ホーム > 政策情報 > 事業概要 > 平成26・27年度国有林モニター > 平成22年度関東森林管理局国有林モニター会議概要


ここから本文です。

平成22年度関東森林管理局国有林モニター会議概要

関東森林管理局国有林モニター会議を開催しました。

  

開催内容等

開催日:平成22年10月19日

開催場所:群馬森林管理署管内国有林及び、小根山森林公園管理事務所 会議室

参加者:国有林モニター12名(当日欠席者2名)関東森林管理局 局長外5名

開催内容:国有林野事業現地視察及び会議

 

 

現地視察概要

 森林整備間伐実施箇所の視察

戦後植栽した人工林が育ち、間伐を行う時期になっています。

これらの森林は、木材の生産だけでなく、水源としての森林の役割や、様々な生物の住処としての役割等も担っており、適切な森林整備(間伐等)を行っていく必要があります。

 

国有林野事業では、高密度路網と高性能林業機械を組み合わせた「低コスト作業システム」を導入し、自然環境保全と経営的側面のバランスを考えた森林施業に取組んでいるところです。

現地視察では、高性能林業機械を利用した間伐作業をモニターの皆様に視察していただきました。

 

間伐について説明

間伐について説明

高性能林業機械による作業を視察

高性能林業機械による作業

 

モニターの皆様は、なかなか見ることができない森林整備現場に興味をもたれた様子で、「機械が入らない箇所の材はどのように運ぶのか?」「材の長さは決まっているのか?」「この材は何に利用されるのか?」など沢山の質問をいただきました。

(ちなみに、機械が入らない箇所は、チェンソーを使い作業員が伐採し、ワイヤーを使って集材しています。)

(材の長さは用途によって違い、現地で材の形状や材質等から、用途を判断します。)

山間部、傾斜地での森林整備作業の厳しさ、路網の必要性などを体感していただけたのではと思います。

 

オオタカモデル森林視察

森林は多くの野生動植物の住処としても重要な役割を持っており、関東森林管理局では生物多様性の保全に向けた取組を推進しています。

オオタカは、食物連鎖の頂点に立つ猛禽類の一種であり、主に小鳥やネズミなどの森林性の小動物を餌にしています。オオタカが生息できる環境であるということは、食物連鎖の関係から、様々な動植物が生息していると推測でき、オオタカの存在が生物多様性の指標であると言えます。

特にオオタカは、人の生活圏に近い里山や人工林などに生息しており、人工林の整備との関わり合いが大きい希少猛禽類です。

関東森林管理局では、このことに注目し、平成6年よりオオタカの保護と人工林施業について調査研究を続け、平成21年度には、地元有識者や自然保護団体等からなる検討委員会を開催し、生物多様性保全と林業生産活動の両立を図る独自の「オオタカモデル森林森林計画」を樹立し、現在計画に基づいて森林整備等を実施しているところです。

「オオタカモデル森林」では、人工林、天然林、針葉樹林、広葉樹林、伐採後の植栽地、若齢林、成熟林など、様々な森林をモザイク状に配置し、木材生産機能を持ちながら、多くの生物が生息する豊かな森林を目指しています。

現地視察では、モデル森林全体を遠望しつつ、オオタカモデル森林における取組についてご説明しました。

 

オオタカモデル森林について説明

オオタカモデル森林について説明

オオタカモデル森林イメージ図

オオタカモデル森林イメージ図

 

 

小根山森林公園視察視察

小根山森林公園は、約91ヘクタールの国有林で、明治37年に、林業のための試験地が設定され、40種ほどの外来樹種や日本各地の有用樹種について、造林方法など各種試験が行われました。

昭和30年には、見本林として活用することとなり、のちに群馬県と協定を締結し、「森林公園」として広く一般に公開され、「野鳥の森」としても多くの方々に利用されています。

園内には、様々な樹種が様々な方法で植林されており、国内有数の貴重な見本林の中を遊歩道で散策することができます。

 

昼食後の短い時間でしたが、展望台までの展示林をご紹介しつつ、皆様と散策しました。

  

看板前にて

100年以上前から試験林として活用されてきました

ケヤキの試験林

ケヤキの試験林を見上げる

 

 

会議概要

 本会議では、関東森林管理局側より、昨年末策定された、「森林林業再生プラン」(日本の森林林業全体についての今後の政策。木材自給率50%を目指して、路網の整備、人材育成、木材利用の推進等について目指す方向を示したもの)やそれを受けての関東森林管理局での取組についてご説明した後、皆様との意見交換を行いました。

 

会場全体

   

皆様からは、多くのご意見を頂きました。以下一部でございますが概要をご紹介します。

 

○森林整備が遅れている民有林(特に個人所有林)について、抜本的な対策(補助金制度の見直しや、罰則導入、自治体等による森林整備の実施、放棄森林の買い上げ、担い手やリーダーの育成など)が必要である。

○既に林業は生業として成り立たない状況であるため、国民に説明の上、税金を投入し、新たな施策を展開する時期にきている。

○環境税を導入し、森林整備等に当てている都道府県があるが、もう少し広域に考え、森林の恩恵を受けている下流地域(隣県)からも平等に徴収できるような仕組みができないか。

○国産材の利用拡大のための施策として、建築資材需要動向に合わせた規格の丸太等の生産促進や、国産材を使った長期耐用住宅の促進、公共施設への国産材使用義務化、木材の燃料化などの新しい技術の開発など。

○国有林の取組について更なるPRに努めるべき。森林環境教育は非常に重要。

 

 

様々なご意見をお聞きすることができ、我々にとっても大変有意義な時間となりました。

お忙しい中、遠方よりご参加いただきまして、大変ありがとうございました。

また、今回参加することが出来なかった皆様も、引き続きましてお気軽にご意見等をお寄せください。

 

 

お問い合わせ先

企画調整室  
担当者:企画調整係
ダイヤルイン:027-210-1150
FAX:027-210-1151

森林管理局の案内

リンク集