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平成28年2月16日

林野庁北海道森林管理局

「平成27年度コンテナ苗植栽事業結果報告会」の開催概要について

 

平成28年2月3日(水曜日)に北海道森林管理局大会議室において、平成27年度コンテナ苗植栽事業結果報告会を開催しました。

気候・地質や主要植栽樹種が本州と異なる北海道では、現在、関係者が集まって「北海道の気候や地質等に適したコンテナ苗の可能性」について検討を重ねる一方で、苗木生産者の方々がより良い北海道型コンテナ苗を模索されているところです。

このような中で、北海道で生産されるコンテナ苗の殆どを使用している国有林として、利用者側から見た現在の北海道のコンテナ苗の品質、梱包、移送、保存、植栽等における課題について、苗木生産者と造林事業体等との情報共有の場を設け、より良い北海道型コンテナ苗の生産やコンテナ苗に不慣れな造林事業者の技術の向上等に資することを主な目的に本報告会を開催したところ、苗木生産者、造林事業体等から約140名の参加を得た盛会となりました。

コンテナ苗植栽事業結果報告会

参加者

概要

1.コンテナ苗植栽事業報告

北海道局では、27年度は、1カ所で千本、万本植える事業ベースの植え付けを行いながら、北海道におけるコンテナ苗のメリットの確認、事業ベースとした場合の課題の把握及びその関係者間の情報共有に取り組みました。

特に、コンテナ苗のメリットとして「植栽の時期を選ばない」と言われていることに 着目し、当局「造林事業適期標準表」において植付適期とされていない夏期に植栽を行ってメリットを確認することに取り組みました。

1)石狩森林管理署「石狩署におけるコンテナ苗の取り組み」

(概要)
25年度から取り組んでいる伐採と造林の一貫作業(一括発注)について説明。特に、27年度は夏期植栽と集積した末木枝条の販売に取り組む中で、夏期植栽の活着率が96%以上であったこと、輸送時の根鉢の損傷もなかったこと、施業方法の見直しで効率的な末木枝条の集積と地拵えの省力化が出来たことを報告。

2)日高南部署「オーガーを使用した植栽等について」

(概要)
植穴掘り機(オーガー)を使って2人一組(一人は穴掘り専門、一人は植え付け専門)の植栽に取り組んだ結果、植付効率が30%程度向上するとともに、作業者の腰への負担も少なかったこと報告。併せてコンテナ苗の個々の根鉢を湿った新聞紙で梱包したところ、輸送で根鉢崩れを防ぐことができたこと、根鉢の乾燥を防ぐ効果があったことを報告。

3)上川南部署「伐採と造林の一貫作業とコンテナ苗の夏期植栽について」

(概要)
伐採と造林の一貫作業に取り組む中で、北海道で初めてフォワーダによる苗木の小運搬を実践するとともに、カラマツのコンテナ苗の夏期植栽の可能性について検証。特に事業者が特注で制作したグラップルレーキで表土を大きく移動せずササの根茎の切除取り組んだこと、植え付け時期や前後の降雨等に応じた活着の状況、植栽2~3ヶ月後の根茎の発達状況について報告。

2.コンテナ苗生産者の事例報告

1)(有)岸苗畑 代表取締役 岸氏 「カラマツ類コンテナ苗生産による雇用期間の拡張」

(概要)
コンテナ苗の育苗スケジュールやクリーンラーチのさし木育苗の取り組みを紹介するとともに、苗木生産者として、雇用期間の拡張、育苗期間の短縮、出荷期間の拡大、得苗率の向上の効果が期待される反面、設備投資の増加、予約生産、苗長の小型化といった課題があることを説明。

2)(有)大坂林業 取締役 松村氏 「コンテナ苗生産者の事例報告」

(概要)
2010年よりコンテナ苗の試験生産に取り組み、2015年の出荷本数は12万4千本余。培土充填や植え穴開けを機械化するなどの機械化・省力化に取り組み50万本生産も視野。コンテナ苗木生産上の課題の把握やその対応策、苗木の品質と生産コストのあり方を模索していることを報告。

3)紋別地区種苗協議会 参事 遠藤氏「コンテナ苗の普及拡大に向けての一考察」

(概要)
紋別地区種苗協議会が取り組んでいるコンテナ苗の効果的山出し方法(コンテナ容器ごと山出しする大型輸送用コンテナの開発)、コンテナ苗の効率的植え付け(刈り払い機用コンテナ苗植穴掘機の開発)、コンテナ苗育苗作業の効率化(移植容器の考案)について紹介。

3.国有林におけるこれまでの取り組みと今後の取り組み方向について

(概要)
23年度に初めてコンテナ苗の植栽を行って以降、その植え付けを順次拡大してきていること、特に27年度は北海道におけるコンテナ苗のメリットの発現を重視し、「植付け時期を選ばない」ことを検証するため、コンテナ苗の夏期植栽による植付期間を拡大する取り組み等を行ってきたことを報告。
さらに、今後の取り組みとして、もう一つのメリットである「植付けの効率化」に取り組むため「コンテナ苗の標準化」(北海道では苗木生産者が様々の取り組みを重ねる中で多様なサイズのコンテナ苗が流通しており、まずはこの標準化等を局の発注仕様書に盛り込んでいくこと)や、今後の「局のコンテナ苗の利用見通し」(コンテナ苗のメリットの検証を進める一方で、今後5年間で利用量の倍増を図ること)を公表して計画的な苗木生産に資することを説明。

4.質疑及び意見交換等

(概要)
本報告会の議論に資するため、予め、苗木生産者、造林事業者を対象に「コンテナ苗の品質・梱包・運搬・保管・植付等に係るアンケート調査」を実施し、その結果も踏まえながら、効率的な植付方法、梱包方法、小運搬、夏期植栽等について意見交換等を実施。

  • 苗木の根鉢サイズが業者によって違うので、標準化できれば植付けの効率化が図れるのでは。
  • 苗木の梱包資材の段ボールやラップが現場の廃棄物となる。
  • 苗木のストックポイントが出来れば天候を見つつ柔軟な植付けが可能になる。
  • 苗木の小運搬が大変だった。
  • トドマツは7月の土用以降に植えれば大丈夫では。 

等の課題を参加者で情報共有。

意見を述べる苗木生産者

意見を述べる苗木生産者

意見を述べる造林者

意見を述べる造林者

 

お問い合わせ先

森林整備部森林整備第一課
ダイヤルイン:050-3160-6288
FAX:011-614-2654

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