海岸林である「えりも国有林」は、砂浜のすぐそばまで苗木の植栽を行っています。
しかし、波や風により移動してきた砂で、せっかく植栽した苗木が埋もれ、成長に影響を及ぼしています。
そこで、「えりも国有林」では、苗木を強風から保護するため、防風耐雪柵を設置しています。
この防風耐雪柵は、北海道大学名誉教授 東 三郎 氏が考案され、冬季に雪を溜めることによって土壌の凍結から苗木を守る効果があります。
その機能を砂を溜めることに応用したのが「耐砂柵」です。
現在までに、長さ3.6mの「耐砂柵」を329基(延長1,185m)設置しました。さらに、今年の冬に180基を設置する予定です。
この事業での木材使用量は、1基当たり0.44立方メートルで、今回設置する分も合わせると、全体で223.96立方メートルの木材を利用することになります。
この「耐砂柵」は、年数が経つと砂に埋もれて機能を果たさなくなるため、その上に新しい柵を設置しなおして、効果を持続させていきます。
この「耐砂柵」の設置によって、海岸の砂が国有林内に移動するのを防ぎ、苗木の成長に対する影響は軽減されています。
また、防風耐雪柵や防鹿柵と同様に、「耐砂柵」は小径の間伐材を利用できることから、さらに間伐材の利用促進につながることを期待しています。
(志田 えりも治山事業所主任)
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