今回は、知床の森を未来に伝える苗木づくりとしての「種まき」と、秋本番の知床の紅葉を鑑賞しながら森林に親しむイベントを開催しました。
参加者は北見市、網走市を中心として釧路市などから23名。家族での参加や子どもだけでの参加、また年齢は下は10歳から上は67歳までと幅広い方々の参加がありました。
当日はまず知床峠に向かいました。峠はあいにく霧の中でしたが、知床横断道路を走るバスの中からは所々で見頃の紅葉が見られ、「あら、綺麗じゃない」との声が上がる中、色付いた知床の山々の景色を眺めました。
峠の滞在後、「知床自然観察教育林」に向かいました。
水が蒸発してシダ植物等の生えた「ポンホロ沼」の跡地をシカ道をたどって抜け、職員の解説の下に、周辺の紅葉の様子や森林の循環の様子などを観察しながら散策しました。
紅葉はまだ始まったばかりという様子でしたが、「大きな木がたくさんあるのね」「知床の森に来ることができてよかった」「(ポンホロ沼の)水のある時期にまた来たいわ」などの散策を楽しむ声が聞かれました。
散策後、(財)日本森林林業振興会旭川支部北見支所が今年6月に開設した「知床の森 支援苗圃」に移動し、支所長からの「将来の知床の森づくりのために種を植え、苗を育てましょう」という挨拶の後、種まきを行いました。
種まきは、知床を代表する樹種であるミズナラのドングリを、「木の日」である10月8日に因んで一人8粒程度まきました(ドングリは当センターが毎年行っている堅果結実調査の際に収集したものを有効活用しています)。
また、紅葉の中でさらに森林に親しんでいただくため、斜里町真鯉地区の森林で「ツリーイング」体験も行いました。
道東ツリーイングクラブの指導により、樹齢およそ300年、高さ30m以上の桂の木の枝にロープを掛けて登りました。みなさん最初は不安な様子で恐る恐る登っていましたが、「こんな体験初めてだわ」「木に登ったのは子どものころ以来だ」などと60代の方々も大満足の様子でした。
一方、ツリーイング体験をしない方々は、職員の解説の下、秋の恵みのヤマブドウやコクワ、クルミなどの観察の他、近くの川でカラフトマスやサケの遡上の様子を観察して、森と海とのつながりについての理解を深めました。
参加者からは、「今日1日で森でのいろいろな経験ができ大変楽しかった」「木の種類・年代などが分かって興味深かった」「種まきがおもしろかった、またやりたい」などといった声が聞かれ、森林への親しみがより深まった様子でした。
(島田 緑化第二係)
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