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進む日高の災害復旧

さる6月23日、日本林学会北海道支部が、昨年の台風災害の現場である、厚別川流域の荒廃地、治山、砂防事業等の現場を視察しました。

この災害は、平成15年8月に北海道に上陸した台風10号がもたらした集中豪雨によるもので、多数の山地災害が発生しました。

写真は、流木が点在する土石流の流下跡を歩く参加者の姿です。

土石流の流下跡の写真。流木が点在している。

 

森林の被害は、「台風10号による山地災害対策検討委員会」の報告では、森林被害は約400ヘクタールと推定されています。

国有林内でも、各所で山腹の崩壊が発生し、森林に多くの被害が発生しました。見えにくいですが、写真の茶色の部分は、全て山地から流出した土砂です。

山地から流出した土砂の空中写真

 

国有林野内の治山現場については、ウエンテシカン右沢を見学していただきました。当地では森林が崩壊し、下流の保全対象である農地や河川に大量の土砂が流出しました。写真は当時の状況です。

山から土砂が流出している写真

 

森林が流出した崩壊地を放置すると、土砂の生産が活発になります。崩壊地が拡大して周囲の森林に影響を与えるばかりでなく、下流の人々の生活に大きな影響を与えます。

谷止工施工箇所の写真

これら崩壊地に対しては、渓間工や緑化を主体とした山腹工等にて対処を行っています。

災害関連事業で設置された平成16年完成の渓間工(上記箇所のアップ)と後背の崩壊地の様子です。

この渓間工は、上流側の斜面の勾配を緩めることにより土砂流出を鎮め、崩壊地を再び緑豊かな森林に復旧させることを目的に設置しています。

このウエンテシカン右沢のほか、厚別川流域を中心として、多くの森林の荒廃箇所で、これら緊急の対策工事を進めているところです。

谷止工の写真

 

今回の視察は、災害発生のメカニズム、災害対応、調査手法等について、出席者から多くの意見交換がなされる場となりました。

台風災害は、発生から1年経過してもなお癒えるものではなく、依然として流域の山肌に崩壊の爪痕を残しています。

引き続き、国有林野内の荒廃地等に治山工事を実施し、速やかな森林の回復に努めます。

 

災害跡地の視察風景写真

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