森林の育て方、木材生産
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問17 木はどのように育てるのですか。
答え
苗木を植えてから、木材として利用できるようになるまでには、40~50年ほどの期間がかかります。この期間に、下刈り、つる切り、除伐、間伐などの手入れをします。
- 下刈り
山に植えた苗木を、造林木といいます。造林木の周りには、雑草や雑木が茂り、造林木の生長のじゃまをします。この雑草や雑木を刈りとる仕事を下刈りといいます。下刈りは、苗木を植えた年から6年ほど毎年続けます。下刈りは、草の生長のさかんな夏の時期(5月中旬~8月)にしますので、林業の仕事のなかでも、とてもきつい仕事です。 - つる切り・除伐
下刈りが終わっても、クズなどのつる植物が造林木にからみつきますので、これを切り取ります。この仕事をつる切りといいます。 また、造林木は競争しあって成長します。なかには競争に負けてしまう木 がでてきますので、もう育つ見込みのない木や、新しく生えてきた植えた目的以外の木を切除します。この仕事を、除伐と言います。つる切りや除伐は、8年目ごろから数年おきに、それぞれ約2回ずつ行います。つる切りは6月~10月、除伐は年間を通じて実施します。 - 間伐
造林木は、20年ほどたつと、直径が10~15センチメートルになります。そのころには、木の枝と枝が重なりあい、林の中に入る日光が少なくなることから、ひょろひょろとした木が目につくようになります。このように、木がこみすぎている森林は、病気や害虫、台風などの被害を受けやすくなります。そこで,森林の中に、日光がよくさしこむよう、弱った木や、枯れた木を間引き、木と木の間かくを広げます。この仕事を、間伐といいます。間伐は、木材を利用するようになるまで、5~6年または数年おきに繰り返し行います。
- 下刈り
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問18 木の苗はどのようにして作りますか。
答え
「良い森林は、良い種から出来る」これは、野菜も米も同じで木の場合も良い種を苗床(畑)にまくことから始まります。
この後も、野菜の育てかたと同じように、間引き、肥料、水やりなどを行いじょうぶでガッチリした苗を作るのです。
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問19 伐採した木はどこにもっていくのですか。
答え
伐採した木は、木材丸太として市場へ持って行きます。そこで、野菜の市場と同じようにセリが行われ製材所へ買われていきます。
製材所では家を作る材料としての柱や板として加工されます。これがみなさんの家を建てるときの材料となったり家具の材料となります。
また、伐採された木は、紙の原料(チップ)として製紙会社に運ばれ、生活に欠かせないいろいろな種類の紙になり利用されます。
最近ではバイオマス発電などにも伐採した木の端材が利用され、木材の活用が進んでいます。
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問20 1.スギ、ヒノキの木は、苗を植えてから伐採までに何年かかるのですか。
問20 2.立派な大きな木になるのに何年かかるのですか。答え
木を切る林齢(伐期齢)は、木を育てる目的に応じていろいろと考えられますが、一般的に九州の場合はスギ、ヒノキは40~50年程度。
また、木を育てる過程で木を切る間伐は、地域により変動しますが20~30年程度で伐採して利用されるようです。九州の国有林では、今まで普通伐期(一般に木を切って利用する伐採の林齢)の林分では、スギ40年、ヒノキ45年を伐期齢としていましたが、森林のもつ公益的機能の発揮等の観点から伐期の長期化を図ることとしています。
一例として、水土保全林(水源かん養タイプとして期待されるもの)におけるスギ普通伐期林で40年を60年に、長伐期林で70年を100年に。
また、同じくヒノキで45年を70年に、80年を120年に移行していくこととしています。
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問21 紙を10,000枚作るのに必要な木の大きさはどのくらい必要ですか。それは、本数にすると何本ですか。
答え
おおまかなことになりますが、B4(画用紙程度)の紙10,000枚を作るために必要な大きさ(量)は0.12立方メートル。
立っている木で言いますと胸の高さの直径が16cmで、高さが12mの木1本が必要となります。
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問22 「炎天下または寒いとき公園のベンチは、木製、コンクリート製のどちらがよいか。」のアンケートの回答は「木製」となりました。それでは、木製とコンクリート製ではどのようなところが違うのですか。
答え
木材の構造は、細胞という空洞の集まりで構成され、この空洞にある空気によって熱が遮断(通りにくくなる)され、暑い夏でもあまり熱くなく、寒い冬でも冷たくないのです。
これに対して、コンクリート製は密度が高く(空洞がない)、熱を伝えやすいことから暑い夏のには熱く、寒い冬には冷たいのです。