡行しており、多くの観光客を集めています。この行事は、文化財としても高い価値を認められ、平成8年に、国重要無形民俗文化財に指定されたのに加え、平成28年11月には、ユネスコ無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」にも登録されました。
山鉾に不可欠な車輪には、輪切りにしたアカマツの大径材の赤太部分が用いられており、曳き回しによる摩耗のため、数年使用した後に交換が必要となりますが、近年、資源の減少により原材料となる原木の入手が困難となっていました。
このような状況から、平成28年10月に、日田祇園山鉾振興会から相談を受けた日田市が、九州森林管理局長に対して原材料となるアカマツ大径木に関する情報提供を要請され、当署も情報を収集していたところ、昨年、職員から当署国有林に適材と思われるアカマツ大径木があるとの情報を得ました。
日田市とともに、現地において立木を確認したところ、葉量も少なく樹勢が衰弱していて枯死が必至であったことから、地域の伝統文化の継承を支援する観点も含め伐採することとし、今回の製材が実現する運びとなりました。
当日は、日田市や日田祇園山鉾振興会関係者も参集し、搬入されたアカマツが車輪用に製材される様子を見守りました。慎重な木取りと切断の作業を経て、車輪6個分の材料がととのい、更新に備えて、各町内で池の水などに沈められて、大切に保存されることとなりました。職員の持つ森林情報と地域の伝統文化継承の要望を結びつけることにより、日田市や日田祇園山鉾振興会から謝意もいただくこともできました。今後も、様々な場面での地域との連携を図りながら「現場の声を聞く」取組を進めていきたいと考えています。
【写真】製材の様子
【写真】車輪用材としての適性の現地検討(左)、山鉾の車輪(右)
【写真】日田駅前に勢揃いした各町の山鉾
〇日田市小野公民館で森林の再生について意見交換しました
平成30年9月6日、日田市小野公民館で、公民館による「小野地区まちづくり講演会」が開催され、当署署長が、公民館から頂いた「スギやヒノキの荒廃森林を健全な森林に再生するには」というテーマで講演を行うとともに、これからの森林・林業のあり方について、地域住民の方々と意見交換を行いました。
同公民館がある日田市小野地区は、日田市の北西部に位置し、日田杉の美林が育ちホタルの生息する谷川に沿って僅かに耕地が開けた山村で、林業・農業などで生計が営まれてきました。梨の栽培が盛んなほか、最上流部の小鹿田・皿山は陶芸の里として有名ですが、昨年7月の九州北部豪雨により大規模な山腹崩壊が起こり、消防団員の方が亡くなられたほか、道路の寸断、河道閉塞の発生等により数日間にわたり孤立し、土地や家屋にも甚大な被害を受け現在も復旧工事が進められています。
そのような中、災害を契機として、森林や林業のあり方について改めて考えてみたいとの思いから、公民館から、森林・林業に関する地域の関係官公署として、森林管理署に講演の依頼を頂いたもので、当署としても、災害発生時の状況や現在の森林に対する思い等を地域の方から直接伺える貴重な機会と捉え、また、山崩れや流木被害の原因として、植栽樹種や森林管理に言及する報道等にも接していたことから、学識経験者による調査結果等をお伝えしながら、これからの森林・林業のあり方に関する意見を交換させて頂くこととしました。
当日は、午後7時から地域の方々約50名が集まられ、署長から、九州北部豪雨の概況や林野庁の対応、報道状況、学識経験者による災害現場の調査結果と原因等に関する見解、山地災害防止キャンペーン、日本の森林の資源の充実過程等を紹介しました。参加者の方々からは、発災当時の状況や、水田にすき込む堆肥の製造のために草を刈る場として生活に密接に関わっていた地域の山や、今回の崩壊地に残る広葉樹が生立する一角の来歴、植栽樹種の選定に関する先人からの言い伝えなどを教えて頂きました。
また、森林の多様化を図っていくことが必要であり、国有林がその役割を果たすことを期待するご意見や、どのような森づくりをすれば災害に強い山にすることができるのか、研究機関も持っている国が、しっかりとした方針を示していってもらいたい、とのご意見を頂きました。
現在も、校舎を別の学校に間借りして授業を行っている地元の小野小学校からは、校長先生が参加され、児童がこれから森林・林業を学んでいくに当たって教材となるような資料の紹介・提供のご依頼を頂きました。今回のご依頼を通じて、地域での森林管理署の存在感を確認することができ、今後も、地域との様々な場面での連携を図りながら「現場の声を聞く」取組を進めていきたいと考えています。
【写真】災害直後の崩壊現場(左)、講演会の様子(右)
〇シオジ原生林で森林教室を行いました
平成30年9月5日、日田市前津江町の権現岳国有林で、地元の日田市立前津江小学校と「水の姉妹校」である福岡市立堅粕小学校の児童・先生・父兄計約120名が参加して、森林教室を行いました。
森林教室は、筑後川の水源地域と下流の消費地に位置する両校から、社会生活における「水」の役割等を学ぶため、当署に対して開催の要請があったものです。
当日は当署から9名の職員が参加し、午前中は6年生31名を対象にシオジの原生林として保存している国有林をフィールドとして、森林の保水力や役割等について、教材を使って説明を行いました。その後、子供たちはシオジの大径材に触れ木のパワーをもらい、源流まで足を運び水に触れ「すごく冷たい」と感動した様子でした。
午後は、1~6年生を対象に、「森林の役割に関する紙芝居」、「木の名前当てクイズ」、「種の模型飛ばし」を実施しました。子供たちは、「森林ってすごい!、こんな役割もあるんだ!」といった感想を聞かせてくれ、クイズ・種飛ばしは先生・保護者も夢中になる場面も見られ、質問も多く飛び交い予定時間をオーバーするほどの盛況でした。
今回の森林教室を通じて、特に都市部の児童にも森林の働きと大切さを理解してもらうことができました。この成果を、今後の業務運営にも反映していきたいと考えています。
〇高山植物保護のため登山道をパトロールしました
平成30 年8月17 日、当署が事務局を務める「くじゅう地区高山植物保護対策協議会」の活動として、久住山の登山道で高山植物保護のためのパトロールを行いました。当日は、協議会の会員である九重の自然を守る会、九州林産株式会社、九重町役場、環境省、大分・大分西部両森林管理署から、合わせて22 名が参加し、2班に分かれて、大分県九重町の牧ノ戸峠から久住山と扇が鼻に至る登山道を往復しました。行き交う登山客にチラシとしおりを配布し、登山マナーの向上を呼びかけながら、高山植物の生育状況や看板・標識類の状況を点検しました。わずかにゴミが見られたものの、高山植物の盗採は見られず、看板類の設置状況も概ね良好でした。若干、霧がかかったものの、概ね好天に恵まれ、安全にパトロールを実施することができました。また、テレビ局の取材もあり、パトロールの模様は当日夕方のニュースで放映され、活動をPRすることができました。
パトロールは協議会を設置した昭和54 年から実施しています。くじゅう連山では、やまなみハイウェイが開通した昭和39 年頃にミヤマキリシマの盗採が多発したことから、当時の玖珠営林署や九重の自然を守る会等が高山植物保護や遭難防止のための実施したパトロールを引き継いで実施しているものです。近年は登山マナーも高まっており、盗採はほとんど見られなくなっていますが、大切な自然環境を保全するため、パトロールも継続して実施しています。今年は、秋季の行楽シーズンにルートを変えて実施する予定です。
【写真】活動の様子と高山植物
〇くじゅう地区高山植物保護対策協議会を開催しました
平成30年7月24日、九重町役場で、当署が事務局を務めるくじゅう地区高山植物保護対策協議会を開催しました。協議会は、くじゅう地区の高山植物を保護し、自然環境の保全を図るため、関係機関相互の連携を密にして、地域ぐるみの高山植物保護活動を展開し、くじゅう地区の自然保護に資することを目的としています。当日は、自治体、警察署、自然保護や観光に関する団体、くじゅう地区の国有林を管轄する熊本、大分、大分西部の各署から担当者等が出席して、日野康志会長(九重町長)の進行で議事を行い、平成30年度の事業計画等が承認されました。今後、高山植物保護を普及啓発するパトロールや案内標識の設置、増加している海外から登山客にも対応する多言語のしおりの作成を行うほか、くじゅう地区を代表する貴重な高山植物であるミヤマキリシマの刈り出し作業や自然公園クリーン活動などに参画していくこととしています。
【写真】平成29年度に設置した看板、協議会の様子
〇「日田林工高校でハーベスタシミュレータの体験研修会を開催しました」
平成30年6月14日、大分県日田市の県立日田林工高等学校で、ハーベスタシミュレータの体験研修会を開催しました。ハーベスタシミュレータは、機械メーカーの「コマツ」が開発したもので、ハーベスタによる伐倒・造材作業を、実機のレバーをそのまま採用した操作レバーで行い、パソコンの画面を通じて何度でも疑似体験できるものです。当日は、林業科2年生の授業の一環として、17人の生徒が、コマツ林業機械事業部白井教男氏の指導のもとハーベスタの操作を体験し、伐倒や造材が安全・正確に行えるよう、画面に真剣に見入りながら、左右のレバーを操作していました。生徒たちは、はじめこそ操作に苦戦していたものの、すぐに操作にも慣れて、機械操作への高い適応力をうかがわせていました。
シミュレータは、レバーの操作に応じて、ベースマシンやアタッチメントの動きが画面に映し出され、伐採すると切りくずが飛び、伐倒した木をつかんでアームを動かすと伐倒木をつかんだヘッドがゆらゆらと動くなど、リアルな映像が精緻につくられていました。また、画面はコックピットからの視野と上空からの俯瞰とを自在に切り替えられ、対象物と機械の位置関係を容易に把握できるほか、造材本数や伐倒高さ、所要時間などに応じて点数で評価されるなどゲーム的に操作感覚を養うこともできます。掴みが甘いまま造材しようとして伐倒木を取り落としたり、ヘッドを立木に衝突させたりといった失敗も「安全に」、「機械の修理費用も要らずに」体験できるなど、シミュレータならではの利点を満喫することができました。
生徒たちには、これから我が国で展開していくスマートな林業のイメージの一端を感じてもらえたことが期待されます。また、研修会の終了に当たっては、生徒代表から研修を指導していただいたコマツ担当者に対して、丁重かつ立派な謝辞が述べられました。
当日は、高校生のほか、大分県西部振興局、同林業研究部、同林業アカデミー、林業事業体も参加して、新規従事者に対しても安全に講習することが可能であり、実際の現場や立木、機械、好天日を確保する必要がないシミュレータの利点を確認していました。また、研修会に先立って、当署若手職員3名もシミュレータを体験することができました。
林業の成長産業化を実現する上で、多くの若者の参入がまたれるところですが、そのためには林業が安全な産業であることが欠かせません。海外では急傾斜地であっても伐倒作業をチェーンソーからハーベスタに切り替えることにより、作業者を伐倒作業から解放し、労働災害の発生を抑制しています。シミュレータも各地の教育訓練機関等に標準的に配備されているそうです。また、シミュレータは逐次バージョンアップが予定されており、フォワーダのシミュレータと連動して協調作業の訓練も行えるほか、航空レーザデータを活用して実際の地形と立木を再現するといった方向もバージョンアップの視野に入っているようです。
今回の研修会は、当署がコマツによるハーベスタシミュレータの開発に関する情報を得て、日頃から連携している大分県西部振興局に日田林工高校での開催を打診し、大分西部流域林業活性化センターの取組として実現することができました。また、ハーベスタについては、ICTを活用したスマート林業の確立が課題となる中、現在、森林総合研究所が中心となって、伐木・造材に併せて原木の曲がりや強度といった品質も判定・把握できるヘッドの開発や、ハーベスタが取得した丸太の生産に関するデータの活用方策の検討も進められており、若者の参入促進のみならず、労働安全の確保、林業の生産性向上、地域の林業教育機関との連携といった様々な観点から意義を持つ研修会となったものと考えています。
今後も、国有林のネットワークを活かしながら、民国連携の取組を促進していきたいと考えています。
【体験研修の様子】
【シミュレータ】
〇「木うその森協定」更新調印式
平成30年3月19 日に、木の文化を支える森づくりの一環として、平成16
年に太宰府市木うそ保存会、太宰府市、市商工会と締結した「木の文化を支える森におけ
る森林整備・保全活動に関する協定」を更新して太宰府市役所で締結式を開催しました。
当日は、青柳健夫保存会会長、楠田大蔵市長、佐伯隆幸商工会長と当署署長が出席して新
たな協定書を取り交わしました。「木うそ」とは、太宰府天満宮で行われるうそ替え神事
に参加者が持ち寄る伝統的な民芸品で、太宰府市民遺産の第一号として指定されています。
原材料にはホオノキやコシアブラが使われますが、天満宮近隣の山からの調達が困難とな
ったことから、当署管内九重町の国有林に「木うその森」として設定し、保存会がコシア
ブラの稚樹の刈り出しや除伐作業等に取り組んでいます。今回の協定の更新により、署と
しても引き続き保存会の森林づくりと日本の木の文化を支援していきます。
○「地域の安全確保に向けた森林情報の共有及び長期的な森林の育成に関する協定」の調印式を行いました
昨年7月27日に実施した局長と日田市長・九重町長との地域林政対談を受け、「地域の安全確保に向けた森林情報の共有及び長期的な森林の育成に関する協定」を平成30年2月14日に九重町長と、20日に日田市長とそれぞれ署長との間で締結し調印式を行いました。九重町には管内市町村で最大の約4400ヘクタールの国有林が久住山北麓や九重大吊り橋周辺等に所在して地域の観光資源等となっており、町との間でレクリエーションの森協議会の立ち上げに向けて調整を進めています。日田市では7月の九州北部豪雨の際に、ヘリコプターによる上空からの災害調査データを調査当日に市に提供する等の連携を行ってきています。このような従来からの連携を、今回の協定締結によりさらに進めていくことが確認されました。(写真:左、九重町役場、右、日田市役所)
〇「日田の木と暮らしのフェア」に参加しました
平成30年2月4日、日田市等が主催する「日田の木と暮らしのフェア」が開催され、署もブースを出展して来場した子供たちと、木製ストラップづくりに取り組みました。子供たちは、国有林内から採取して用意された小枝などの材料を選んでは、職員のサポートを受けながら思い思いに様々なストラップを完成させていました。当日は来場者も多く署のブースも来訪者が途切れることがありませんでした。フェアでは他に高校生によるジビエを利用したレシピコンクールや高性能林業機械の展示実演、小学生が変身した「木(もく)レンジャー」のショー、森林総研による北部豪雨災害と森林の斜面崩壊防止機能に関する講演など多彩なイベントがあり林業地日田の底力を見る思いの中、署も関係機関の一員として、引き続き地域林業の活性化に取り組んでいく意識を新たにすることができました。
お問合せ先
大分西部森林管理署
総務グループ
電話0973-23-2161