宮崎県西臼杵支庁との意見交換会実施(令和7年7月25日)
【宮崎北部森林管理署】
7月23日に、宮崎県西臼杵支庁林務課と意見交換会を実施しました。
この意見交換会は、令和5年度まではコロナ過で実施されていませんでしたが、令和6年度から再開され本年度も開催しました。
当日は、宮崎県西臼杵支庁林務課職員8名と宮崎北部森林管理署職員8名により行われ、まず松永眞弥署長より、「忌憚のないご意見等をお願いし、お互い連携を密にして地域の森林・林業の発展に取り組みましょう」との挨拶があり、その後、本会参加者の自己紹介の後、宮崎北部森林管理署の各担当者から令和7年度事業概要や取り組み事項の情報提供を行い、その後、西臼杵支庁林務課から令和7年度の各種事業概要などの情報提供がありました。最後の質問要望では低コスト造林に関して国有林での低密度植栽、筋刈り実施状況や目隠造林に関する質問、また、植栽した苗木の活着状況や地域の苗木生産に関する情報、更に林業専用道日出線整備に関する要望などもあり有意義な意見交換会となりました。
当署では、今後も県や市町村の関係者と意見交換会などを通して、森林・林業の取り巻く情勢などについて相互に情報共有を図り、連携・協力・支援による各施策の推進に向けた取り組みを実施してまいります。
(※宮崎県西臼杵支庁管内は、五ヶ瀬町・高千穂町・日之影町)
国有林の仕事を中学生が職場体験「ナイストライ」(令和7年7月25日)
【総務課】
九州森林管理局では7月8日~10日までの3日間、職場体験学習「ナイストライ事業」を受け入れ、中学生8名に国有林での仕事の一部を体験していただきました。
初日は、九州森林管理局及び森林・林業の概要を説明した後、資源活用課担当の収穫業務として、収穫調査(現行の調査方法と先端技術を用いた方法)を行いました。
二日目は、技術普及課担当の普及業務として、監物台樹木園内を散策しながら樹木鑑定(樹種の見分け方)を行い、午後からはシカカードで遊びながら森林の生態系を学んでもらうなど、森林教室での各種イベントを実体験してもらいました。
最終日は、企画調整課担当の情報機器の活用として、国有林管理に活用するドローンを実際に飛行させ、また、パソコンで森林GISへのデータ取込作業や地図データの利活用等を体験してもらいました。
大変短い期間でしたが、中学生にとって今回の体験が将来の進路の参考となれば幸いです。
ICT技術の現場定着に向けた意見交換会 ~宮北署ICT推進室の取組~(令和7年7月25日)
【宮崎北部森林管理署】
令和7年7月17日、18日、大分森林管理署から3名来署され、ICT技術の現場定着に向けた意見交換を実施しました。当日は、地上レーザ計測機の基本的な操作説明から、データ結合・処理のコツ、ICT推進のために必要なこと、目的と手段に関する考え方等、現場担当者の視点で意見交換を行い、多くの意見が出され大変有意義な時間となりました。
宮北署ICT推進室は、(1)人手をかけずに林業ができること、(2)ICTの技術者を育成すること、(3)取組を通した人材育成をすること。これら3つのことを目的に令和4年度に立ち上げられました。
宮崎北部地域の林業および業務の効率化を目指して、ICTに関する技術の習得、地域関係者と連携した普及活動等に取り組む中で、自ら課題を見つけて実践することができる人材が次々と生まれています。人材育成の結果を判断するのは難しいですが、一番大事なことは自分で「経験」することです。
宮崎北部森林管理署には、ICTを教える「経験」を積んだ技術者と、取り組みを進められるノウハウがあります。現在ICT技術の活用についてはいろんなところで取組が進められていますが、特定の人・分野に集中した「点」での取り組みになってしまいがちです。各自の取組を「点」だけではなく、業務と業務、人と人とをつなげる「線」に、そして、各地域で「点」として取り組まれていることを、情報共有して「面」の取組みにしていくことが大事だと考えています。
中学生が職場体験学習(令和7年7月24日)
【大隅森林管理署】
7月8日から10日までの3日間、鹿屋市立大姶良(おおあいら)中学校3年生の授業の一環として行われる職場体験学習で3名の生徒を受け入れました。大姶良中学校では、(1)職場の見学や実習を通して、働くことの意義や職業に対する意識を高め、望ましい職業観や勤労観を育てる(2)自分の進路や将来の在り方について、目的意識や課題意識をもたせることを目的に職場体験学習を実施されています。
1日目は、職員へ生徒3名を紹介後、国有林の各種事業等の概要、森林の果たす役割及び当署の概要・取組について説明を行いました。その後、松くい虫・マツケムシの被害対策を行っている海岸林を見学し、マツカレハ(マツケムシの成虫)の生態・特徴について説明しました。
2日目は、治山工事の現場を見学し、実際の作業を見ながら山腹工・谷止工など工事の内容や目的などについて説明しました。その後、造林地で、植付・下刈の説明をし、森林整備保育間伐(活用型)現場で伐倒と高性能林業機械による集造材作業を見学しました。最後に収穫調査における立木の測り方(直径・樹高)について、実際に体験してもらいました。
あいにくの雨天となった3日目は、署内での体験となりましたが、オルソ画像や国有林GISを活用した山の見方について説明を行い、さらに署敷地でコンパス測量・GNSS測量に挑戦してもらいました。また、カードゲームを活用し、造林地で行われている一連の作業のおさらいをしました。最後に、生徒と若手職員による意見交換を行い、進路や就職後の生活についてイメージを深めてもらいました。
職場体験学習は3日間と短い期間ではありましたが、3名の生徒は真剣に取り組み、多くのことを吸収することができたと思います。森林や林業について学んだだけではなく、森林管理署のような職場があり、それを見てきたという体験そのものが将来への一助になれば幸いです。
五木地域森林整備推進協定第1回WG会議を開催(令和7年7月24日)
【熊本南部森林管理署】
7月17日、18日に五木地域森林整備推進協定に基づく令和7年度第1回WG会議を開催しました。
17日は大畑(おこば)国有林65林班に関係者29名が集まり、面的な複層状態への誘導に関する現地検討会を行いました。
初めに事務局を代表して熊本南部森林管理署元山英樹署長からICT機器の活用や造林コストの削減など『新しい林業』への取組み状況などの挨拶で始まりました。
現地検討会については、当署の総括森林整備官より、面的複層林の考え方や伐区設定時の注意点等について説明を行いました。説明に際しドローンを活用し上空からの映像をモニターに映しながら伐区の配置状況等を確認しました。参加者からは「伐区の配置や周辺林分の状況等が解りやすかった」と好評でした。
18日の会議では、(1)令和6年度の実績報告及び協調出荷の状況・令和7年度の実施計画。(2)令和6年度ロードマップの実施状況。(3)基幹林道等の復旧状況及び今後の復旧計画。(4)令和7年度の取組みについて協議し、協定者間での情報共有を行うことが出来ました。
また、局資源活用課からは、森林整備部の取組みとして、ニホンジカによる獣害対策を意識した「目隠造林]の試行について情報提供が行われました。
全ての議事を終え、九州森林管理局山添晶子総務企画部長から、「林業成長化産業のため、今後も取組みを継続して欲しい」との挨拶で閉会しました。
屋久杉自然館特別展オープニングセレモニーに出席(令和7年7月23日)
【屋久島森林管理署・屋久島森林生態系保全センター】
令和7年7月23日、屋久杉自然館において、特別展「いのちをつなぐ~屋久杉巨樹・著名木展~」のオープニングセレモニーが開催され、当署及び屋久島森林生態系保全センターから出席しました。
開催に当たり、参加者を代表して野邊屋久島森林管理署長より調査に参加していただいた町内の関係機関・団体へのお礼の挨拶の後に、屋久島森林生態系保全センターの古市行政専門員から調査の概要説明が行われました。
特別展では、世界自然遺産登録30周年記念事業の一環として屋久島町内の関係機関・団体の協力を得て令和4年7月~令和5年10月にかけて国有林内に賦存する屋久杉巨樹・著名木のうち、屋久杉自然館が発行する書籍「屋久杉巨樹・著名木」に掲載されている37本と登山道沿いにある名前のついた屋久杉10本について、樹高、胸高周囲長、着生木などの最新の調査結果と著名木の名称由来や倒れてしまった弥生杉、翁杉など倒木前の貴重な写真などを展示しています。
屋久島にお越しの際は、是非、屋久杉自然館にお立ち寄りいただき、特別展をご覧ください。
ヤクスギ土埋木の検知方法勉強会を開催(令和7年7月23日)
【屋久島森林管理署】
令和7年7月22日、屋久島森林管理署及び安房貯木土場においてヤクスギ土埋木の検知勉強会を開催しました。この勉強会は、屋久島特有である土埋木の検知に関する知識の共有と検知技術の向上を目的として、当署職員及び関係者等16名が参加しました。
屋久島森林管理署会議室にて、野邊署長から土埋木の生産や販売についての話のあと、担当職員から検知に関する各種規程を説明しました。参加者は土埋木特有の検知や計算方法について積極的にメモを取りつつ質問を交え、理解を深める姿が見られました。
後半は安房貯木土場へ移動し4グループに分かれて実際に土埋木8本の検知を行いました。通常の丸太の検知とは異なり複雑な形状の素材を検知する必要があるため、どこを測るのかなど苦心する姿も見られましたが、各グループ検知を完了することができました。
今後も土埋木検知の知識や技術を継承するため、勉強会を開催していく予定です。
「一ツ瀬川流域森林整備連絡会議及び学習会」を開催(令和7年7月22日)
【西都児湯森林管理署】
7月17日、児湯広域森林組合会議室において、宮崎県児湯農林振興局、管内7市町村の林務担当者、森林組合、森林施業プランナーを有する事業体、西都児湯森林管理署職員の総勢約30名が参加し、一ツ瀬川流域森林整備連絡会議及び学習会を開催しました。
連絡会議では、当署から令和6年度の活動実績報告及び令和7年度の活動計画(案)の概要等について説明を行いました。令和7年度の活動計画(案)については、各会員から要望のあった内容を反映しており、市町村森林整備計画や森林経営管理制度、国有林の一貫作業システム、獣害対策に係る取組等の詳細について、県、市町村及び当署の担当者が説明を行い情報の共有を図りました。今後、国有林の森林施業箇所において、森林整備の基礎知識を習得する観点から現地検討会を開催する予定です。
連絡会議に引き続き実施した学習会では、当署から、九州局における再造林コストの削減に係る取組として、(1)長方形植え、(2)下刈(筋刈)、(3)下刈方法を工夫したシカ被害対策(目隠造林)の説明を行い情報を共有したほか、鳥獣被害対策に取り組む企業から、くくり罠と通信機器を連動させた捕獲通知システムの実演と説明が行われました。なお、今回、学習会で実施した再造林コストの削減の取組や鳥獣被害対策については、一ツ瀬川流域における重要な課題でもあることから、各会員の関心は非常に高く、大変有意義な学習会となりました。
今後とも、関係者間で連携して学習会や現地検討会を開催するなど、引き続き一ツ瀬川流域の特色を生かした森林施業や諸課題の解決に向けて取り組んでまいります。
屋久杉土埋木を銘木市に出品(令和7年7月7日)
【屋久島森林管理署】
令和7年7月4日、鹿児島県木材銘木市場協同組合において銘木市が開催され、当署から屋久杉土埋木約10立方メートルのほか、治山工事支障木で発生した高齢級のスギ、ヒノキ約0.5立方メートルを出品しました。
開催に先立ち、鹿児島県木材銘木市場協同組合理事長の挨拶の後、野邊屋久島森林管理署長より参加した方々への御礼とともに、出品した材の紹介を行った後、10時より入札が始まりました。
出品した屋久杉土埋木は、きめ細かな年輪や虎杢と呼ばれる特徴的な杢が見えている材もあったほか大小さまざまな土埋木が含まれていました。希少な材を積極的に落札する動きが見られ、最高入札額は1立方メートル当たり単価(税抜き)で約6,850千円、平均単価は約1,721千円となり、屋久杉土埋木の価値をあらためて実感する結果となりました。
また、高齢級スギ材は1立方メートル当たり1,880千円、高齢級ヒノキ材は580千円となり、通常出材されない高齢級スギ材及びヒノキ材の希少性を反映した結果となりました。
引き続き、屋久杉土埋木の伝統産業用資材として計画的な供給を図りつつ適切な管理及び販売を実施していくこととしています。
令和7年度新規採用者の研修を実施(令和7年7月3日)
【総務課】
5月と6月の2回にわたり、令和7年度新規採用者を対象とした研修を実施しました。
研修では、社会人及び林野庁職員としての心構えについての講話をはじめ、各事業の概要等を中心とした講義を行い、国有林野の事業等について学習しました。
現地研修では、熊本森林管理署管内の菊池渓谷にてレクリエーションの森について学び、また、肥後木材(株)の協力を得て原木市場やプレカット工場等を見学しました。
九州森林管理局では4月から新たに34名が加わりました。これからたくさんの知識と経験を積みながら、今後の国有林を担う力となることを期待しています。
森林を学ぶ体験学習「出前講座」の開催(令和7年6月19日)
【技術普及課】
6月5日、城南福祉センターにおいて、教育相談室フレンドリー「火の君教室」からの要請に応じ、4名の中学生を対象に出前講座を実施しました。
「出前講座」は、森林の役割や利用などについて理解と知識を深めていただくため、依頼のあった学校や施設等に技術普及課の職員が出向いて森林に関する体験学習を行うイベントです。
今回の出前講座では、はじめに森林の働きや自然について簡単に知ってもらうため「森のクイズ」を行い、次に熊本のヒノキを使った「箸づくり体験」、そして最後に当局職員が考案した「シカカード」を使って森林と人との関係をゲーム形式で学びました。
森のクイズでは、人を襲う最も危険な蜂である「スズメバチ」の実物を見せると興味深く見ていました。箸づくりでは、初めて使うカンナに手こずっていましたが、徐々に慣れるとカンナ屑も薄くなり見事な箸が出来上がりました。
当課としても、子ども達と交流できる貴重な機会として充実した一日となりました。
今後も、次代を担う子ども達へ向けて、森林が持つ大切な役割や木材の魅力等を伝えていくため、関係機関と連携しながら森林環境教育や出前講座を推進していきたいと考えています。
熊毛地域の森林土木事業等に係る国と県の連絡会議(令和7年6月16日)
【屋久島森林管理署】
6月12日~13日にかけて熊毛地域の森林土木事業等に係る国と県の連絡会議が開催され熊毛支庁関係者、当署からは次長はじめ各グループの担当者が出席しました。この連絡会議は、令和6年度より開催しており、治山・林道事業の計画、諸手続きに関する連絡調整や、治山・林道工事の設計に係る情報交換することにより、熊毛地域における森林土木事業等の円滑な推進に資することを目的としています。
初日は、南種子町前之浜海岸において熊毛支庁による保安林総合改良事業、国有林が実施している西濱山治山事業の実施状況を視察しました。二日目は、熊毛支庁会議室において、前日の視察箇所を含めた各機関の今年度工事の発注予定や、各事業の実施状況等それぞれの立場で説明を行い、その後の意見交換においては、資材価の高騰や人員不足に係る入札不調対策や工事に係る貸付申請、保安林協議等の各種手続きなど参加者から活発な意見交換が行われ有意義な会議となりました。
当署では今後とも会議を継続していく予定であり国と県が一体となった森林土木事業、森林整備事業に取り組んでいきます。
協定締結による国民参加の森林づくり(令和7年6月16日)
~多様な活動の森「生見潮騒の森林」協定締結~
【鹿児島森林管理署】
令和7年6月12日、生見まちづくり協議会(会長古殿和博)と鹿児島森林管理署は、国民参加の森林づくり制度に基づく「多様な活動の森」の協定を締結しました。
当該箇所は、霧島錦江湾国立公園の南部に位置する、日本百景の一つである錦江湾にある生見海岸で、生見海水浴場に隣接する潟口国有林85林班(1.03ha)を選定。
白砂青松の松林内の清掃・美化活動などを通じ保全を行い、来訪者に安全、安心な環境を提供するための整備を行い地域社会に貢献することを活動目標とし、名称を「生見潮騒の森林」としました。
実施主体の生見まちづくり協議会古殿会長は、「松林内の清掃・美化活動を通じて、来訪者や通行する車窓から、美しい松林を見ていただき、癒しの場の提供、地域社会への貢献と次の世代へつなぐ活動を行っていきたい」と述べられています。
今回の協定締結で、白砂青松の松林内の保全や地域社会への貢献が期待されます。
旧鹿児島貯木場 屋久杉等海上輸送施設遺構が林業遺産に登録(令和7年6月6日)
【鹿児島森林管理署】
一般社団法人 日本森林学会が選定する林業遺産に旧鹿児島貯木場及び安房船留等が登録されることとなり、令和7年5月28日鹿児島県立石橋記念公園・記念館において、林業遺産九州地区推薦員である鹿児島大学農学部奥山助教より鹿児島森林管理署の香月英伸署長へ林業遺産登録認定書の授与がありました。
また、同所の記念公園・記念館において、鹿児島大学生が作成しました「旧鹿児島貯木場:屋久杉等海上輸送施設遺構」のパネル展示を令和7年6月30日まで行うこととしています。
大分県との意見交換会及びシカネット比較実証試験地現地検討会(令和7年6月6日)
【大分森林管理署・大分西部森林管理署】
令和7年3月6日に大分西部森林管理署と大分県西部振興局が連携して大分西部森林管理署管内の市町村、森林組合及び林業事業体を対象にシカネット比較実証試験地現地検討会を開催した際、当日、参加が出来なかった大分県から、再度の現地検討会開催の要請を受け、大分県との意見交換会に合せてシカネット比較実証試験地現地検討会を開催することとしました。
5月27日(火曜日)の大分県との意見交換会では、大分県から将来的な資源の確保のため、ヒノキの植栽を進めたいが獣害被害を懸念しており、その対応について国有林からの情報提供を求められました。国有林からは、翌日に予定しているシカネット比較実証試験地現地検討会の資料を説明するなど、国有林と民有林が連携した獣害対策等について活発な意見交換を行いました。
5月28日(水曜日)に大分西部森林管理署管内の森平家山国有林211に林小班外で大分西部署・大分署が連携して、大分県庁、大分県林業研究部、大分県西部振興局等21名でシカネット比較実証試験地の現地検討会を開催しました。
初めに杉崎浩史大分西部森林管理署長からシカネット比較実証試験地の概要説明を行い、大分西部署の古澤竜喜森林技術指導官及び大分署の渡邊昭伍森林技術指導官が令和6年の誘導伐箇所等に設置した、100mm目と50mm目のスカート付きのシカネットや100mm目と50mm目のスカート無のネットに50mm目のスカートを取り付けたシカ柵及び、大分県内で先進的にシカ被害対策に取り組んでいる佐伯広域森林組合使用のオレンジ色の強化繊維で作った100mm目のスカート付きのシカネットの説明を行いました。
参加者からは、シカネットの見回り頻度やアンカーピンの大きさや密度、ネットごとの1m当たりの単価やネット設置に必要な人工数など多岐にわたる質問等が出され、参加者全員による熱心な現地検討会となりました。
また、100mm目のシカネット設置箇所では、造林地の中にノウサギによる植栽木の被害が見られるなど新たな問題点も発見され、今後の更なる対策の必要性を感じました。
第37回平成新山防災視察登山に参加(令和7年6月2日)
【長崎森林管理署】
5月12日、第37回平成新山防災視察登山が実施されました。この防災登山は島原市と九州大学地震火山観測センターが主催となり、防災業務の一環として、毎年春と秋の年に2回行われています。九州森林管理局からは松木森林整備部長と中島治山課長が、長崎森林管理署からは濵本署長を含め5名が参加し、行政や消防、報道関係者など総勢80名以上が平成新山の山頂1483mを目指しました。
山頂までの行程は、鮮やかなピンク色のミヤマキリシマが咲き誇る標高1079mの仁田峠からスタートし、仁田駅から3分ほどロープウェイに揺られ、標高1285mの妙見駅へ。駅から少し登った先にある展望所で雲仙温泉街や有明海を一望した後、いよいよ登山道を進み、「風穴」と呼ばれる洞窟のような場所では、かつて養蚕が行われていたという歴史を学ぶこともできました。さらに登山道を進んでいき、普段立ち入ることのできない警戒区域内へと足を踏み入れると、これまで木々に囲まれた道が一転、植物が低木や草本に変わって視界が開け、辺りにはゴロゴロと大きな溶岩が現れてきました。岩の間から噴気が立ち上っているところもあり、この山が火山なのだと実感させられました。なんとか続いていた道もなくなり、最後は溶岩の上をよじ登りながら進んでいきました。緑がほとんどなく、溶岩が積みあがった光景は、地球とは違う惑星にいるようでした。やっとの思いで山頂に辿り着くと、噴気に覆われた溶岩尖塔が現れました。尖塔の基部付近では噴気の温度を測ったり、九州大学の松島教授や長崎地方気象台の職員から「噴火の兆候は見られない」といった説明がありました。また、国交省雲仙砂防管理センターの職員からは、山の斜面から島原市方面へ突き出た溶岩ドームについて「年に5cmずつ島原市方面へ移動しているが、ずり下がりは落ち着いている」という説明もありました。
43人が犠牲となった大火砕流から34年経った今、実際に自分の足で険しい山に登って説明を聞くことで自然の驚異を認識し、改めて防災意識の大切さを考える1日となりました。
雲仙田代原ミヤマキリシマ保全活動ボランティア(令和7年6月2日)
【長崎森林管理署】
令和7年5月10日(土曜日)に十八親和銀行主催の雲仙田代原ミヤマキリシマ保全活動ボランティアが開催され、雲仙市内の銀行7支店より行員やそのご家族、雲仙市やNPO法人奥雲仙の自然を守る会などが参加し、当署からは署長他2名の職員とともに田代原風致探勝林にてミヤマキリシマの刈り出し作業に参加しました。
雲仙のミヤマキリシマは、九州の山岳地帯にのみ分布している細葉小花のツツジ科の植物で、4月~6月頃にピンクや白、紫や赤色の花を咲かせます。雲仙のミヤマキリシマは標高の関係からヤマツツジと自生地が重なることで交配し、色とりどりの花を咲かせるようになっています。また、草原環境を好み、日陰では自生することができないという特徴があります。そのため、ミヤマキリシマの分布域は昭和初期では880haでしたが、草原の減少とともに昭和の終わりには33ha、そして現在は10~15ha程度に減少してしまいました。その中でも田代原はミヤマキリシマの群落が多く残っている地域であるため、NPO法人奥雲仙の自然を守る会とレクリエーションの森の協定を行い、レク森の整備を行いながらミヤマキリシマの咲く草原を維持しています。
雲仙国立公園は、国内で最初に選定された国立公園の1つであり、今年で91周年を迎えるため、100周年を見据えてミヤマキリシマ群落を保全し回復を目指して保全活動に取り組んでいます。
保全活動終了後、雲仙ミヤマキリシマ保全活用連絡協議会総会が雲仙田代原トレイルセンターにて開催され、オブザーバーとして本署から佐伯総括森林整備官が出席しました。
本協議会では、国立公園「雲仙」指定100周年に向けて、雲仙地域に群生するミヤマキリシマを取り巻く環境及び景観を保全し、観光資源としての活用を促進することを目的とし、環境省や長崎県、長崎大学、NPO法人奥雲仙の自然を守る会、雲仙市等10団体により昨年度発足しました。今後も当署では、協議会と共にミヤマキリシマの保全活動に取り組んでまいります。
第75回沖縄県植樹祭に参加(令和7年5月30日)
【沖縄森林管理署】
令和7年5月10日(土曜日)、沖縄県、(公社)沖縄県緑化推進委員会および八重瀬町の主催により、八重瀬町中央公民館において、第75回沖縄県植樹祭が開催されました。大会テーマ「共に育てる郷土の緑」の下、一人一人が緑の大切さを改めて学び、自然環境の調和及び森林の保護と再生に努めていくことを目指し、国・県・市町村の関係者や関係団体のほか、多くの地元の方が参加される中、開催されました。
本植樹祭では、リュウキュウコクタン、リュウキュウマツ、ウラジロガシ、アマミアラカシ、ミニサンダンカなどの樹種の苗木350本以上が植えられる予定でしたが、当日はあいにく悪天候であったため、植樹作業は後日主催者により実施されることとなりました。それでも、一般参加者への苗木の配布や、沖縄県緑の少年団連盟の代表者による力強い大会決議などを通じて、本植樹祭の意義は参加者に十分伝わったものと思います。
来年度の第76回植樹祭は北谷町で開催予定です。沖縄森林管理署では、地域における豊かな緑の育成活動に、引き続き協力してまいります。
「虹の松原」松くい虫防除(空中散布)を実施(令和7年5月27日)
~佐賀県、唐津市、唐津警察署、地元の団体等の協力で松くい虫防除を実施~
【佐賀森林管理署】
5月20日早朝、佐賀森林管理署では、唐津市の虹の松原国有林において、松くい虫被害を防止するためのヘリコプターによる薬剤散布を行いました。実施にあたり、前日には佐賀県、唐津市、地元漁協等の関係機関と打合せを行い、確認飛行や各々の持場、役割分担等の確認を行いました。当日は、開始早々に若干の風はあったものの実施に影響はなく、薬剤散布を実施することができ、唐津警察署の協力のもと県道等の交通規制を実施し、約3時間ほどで終了することができました。なお、人家、宿泊施設等周辺は12日~15日の間で地上散布を実施しました。
松くい虫被害(マツ材線虫病)の防除は、マツノザイセンチュウを運ぶマツノマダラカミキリを駆除することを目的として行い、羽化する前のこの時期に実施しており、松くい虫被害は、直近5年間の平均では約300本程度に抑えられています。
当署では、国指定の特別名勝である虹の松原を保全することは重要な課題であると考えています。今後も、松原の公益的機能の発揮と景観を維持するため、佐賀県、唐津市、ボランティア団体、地元各団体や地域住民と連携して「虹の松原の保全・管理」に取り組んでいくこととしています。
「コウヤマキ保護協議会」による登山道整備を実施(令和7年5月23日)
【西都児湯森林管理署】
当署管内の吹山国有林60林班(西都市)には、平成12年に林野庁が将来にわたって保全すべき巨樹・巨木を「森の巨人たち100選」として選定した、推定樹齢350年のコウヤマキが生育しています。平成16年には、コウヤマキを保全・保護することを目的に「コウヤマキ保護協議会」が設立され、毎年、登山道の整備等を行ってきました。また、このコウヤマキは、平成29年には宮崎県の「みやざき新巨樹100選」にも選定されています。
この度、5月20日の「コウヤマキ保護協議会」による登山道の整備を案内したところ、地元自治体や森林組合、事業体、当署職員など総勢約40名の参加がありました。登山道の整備に先立っては、協議会会長のあいさつに続き、当署署長から安全作業への協力をお願いした後、3班に分かれて登山道に堆積した落ち葉や土砂の撤去、腐朽した木製階段の取替などに汗を流しました。
今後は、コウヤマキの保全活動に併せて、広く一般の方に親しんでいただけるよう、引き続き当協議会と連携してPR等に取り組んでまいります。
コウヤマキの愛称:「三納(みのう)・吹山のマキちゃん」(平成26年に募集し決定)
緑の募金にご協力いただきありがとうございました(令和7年5月21日)
【技術普及課】
今年も緑の募金全国一斉強調月間である「みどりの月間」(4月15日~5月14日)にあわせて緑の募金運動を実施しました。
緑の募金贈呈式として、4月14日に九州森林管理局局長室で九州国有林採石協会中田博基会長、4月15日に熊本市中央区のKKRホテル熊本で一般社団法人九州林業土木協会山本求道会長(当時)より、それぞれ緑の募金が手渡されました。
集まりました募金は、国土緑化推進機構と熊本市地域みどり推進協議会を通じて、身近な地域の森林(もり)づくりや地球温暖化の防止など、各種活動の活性化に活かされています。このたびは、緑の募金運動へのご協力、誠にありがとうございました。
緑の募金運動協力団体一覧(敬称略・順不同)
一般社団法人 九州林業土木協会
一般社団法人 林道安全協会九州支所
一般財団法人 日本森林林業振興会熊本支部
一般財団法人 森林・林業調査研究所九州支部
九州国有林採石協会
九州国有林林業生産協会
株式会社 森和
治山・林道工事コンクール表彰式を開催(令和7年4月30日)
【治山課】
4月15日に九州森林管理局大会議室において、令和6年度治山・林道工事コンクールの表彰式を開催しました。
本工事コンクールは、治山・林道工事の設計・施工技術の向上、並びに関係者の意欲高揚を目的に実施しており、令和5年度に施工した工事の中から工事内容が良好で他の模範となる治山工事5件、林道工事5件に対し、九州森林管理局長賞を授与しました。
また、林野庁長官賞を受賞した2件の工事(治山工事1件、林道工事1件)に対し、記念品の贈呈を行い、工事の現場代理人等に対し九州森林管理局長賞を授与しました。
橘九州森林管理局長からは「各社が長年の経験により培ってこられた高度な施工技術、適正な施工管理による優れた工事の実績が認められたものであり、特に現場条件の厳しい国有林内での治山・林道工事に直接携われた担当技術者の方々の徹底した安全管理、施工管理により無事工事を完了されたことに改めて敬意を表します」との祝辞があり表彰式を終了しました。
受賞者は次のとおり。
林野庁長官賞
芦北地区治山工事(椛谷外2) 岩田建設株式会社
冷水101林道新設工事 林建設株式会社
九州森林管理局長賞
【治山工事の部】
安中温泉岳治山工事(0渓) 大政建設株式会社
秋切谷治山工事 永野建設株式会社
第一相川治山工事 林建設株式会社
桜島地区治山工事(西道川本流上流) 株式会社森山(清)組
桜島地区治山工事(古良河川) 株式会社森山肇組
【林道工事の部】
仁原林道災害復旧工事 有限会社ふじもと
白岩林道改良工事 第一建設株式会社
板谷矢櫃林道改良工事 株式会社桑原建設
東折田代林道改良工事 丸宮建設株式会社
地寄林道災害復旧工事(災1)及び改良工事 有限会社栄倉組
【技術者の部】
芦北地区治山工事(椛谷外2)
現場代理人 那須 信也
監理技術者 上村 功一
冷水101林道新設工事
現場代理人 犬童 健二
監理技術者 西園 光教
監督職員 針持 秀一
「令和7年度 九州森林管理局重点取組事項」記者発表(令和7年4月24日)
【企画調整課】
4月24日、令和7年度の九州森林管理局重点取組事項について記者発表を行いました。
今回発表した内容は以下のとおりです。
(資料は 九州森林管理局の重点取組事項:九州森林管理局 に掲載)
重視すべき機能に応じた管理経営
森林・林業施策全体の推進への貢献取組【令和7年度重点取組事項】
育成複層林への誘導、鳥獣被害対策
造林事業の低コスト化にかかる取組
国有林材の販売
山地災害への対応、森林環境教育、市町村等への技術支援
質疑応答では記者からそれぞれの事項(特に造林事業の低コスト化にかかる取組、国有林材の販売)について質問があり、局長及び担当部長から現状や今後の見通し等を交えながら回答し、取組への理解を深めていただきました。
お問合せ先
総務企画部総務課
担当者:総務課課長補佐(総務担当)
ダイヤルイン:096-328-3500