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九州森林管理局

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    森林と木

    • 問1 森林はどうやって出来ていくのですか。

      答え

      一般的に自然に作られていく森林を「天然林」といい、種を育て植えるなどのように人手をかけて作られていく森林を「人工林」といいます。それではそれぞれの森林はどのように出来ていくのでしょう。大ざっぱに、次のように言えます。

      1. 天然林
        何もない原っぱの状態であると、鳥や風などよって運ばれた種が芽を出しさまざまな種類の木が茂り森林が作られる(下記の図)。
      2. 人工林
        優れた種(品種改良などの種)を畑にまいて、苗を育て、それを一本一本山に植え、育つまでに下草刈、除伐(育てている木以外の雑木の刈はらい)、間伐(間引き)などの手入れを行うことにより立派なスギ、ヒノキなどの森林が作られる。

    • 問2 樹木とは何ですか。

      答え

      木と草と言ってもよく見てみると、どちらか分からないものがあります。
      樹木は、

      1. 茎に木部(木材)がたくさんつくられ、茎はだんだん太くなります。
      2. もう一つの大きな特徴は茎が1年だけでなく、何年も生長しつづけて太くなっていくことです。そのため年輪を数えることができます。

      といった条件を満たすものです。代表的なものがスギ、ヒノキ、カシなどです。
      たとえば、竹やシュロは1の条件を満たしますが、2の条件は満たしません。
      このことから竹やシュロは樹木ではないのです。バナナも同様です。



    • 問3 いつごろ木は出来たのですか。

      答え

      地球の歴史からおおよそ2億年前と考えられています。まず針葉樹が、次いで1億年前から広葉樹が出てきたのではと言われています。

      なお、イチョウはヨーロッパでは1億年前世界中で栄え、その後絶滅したと考えられていました。
      それが日本に存在するというので大反響を引き起こし、進化論の父ダーウィンはイチョウを「生きている化石」と呼びました。

      また、同じようにメタセコイアも1億年前栄えた植物で、1945年中国の四川省で大木が発見され、世界中に「生きた化石」として大反響を引き起こしました。
      なお、地球の歴史45億年からすると、非常に最近の出来事といえるでしょう。(参考:人間の歴史は2百万年といわれています。)



    • 問4 似かよった木は、どうやって見分けるのですか。

      答え

      木の形態(ありさま)は、人の顔がそれぞれ異なるように違います。

      しかし、葉の形、花の形、種の形は、それぞれの特徴がハッキリとでてきます。なかでも葉の形は、植物を見分ける重要な参考となります。注意して見てみて下さい。

      なお、参考に植物を分類するには花が基本となります。花の付き方や形によって「科」・「属」・「種」といった分類がなされます。



    • 問5 花粉症になりやすい木は何ですか。

      答え

      スギが大半を占めますが、ヒノキの花粉でも花粉症になります。



    • 問6 木の中で、一番せい高の木は何メートルありますか。

      答え

      1. 大高木
        オーストラリア産ユーカリ(eucalyptusamygdalina)高さ153m(椎葉村十根川神社ヤムラスギ54m)
      2. 大木
        アメリカ合衆国産セコイア(sequoiagigantea)目通り周囲60m、樹皮の厚さ30cm (日本の大木:鹿児島県蒲生のクスノキ目通り周囲24,2m)
      3. 広がりのある木
        インド産のバンヤン(ficusbenghalensis)2,07ヘクタール


    • 問7 木の年輪はどうやって出来るのですか。

      答え

      木を輪切りにすると色の濃い輪になった”すじ(筋)”が見えます。これが年輪(下記の図)です。

      毎年一本ずつ出来るので年輪といい、これを数えることにより木の年齢がわかります。

      日本などのように春夏秋冬の季節がある地域においては、木は春から夏にかけて生長が早く、大きくて膜の薄い細胞が作られますが、

      夏から秋にかけては小さくて膜の厚い細胞が作られ、冬に備えやがて生長が止まります。

      この、今年の小さい細胞と翌年の生長の早い大きい細胞との境が”すじ(筋)”に見え、これが年輪と呼ばれます。

      このため、四季の移り変わりのない熱帯地方の木は一年中同じような生長のため、年輪が出来ません。



    • 問8 大きな木は何年育てたか分かりますか。

      答え

      問7で説明した年輪を数えることにより木の年齢が分かります。

      しかし、木を伐採しない場合は年輪を数えることが出来ないので、「成長錐(せいちょうすい)」という道具を木の根元にねじ込んで、それを引き抜くことにより材木の一部を取り出し、その年輪を数えることにより推定します。



    • 問9 木は1年で何m何cm高くなるのですか。

      答え

      一般的に九州地方のスギで、70cm(40~100cm)程度と考えられます。



    • 問10 木は何年くらいで10m近くの大きさになるのですか。

      答え

      木の種類により大変違いがありますが、九州のスギの木ですとおおむね10~15年で10m近くの大きさになります。



    • 問11 樹木は何年生き続けるのですか。

      答え

      樹木には、人間と同じように寿命があります。永遠に生き続けることは出来ません。

      しかし、樹木は一般的に非常に長生きです。このため、皆さんには木が何年もそこに存在し続けるように見えるものもあるかもしれません。

      さて、それでは樹木の寿命はというと、ヤナギのような木は短く10~30年程度のものから、アメリカのカルフォルニアにあるブルスルコーンパイン(マツ)のように5,000年と言われるものもあります。



    • 問12 木は伐られても生きているのですか。

      答え

      問11で説明したように木には寿命があります。

      木は伐採された時点で生物としては死んでしまうこととなります。これは木が生物である以上、避けて通ることは出来ません。

      「トラは死して皮をとどめ、人は死して名をのこす」ということわざもありますが、「木は死して木材をのこす」ということです。

      世界最古の木造建築「法隆寺」は、1,000年以上経過したヒノキが使われています。ちょうど1,000年たった昭和になって修理が行われ、そのとき強度(木の強さ)の試験が行われました。その結果、強度は伐られてから200年までは少しづつ増大し、その後ほんとに少しづつ低下(弱くなり)していき、1,000年たった今日、建築した当時と同じ程度の強度であることがわかりました(鉄筋コンクリートは100年の命と言われています)。

      このことからすると、木材は伐られてからもなお建築物となって生き続けていると言えるでしょう。



    • 問13 木を伐るとなくなります。 そうしたらどうやって暮らすのでしょう。

      答え

      日本では木を伐採したら植えるか、自然の力により森林へ戻ろうとする手助けを行うなどして、森林を再び作るようにしています。

      このため、また家を建てる40年、50年先には立派な木となって、再び木材として使用出来るようになっています。心配はいりません。



    • 問14 木の種類によって水漏れするもの、しにくいものがあるのですか。また、あるとすればどういう木ですか。

      答え

      木の種類によって木材の構造が違いますし、さらに木材の縦・横方向によっても構造が違います。

      針葉樹(主に葉がとがった針のような木)は仮道管という細胞で大半がつくられており、広葉樹(主に葉が広い木)は道管で作られています。

      まず、針葉樹の仮道管はあまり長さがない(1~6mm)細胞の集団で水の通路の役目とともに、木の全体を支える役目もしています。

      これに対して広葉樹の道管は連続的に細胞がつらなり水を通す専用の通路となっています。

      このことから、広葉樹を縦方向にすると水もれしやすくなります。

      このためウイスキー樽はナラ材を板目の方向で使用して作られています。

      水漏れしやすい木は、キリなどの柔らかい木です。



    • 問15 現在あちこちで森林伐採が進んでいますが、1年にどれくらい減っているのですか。

      答え

      世界全体では、焼き畑、森林の伐採などによる森林の破壊が進みつつあり、特に熱帯林の破壊は深刻な問題となってきている。

      国連食料農業機構(fao)によると1千1百万ヘクタールが消滅しているといわれます。 この森林面積は、日本の森林面積のおおよそ半分に当たり、大変な問題となってきています。最近では、地球環境の問題として世界的に研究されています。 なお、日本では木を伐採したら必ず植林や自然の力を利用した森林の再生を行っており、森林面積は減っていません。



    • 問16 日本の国土の中に、何種類の木があるのですか。

      答え

      現在日本全国の山野などに生育している樹木は、外国から侵入、導入したものをいれて176属500種とも言われています。